#941 お披露目会後半!準備よーし!怖い物なーし!
オリヒメさんとレグラムカップルが終わってもまだまだお披露目は終わらない!
何しろAランク戦〈拠点落とし〉が明日なのだ。
ハンナ、マリー先輩、アルルにはもう全力で色々、本当に全力で色々と仕上げてもらった。
普通装備を作るってもっと時間が掛かるものらしいのだが、マリー先輩は意地でも仕上げるって言って装備が更新出来ていない参加者分を作ってしまったのだ。
おっと、マリー先輩からゴーサインが来たぞ。次の準備が出来たようだ。
「さーて次行ってみようー! 続いて5人目は――」
「次は私たち!」
「神装3人娘!」
「3人一緒に新装備のお披露目をご賞味あれ!」
俺の司会が終わらないうちに3人娘はやって来た。
じゃじゃじゃん! とテロップが付きそうな勢いで出てきてポーズを決めたのは、仲良し3人娘のサチ、エミ、ユウカだ。
サチが鞘に収まった状態の剣を構えるポーズを取り。
エミはしゃがんで左手で本を開きながら持って右手で何かを放ちそうな感じに構え。
ユウカは左手を前へ、右手も引き絞るような形で何かを撃ちそうな構えを取っている。
「「「「おお~~」」」」
3人、マジ仲良し。
ポーズがしっかり決まって大部屋から歓声が響いた。
「いいないいな! その決めポーズ、すごくかっこいいぞ!」
俺も拍手で歓声を送る。スクショがむっちゃ欲しい!
俺の司会が被されてしまったが、なーに問題ない。
要は盛り上がればいいのだ!
「ありがとねゼフィルス君!」
「この装備も、ゼフィルス君が〈青空と女神〉からレシピを借りてきてくれたって聞いたよ~」
「つい先日上級職に就けたと思ったら上級装備が用意されているなんて、驚いたよもう」
「はっはっは! 俺の中ではもう決定事項だったのさ」
そう、3人が〈上級転職〉したのは一昨日のこと。
それから注文したのではまず間に合わない。
実はその前から3人の装備は注文してあったのだ!
ちゃんと3人のイメージカラーに合わせてマリー先輩が仕上げてくれたぞ。
では見ていこう!
まずはサチ。〈花咲一閃シリーズ〉。
ピンク系寄りの赤が似合うサチは、前の装備と同じで花が咲く様子をモチーフにしたドレスアーマーの一品。
上はワイシャツっぽい服をベースに様々なコーデが入って色鮮やかになっていてチェック柄のスタイリッシュベストを着た装備、赤のチェックが入ったスカートも合わさって素晴らしい!
残念ながら神素材は入っていないのでパワーアップはしないが、剣を使った攻撃に補正の入る装備シリーズだ。可愛い、そしてかっこいい!
続いてエミ。〈魔法文学シリーズ〉。
黄色系が似合うエミは、一風変わって文学少女的なイメージとなっている。
黒縁めがねに学生服にも似たビシッと決まった見た目の装備。
メガネをちょこんと触れながら上目遣いが可愛らしい。明るい感じの文学少女ってこんな感じ? という感じに見てきたので親指を立てて返しといた。いいね!
最後にユウカ。〈海弓一矢シリーズ〉。
青系が似合うユウカは、意外にもへそだしな身軽な衣装となっている。
胸にはアーチャーが着けるようなアーマーを着て下はショートパンツ。そして膝下まで届く長い青色のコートでコーデされていた。
これはかわかっこいい!
本当は3人の装備は同じ装備シリーズの色変えで揃えたかったりしたのだが、剣士、魔法使い、弓士を全てカバー出来る装備が無かった。あってもどうしても偏りが生じてしまう。サチなんて軽鎧だからな。エミとユウカは軽装だし。
ということでバラバラで、いっそのこと彼女たちの火力が上がる方面のシリーズ装備を選んでみたが、好評で良かったよ。
一通り「いえーい」した3人は、最後に1人ずつ俺とハイタッチしてみんなの下へ向かっていった。
「さて! 一気に3人も出てしまったので飛んで飛んで8人目――! 次に来るのは、フラーミナだー!」
「ようやく出番だよ~」
「「フラウかわいい~」」
フラーミナが登場するとカタリナとロゼッタから声援が届いた。
今回、いつもいる3人グループのうち一足先にフラーミナだけ〈上級転職〉しちゃったんだが。
2人は純粋に応援に回った様子だ。とても良い友情だ!
「じゃーん! どうかな!?」
「すっごく可愛いわ! 抱きしめていい?」
「はい。フラウの可愛さが存分に活かされていると思います」
両手を広げ、大の字っぽい格好でジャーンとアピールするロリのフラーミナが可愛い。
頭にある垂れ耳がね、いいんですよ。
フラーミナの装備は少し変わって〈群長将軍シリーズ〉の女性服版。
まず目立つのは脹脛まで伸びる大きな白いマントだ。
中に着込んでいるのは学生服寄りのワイシャツに胸の開いてないオレンジ色のベスト。
短いスカートが可愛らしい。
うん。将軍というより将軍のコスプレ装備っぽい感じだな。リボンやボタンが多めに装飾されていて本来ならかっこいいに分類される装備のはずが、それをロリのフラーミナが着ているためホッコリかわいいしてしまう。
ロリ将軍。そんな装備だ。
なぜかその場で「回って回って~」という要望やこんなポーズとって~といった要望が相次ぎフラーミナがしばらく遊ばれていると、最後の1人の準備が整ったようで、フラーミナはカタリナに回収されていった。抱きしめて頬ずりされている。カタリナの雰囲気がいつもと違くないか? 気のせい?
まあいい。テンション高くなるとそういうこともよくある!
次行ってみようー!
「おまたせしました最後の1人、可愛い双子の姉、エリサだー」
「悪魔っ娘エリサちゃんの登場よ!」
「「「きゃ~可愛い~!」」」
「姉さま、良い感じです」
俺の声に一気に出てきて腰に手をあて、堂々と立つのはフィナの姉、エリサだ。
今日もカラコンと紫に染めた髪をバッチリ決め、マリー先輩が作った特製装備に身を包んでご登場だ。
「ゴスロリだ~」
「コンテストのやつより豪華~!」
「うん。身長も良い感じだからすごく似合うね」
3人娘の声に満更でもなさそうなエリサ。
エリサの装備は〈純睡夜魔シリーズ〉。
見た目は完全に黒のゴスロリ服。
ところどころ赤のリボンや刺繍などのアクセントが入っており、かっこよくも有り、可愛くもある。つまり心を鷲掴むような装備。アクセントのフリルがついた黒い日傘をさし、令嬢っぽい雰囲気すら醸し出すエリサは、何か吸い寄せられるような魅力があった。
今回エリサの装備は武器以外全取っ替え。
今まで悪魔コス系の頭装備やアクセ装備をしていたがそれは取り外し、一部悪魔要素、コウモリの翼を取り入れるくらいに止めている。
「どうご主人様、エリサちゃんの見た目にときめいちゃった?」
「おう! バッチリときめいちゃったぜ!」
「きゃー! やったわフィナちゃん! これでご主人様は私の虜よ!」
「それは姉さまの勘違いです」
最後の紹介が済むと、今度は一部の装備類。
アルルがたった一日で全力で仕上げてくれたシエラ用の四つの小盾、〈強合金の盾〉だ。
「すまんゼフィルス兄さん。〈タケミカヅチ〉は間に合わんかった」
「いやいや十分だアルル。ご苦労様」
「ええ、ありがとうアルル。これは大切に使わせてもらうわね」
「私のこともお気になさらないでください。私には〈イブキ〉がありますから」
「そう言ってもらえると助かるわぁ」
ということで滑り込みでシエラの盾も完成!
〈タケミカヅチ〉は間に合わなかったのは本当に気にしなくて良い。
今回のAランク戦、エステルにはずっと〈イブキ〉に乗っていてもらうからな。
槍砲は戦車の攻撃なので〈イブキ〉の攻撃力を参照するため、〈イブキ〉を降りないと槍は使えないのだ。
ちょっとマリー先輩とハンナ、アルルがフラフラしている。やりきった感が出ているな。
「お、終わったで~」
おおっと、マリー先輩にいつものロリ元気が無い! 間違えた。ノリの元気が無い! 労ってあげる。
「お疲れ様マリー先輩。ほんと、これ全部用意してくれて助かったぜ。ハンナもアルルも、ありがとな」
「ゼフィルス君、これで明日は勝てそうかな?」
「おうよ! これでバッチリ勝てる! 全部3人のおかげだ」
「うちは今回あまり仕事してへんからマリー姉を労わってあげてや。相当頑張ったみたいやからな」
「もちろんだ! ハンナ、早速豪華な食事を頼む! マリー先輩を全力で労わってあげよう!」
「任せてよゼフィルス君!」
「ほ、ほどほどでええよ?」
その後、お披露目会は大いに盛り上がり、なぜかその後に机に突っ伏しているマリー先輩が目撃されたとかいないとか。
……〈カマグマ〉の素材を見せたのが悪かったのかもしれない。
さて、これで準備はほぼ整った。
全員上級職よーし! 全員上級装備よーし! 召喚盤など上級アイテムもよーし!
ここまで準備すれば怖いもの無しだな!
〈エデン〉の目標は〈拠点落とし〉で1位だ!
みんな全力で倒してやるかんな!
第十九章 ―完―




