#4 寮生活のはじまり
トランクから服などの生活用品を一通り整理し初めて、なんとか部屋がまとまってきた。
「ちょっとテレビでもつけてみよ」
テレビをつけてみると、田舎で地域番組ばかり見ていた俺には馴染みのない東京の番組がやっていた。
それからというもの片付けたものを少し確認しながらベッドに横になりテレビを見ていた。
バスや電車に長い間乗っていたから少し疲れているのがわかるな....。
そして、気がつくと20分になっていた。
ガチャ
部屋を出ると隣から同じタイミングで百井さんが出てきた。
「じゃあちょっと早いけど行こうか」
「は、はい!周りの部屋のみんなもだいぶ集まってきましたしね」
確かにみんな揃ってきてるな....。
「一階の食堂もまあまあ広かったはずなので、ちょっと楽しみです....!」
「というか、やっぱり他のみんなも一階に向かい出してるな」
「そうですね。寮に来て初めの集まりですから、ちょっと早めに来る人が多いんじゃないですか?」
俺と百井さんはそのまま出来た人の流れに合わせて一階の食堂に向かった。
「あの部屋だね」
「やっぱり結構広いくて綺麗ですね!」
百井さん、食堂が大きくてちょっとテンション上がってるのか....?
「とりあえず空いてるところに座ろうか」
食堂にはいくらか並んだテーブルがある。
前には少し大きな調理場があるからきっとこのテーブルに着いて食事するんだろう。
もう何人か座ってるな。
「あらあら、もう集まってきたのね。早くて助かるわ」
寮生たちが続々と集まってくる中、寮母の大野さんもやってきた。
「じゃあみんなも集まってきたみたいなので、今日はちょっとだけ、寮の紹介とか説明をしたいと思います」
と寮母さんが言うともう一人スーツを着た長いポニーテールの女の人が入ってきた。
「この人は舎監さんを務める桜坂舞先生です」
「桜坂だ。学校では国語の講師をしている。この寮では舎監、ようは生活指導などを行う。よろしく頼む」
なんかキリッとしててカッコイイ先生だな....。
「この寮は珍しく男女が寮ごとじゃなくて部屋を境にして分けられてるから、舎監さんは大事な存在ね。
じゃあ今から簡単に寮について話します。まずは食事についてね。食事は朝と夜、どっちも6時から8時までになっているわ。来た人からお盆にのったご飯を渡していきます」
時間がちょっと長く設けられているのは有難いな。
朝と夜って事はお昼ご飯は学校で食べるのか。
「次に時間帯、夜10時までには寮に、11までには部屋にいてもらいます。消灯は各自行って貰いますが夜うるさいと注意にいきますからね」
各自消灯なのか。でもあんまり遅くまで起きてて注意されるのも怖いかな....。
「まあ、大体は以上になりますけど何か質問があったりしたらいつでも私や桜坂先生に言ってね。
じゃあこれで終わります。今日からみんなよろしくね」
そうして思いの外すぐに集まりは終わった。
集まりが終わったらなんだか寮生活が始まったのを実感したなー....。