#3 消えたサンドイッチ
「ところでみんないつ頃にここに来たとかって分かるかな....?」
「わ、私が来たのは2時間くらい前でしたね」
「2時間か。結構早く来たんだね」
2時間前....。もしかして俺、出遅れたのか....?
「その後は私が来てから少しして、どんどん人が集まってきたって感じでしたね....。今は大体の人が出て行ってしまった感じです」
「みんな出かけたのか?それとも学校内を見てるとか....?」
「どうなんでしょう....。友達と一緒みたいな人が多かったようでしたが....」
やっぱり高校に来て初めに探すのは一緒に入学する中学校が同じ友達、とかだよな。
俺のいた中学校はまず人が少ないし、同じ高校に来る友達もいないっていうのが困るところだ....。
「た、立花くんは友達と一緒とかではなかったんですか....?」
「俺?俺はちょっと遠くの方から来たし1人なんだ」
「そ、そ、そうなんですね!」
百井さんが明るい笑顔を見せながら言う。
うん。露骨に嬉しそうだな。
「もしかして百井さんも同じ感じなの?」
「はい....!正しく!」
「じゃあ時間さえ大丈夫なら一緒に学校を回ってみたりしない?」
「あー、でもあと30分もすれば寮ごとに夜の集まりがあったはず....」
「え!?初耳なんだけど」
「部屋のなかの紙に書いてあると思いますよ....?集合場所は一階の食堂だったはずです」
あの紙、初めに見とくべきだったか。
「紙読むの後回しにしてた....。助かったよ....」
「いや、私がいきなり押しかけたのも悪かったかも....」
「よし!じゃあ20分後くらいに一緒に食堂まで行こうか!」
「そ、そうですね!じゃあそれまで私は自分の部屋にいますね!それでは....!」
「うん!ありがとう!」
そして百井さんは自分の部屋に戻っていった。
俺もそれまでの間荷物の片付けでもするか....。ってあれ?
テーブルに買ってきたサンドイッチが無くなってる....?どこいった?カラスとか?いや、窓空いないしな....。
ま、後で見つかるかな。
とりあえず片付け、片付け。