#5 夜道
百井さんと一緒に....と言うよりも多くの寮生達とそれぞれ自分の部屋に戻ってきた。
皆、部屋に帰っていく。
今回の集まりで意外だったのは、仲良く話してるような人達が結構多かった事だ。
俺はてっきりお通夜レベルの静かさなのかと思っていたんだが、そこにはガヤガヤとした楽しい雰囲気があった。
俺が来るちょっと前にみんな仲良くなってたのかな....?
「百井さんがいてくれて本当に良かった....」
「ん....?」
うわ!思わず口に出てた!?
「あぁごめんごめん!なんか皆仲良さそうだったから百井さんがいなかったら俺、1人で緊張しっぱなしだったかもなーって」
「そ、それなら私もですよ....。立花くんが優しい人で安心しました」
「じゃあお互い様って事かな。これからよろしくね!」
「は、はい....!」
そう挨拶を交わして百井さんも俺も部屋に戻った。
新しい俺の部屋。まだ落ち着かないけど凄く快適に感じる。
時計を見るともう7時になっている事に気がついた。
こんな時間なのにまだ夜ご飯を食べていなかったな....。
寮での食事が出るのは明日からだから夜ご飯はコンビニとかで買ってこよう。
慣れない都会、1人夜道を歩くのは少し不安だがコンビニに行く決意をした。
寮を出ようとしたら入口の所にちょうど寮母の大野さんが見える。
「大野さん。ちょっとコンビニに行ってきます」
「架純くん、今日はご飯出なくてごめんなさいね。暗いから気をつけて行ってきてね」
「ありがとうございます!行ってきまーす」
少し不安だったが大野さんのお陰で気が楽になった気がする。
それに外へ出ていく生徒も俺だけではないようだし。
学校を出て大体徒歩5分程度で着く場所にコンビニが見えた。
都会はコンビニ多いな....。
しかし妙だ。
さっきから後ろに人がいる気がする。それに視線も感じる。振り返ってみたりしてもの誰もいないが....。
ただの自意識過剰なのかもしれないが少々気になりはする。
俺はちょっと早歩きでコンビニに向かい始めた。