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(^ω^)【ようです】のようです

【世紀末おつかいゲームが異常にクソゲーだった】(^ω^)ようです

作者: 日曜日夕



  ('A`)「自粛で暇だしゲームしよかな。適当なRPGでいいか」



  ('A`)「ダウンロードして……よし、ゲームスタートだ」



     おこめクエスト



  ('A`)「地雷臭がハンパないタイトルだな」



     →START

      LOAD

      OPTION



  ('A`)「とりあえず、始めてみるか」



     ◇START



   『西暦229X年、世界は戦争の炎に包まれた!』



   『都市は崩壊し、大地は荒れ果て、海は枯れ、全ての生き物は息絶えたかのように思われた!』



('A`)「ああ~こういうね、世紀末的な世界観の奴ね」



   『しかし、お米は死滅していなかった!』



('A`)「なんでだよ!枯れとけよ!」



('A`)「……いや、枯れとけってのもおかしいけども!」



   『物語は、とある人物の一言から始まった!』



('A`)「お、主人公登場か?」





(・∀・)『息子(むすこ)よ。お米が切れてしまったわ。買って来て頂戴』



  ('A`)「息子て。名前呼んであげろよ」



(^ω^)『母上直々に使命を与えてくださるとは恐悦至極!命に変えても果たしてみせようぞ!』



  ('A`)「世紀末感だしてくるなや、こんなところで」



(・∀・)『うむ。失敗したら晩ごはんは無いと思え』



  ('A`)「ペナルティが重いのか軽いのか分かんねぇな」



     『こうして、息子はお米を買いに家を出たのであった!』



  ('A`)「だから息子って、名前つけてあげろよ開発陣も!主人公だろ!」



  ('A`)「……ちょっと待って、これ世紀末関係なくない!?ただのお使いじゃねぇか!」



(^ω^)『しかし、お米か……どこに行けば買えるのだろうか?』



     ファースト・ミッション!町の米屋へ迎え!



  ('A`)「答えだすなや!」



     <操作説明>

    Aボタン:喋る

    Bボタン:殴り攻撃

    Xボタン:蹴り攻撃

    Yボタン:ジャンプ

   十字パッド:移動



  ('A`)「攻撃とかあるんだ。こういうところは世紀末なのか」



  ('A`)「あ、歩いてたら人にぶつかった」



(・∀・)『オイてめぇ!何処見て歩いとんじゃいボケナスカボチャァッ!』



  ('A`)「ヤンキーのグラフィックがお母さんと同じなんだけど」



(^ω^)『貴様……死にたいのか?』



  ('A`)「自分からぶつかっといて何言ってんだお前」



(・∀・)『上等じゃねぇか!ミンチにしてやらぁ!』



  ('A`)「うわっいきなり殴ってきやがった!反撃だ!Bボタン連打!」



(^ω^)『せいッ!せいッ!せいッ!せいッ!せいッ!』



(・∀・)『ひでぼッ!』



  ('A`)「よっしゃ倒した!」



     <WInner 息子!>



(^ω^)『財布は貰っていくぜ』



     <高校生ヤンキーを倒した!2659円手に入れた!>



  ('A`)「リアルに窃盗だけど……まぁこういうのはゲームだからな」



  ('A`)「……さて、米屋はここかな?」



(・∀・)『いらっしゃい息子ちゃん。今日は何が欲しいんだい?』



  ('A`)「だからグラフィックがお母さんの使い回しなんだよ」



(^ω^)『お米が欲しいのだが』



(・∀・)『済まないねぇ。お米はもう品切れなんだ。なんせ世紀末だからね』



  ('A`)「理由になってねぇぞこの親父……ん?選択肢が出た」



     <米屋の親父が米を売ってくれない!?どうする?>


     →臆病な貴様は無様な醜態を晒しながら何も得ずに帰路に着く

      殴る



  ('A`)「0か100しか無いのかよ、この世紀末には」



  ('A`)「……どうせ、家に帰ってもゲームオーバーだろ?」




     ◇殴る



(^ω^)『せいッ!』



(・∀・)『効かぬわッ!』



(^ω^)『なにッ!?』



(・∀・)『ふん。力ずくで奪うつもりか……その意気や良し!ならば我を倒してみせよ!』



  ('A`)「すげーなこの町の人間。みんな修羅じゃん」



  ('A`)「とりあえずB連打」



(^ω^)『せいッ!せいッ!せいッ!せいッ!せいッ!』



(・∀・)『効かぬわッ!効かぬわッ!効かぬわッ!効かぬわッ!効かぬわッ!』



  ('A`)「さっきから音声ずっと同じなんだけど。これ以外の音出せねぇのかコイツら」



(^ω^)『せいッ!せいッ!せいッ!せいッ!せいッ!』



(・∀・)『効かぬわッ!効かぬわッ!効かぬわッ!効かぬわッ!効かぬわッ!』



  ('A`)「……つーか殴っても勝てないのか。強いな米屋」



(・∀・)『どうしたッ!?我の鍛え抜かれた鋼の身体に攻撃など通らぬわ!』



  ('A`)「うわーめっちゃ強い。中ボスってところか?」



(・∀・)「はっはっは!昨日オーバーワークで痛めた膝以外に弱点など無いわー!」



  ('A`)「馬鹿だろコイツ」



(^ω^)『くっ!奴の弱点は、一体何処だと言うんだ?』



  ('A`)「膝だよ」



  ('A`)「……膝ってことは、蹴ればいいのか?」



(^ω^)「せいやッ!」



(・∀・)「たわらびぅッ!」



  ('A`)「一撃じゃねぇか」



     <WInner 息子!>



(^ω^)『財布は貰っていくぜ』



  ('A`)「お米を貰っていけよ」



     <米屋を倒した!18万9800円手に入れた!>



  ('A`)「おい、コイツ絶対レジから金盗ってんぞ」



(・∀・)『くッ……私の負けだ。しかし、残念だが、米は既にここには無い。売り切れだからな』



(^ω^)『な、なんだってー!?』



  ('A`)「じゃあお前ら、何のために戦ってたん?」



(・∀・)『米が欲しいのなら……農家に行くんだな』



(^ω^)『農家だって!?くそッ晩ごはんに間に合うか……?』



     セカンド・ミッション!農家へ迎え!



  ('A`)「いきなり言われても……農家って何処だ?町の人に話しかけてみよ」



(^ω^)『ちょっといいか?農家の場所を教えて欲しい』



(・∀・)『知らねぇよッ!テメェが死ねぇッ!!!』



  ('A`)「まともに会話ができねぇんだけど!この町の奴ら!」



  再び町のヤンキーを倒した。蹴りで一発だった。



(・∀・)『ヒィ!農家は町の北にあります~』



  ('A`)「ああ、こうやって情報収集するのか……ホント、どこまでも世紀末だな」



(^ω^)『北?北とはなんだ?まぁ良い。邪魔をするものは打ち砕き、我が覇道を突き進むのみよ!』



  ('A`)「主人公、知能指数下がり過ぎじゃない?筋肉に支配されてんじゃん」



 その後、町を探索しつつ、ヤンキーから金を巻き上げつつ、塀に囲まれた大きな屋敷に辿り着いた。その間約2分。



(^ω^)『ここが農家か……門が邪魔だな。破壊するか』



  ('A`)「破壊すんな。もうコイツ悪役じゃん」



     <農家の門を打ち砕け!Bボタン連打!>



  ('A`)「こんなところでQTEは要らねぇんだよ!!」



     <コマンド成功!門を壊して、屋敷に侵入!>



(^ω^)『ダラッシャァ!たのもう!たのもう!』



(・∀・)『あの鋼鉄の門を破るとは何奴ッ!』



(^ω^)『貴様に名乗る名などない!米を寄越せ!』



  ('A`)「悪役が名前を言わなかったら、それはもう犯罪者だよ」



(・∀・)『ふん!私が丹精込めて育てた米を、うぬにくれてやるつもりは無いわ!』



(^ω^)『このド外道めがッ!貴様の血は何色だ!腹をかっさばいて確かめてやる!』



  ('A`)「お前はホントに血が通ってんのか?」



(・∀・)『確かめられるものなら、確かめてみよ!』



  ('A`)「うわー戦闘開始しちゃった。戦いたくねぇーなー。だって主人公がドス黒い悪だもん。とりあえず、キック連打」



(^ω^)『せいやッ!せいやッ!せいやッ!せいやッ!せいやッ!せいやッ!せいやッ!』



(・∀・)『ぼんぼぼッ!』



  ('A`)「早!?弱!勝っちゃったよ!」



(・∀・)『もう腰が……70歳の人間には堪えるわ……』



  ('A`)「おじいちゃんだったの!?グラフィックがお母さんだから分かんねぇよ!」



(^ω^)『雑魚が。おい、米は何処だ』



  ('A`)「コイツはホントもう容赦ねぇな」



(・∀・)『米など、もう無いわい……政府に全て買い上げられてしまったからのう』



(^ω^)『なにぃッ!?政府だと!?誰だソイツは!!』



  ('A`)「……」



(・∀・)『町の中央に聳える古城が在るだろう?それが役場だ。この町の米は全てそこに集められておる』



(^ω^)『何故そんなことを……ッ!』



(・∀・)『奴らは、復活させるつもりだ……この町に眠る……伝説の神を……』



(^ω^)『何だって!?おい、大丈夫か?口から血が……ッ!』



(・∀・)『ぐふっ……わしはもう長くないようだ……どうか、政府の暴走を……止めて……くれ……』



  ('A`)「なに?この急展開」



(^ω^)『くそぉーーー!!政府めぇ!!!罪なき老人を殺しやがってぇ!!!』



  ('A`)「どう考えてもお前だよ」



(^ω^)『許さん!雁首揃えて待っておれぇい!』



     ファイナル・ミッション!町長を倒せ!



  ('A`)「町長逃げろ!強盗殺人犯が狙っているぞ!」



     <町役場へ急げ!Xボタン連打!>



  ('A`)「だからQTEは要らねぇんだよ!!」



     <コマンド成功!町役場へ侵入成功!>



(^ω^)『ここが町役場か……誰もいないが、何故だ?』



 その時、町役場の城門が閉じ、息子は中に閉じ込められた!



(^ω^)『何ッ!?』



(・∀・)『待っていたぞ……息子よ』



(^ω^)『お、親父!!』



  ('A`)「グラフィックはお母さんだけどな」



(^ω^)「ど、どうしてこんなところに……?」



(・∀・)『愚問だ。私がこの町の町長だからな』



(^ω^)『なんだってッ!?』



  ('A`)「お父さんの職業くらい把握しとけや」



(・∀・)『これ以上貴様の狼藉を放ってはおけん!親たる私が成敗してくれる!』



(^ω^)『ふん!親を越えるが子の役目!返り討ちにしてくれる!』



  ('A`)「こいつは自分が主人公でなく純粋悪だと気づいてないのか?」



  ('A`)「とりあえずBで殴るか」



  ('A`)「あ、間違えてA押しちゃった」



(^ω^)『すまない。親父、私が間違っていた……』



  ('A`)「は?」



(・∀・)『おおっ分かってくれたか息子よ!』



(^ω^)『このような血塗られた私を、許してくれるか?父よ』



(・∀・)『ああ、許そうぞ』



 そういうと二人はひしっと抱き合った。



  ('A`)「え?なんで良い風な話にしようとしてんだコイツら」



(^ω^)『ところで、集めた米で神を召喚するという噂は本当か?』



(・∀・)『嘘に決まっておろう。市場価格よりも安い値で買い上げたので、農家が怒り、そのように非常識な噂を流したのだ』



  ('A`)「今明かされる衝撃の事実」



(^ω^)『では、なぜ米を集めているのだ?』



(・∀・)『人民へ米を安定供給するためだ。このような世紀末の世の中では米の値段が跳ね上がり、貧しい者に行き渡らなくなってしまう。その為、政府が大量に安く買い上げ、それを配給するのだ』



  ('A`)「こんなところで世紀末設定を有効活用するな」



(^ω^)『ぬぅ……難解すぎて頭が弾け飛びそうだ』



(・∀・)『お前は将来、私の跡を継ぐのだ。この程度で躓くのではない』



(^ω^)『わ、分かっておる!』



(・∀・)『はっはっは!明るい未来は主の手にかかっておるぞ!』



  ('A`)「この町の将来は真っ暗だよ。息子のせいで」



(・∀・)『それじゃ、私はまだ仕事があるから、お前はこの米を持って帰りなさい』



(^ω^)『応っ!』



  ('A`)「エンディングが唐突すぎんだろ」



(・∀・)『あら、遅かったじゃない』



(^ω^)『母上!米を持って、不肖、息子が帰りましたぞ!』



(・∀・)『えー……もう8時過ぎちゃってるわよ。今から作るのはめんどくさいし……』



  ('A`)「今更なに言ってんだこのババァ」



  ('A`)「つーか酷いよな、母親も父親も、子どもの名前くらい呼んであげろよ」



(・∀・)『そうだ、ピザでも頼もうかしら?』



(^ω^)『!マジっ!?やった!私、明太もちチーズがいい!』



  ('A`)「口調変わってんぞオイ!俺の努力は何だったんだよ!」



(・∀・)『も~せっかく買ってきたって言うのに、気まぐれな娘ねぇ~』



(^ω^)『へへっ!』



     <THE END>



  ('A`)「……」



  ('A`)「え?これでおわり?……え?」



  ('A`)「……娘?」



     <タイムアタックモードが追加されました!>



     <対戦モードが追加されました!>



     <ギャラリーモードが追加されました!>



     <特殊コスチュームが追加されました!>



     <主人公の名前が変更可能になりました!>


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[良い点] なんとなく香るこのレトロ感、好きw
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