#2 お隣さん
ガチャ....
おじゃましまーす、って俺の部屋だよな。
部屋には1つのベッドとテレビ、そして低めのテーブルが置かれていた。
この寮は生徒一人一人に部屋が分けてもらえるため、中々過ごしやすい。
テーブルの上には寮の説明が色々と書かれた紙が置いてある。さっき大野さんが言っていたやつか。後でしっかり読んでおこう....。
持っきたバッグと先に届いていたトランクを置き、来る途中に買ったサンドイッチとお茶をテーブルにそれぞれ置いた時だった
コンコンコン
「ご、ごめんくださーい...!」
おおぅ!?ノックと共に声が!?
「は、はーい」
ガチャ
ドアを開けるとそこには、ちょっと恥ずかしそうにした女の子が立っていた。
髪は長めだが後ろで縛られている。リボンが着いているのが特徴的だ。
「えっと....」
「す、すみません!さっき隣の部屋に人が来たのを見て挨拶に来ました!」
「あぁ!隣の部屋の人だったんですね!こちらこそ挨拶に行く前に来てもらってごめんなさい!」
お隣さんだったのか。
わざわざ挨拶に来てくれるなんて。
どうやらお隣さんはいい人そうだな。
「あの、やっぱりみんな挨拶とかに部屋回ってる感じなのかな」
「いや....私の逆のお隣さんは友達と一緒に寮に来たみたいで....なんか....話しかけにくくて....さっき隣の部屋に寮母さんと来た人がいたから....つい気になって....」
「な、なるほど」
ちょっとオドオドとした喋り方だ....。それでも挨拶に来てくれたのは嬉しいな。
まあでも、みんながみんな挨拶に行くほどアグレッシブではないよな。
実際俺も入学式終わったりしたらでいいと思ってたし。
「でもよかったよ。なんか1人だったから緊張がほぐれたというか....。あ、俺は立花架純。よろしくね!」
「そ、そう言われるとこっちも安心します....!私は百井環奈です....!こちらこそよろしくお願いします!」