#プロローグ
休日。いつものように俺の部屋でレースゲームをしていた。
1人でじゃない。レースゲームは誰かと一緒にやるのが楽しいからな。
それで隣にいるのが猫耳のこいつ、ミアだ。
ゲーム画面の映ったテレビに2人は向き合い、そして並べられたポテチなどのお菓子をつまんでいた。
「このままゴールすれば....!」
レース終盤俺の前を目をミアが1位で走っている。
「お、いいアイテム拾った」
「架純....いまそれ使われると私に当たるからやめt」
「くらえ!ミア!!」
「ちょっと!!」
俺の投げたアイテムが当たりミアの車は転倒する。
「そのままゴーール!」
俺は1位、そして俺に妨害されたミアは4位となった。
俺が喜んでいる最中、なんだか横でミアがぷるぷると震えだしている。
「かーすーみぃーー....!!」
ん?なんだ...?
「ぐはっ!」
!?
こいつコントローラーを投げ捨てていきなり殴り掛かかってきやがった!!
「何すんだミアーー!!」
「あんなことされたら誰だって怒るーー!」
「いやゲームだから楽しくやればいいだろ!!」
「それとこれとは話が別!!」
押さえつける俺と暴れるミア。
まあミアの感情爆発はよくあるような事だからな....。
慣れてしまったからか周りの物への被害を最小限にする事を優先している。
ミアの後ろに立ち、羽交い締め状態でなだめていると部屋のドアが空いた。
「ん?誰か入ってきた?」
「なに私意外の人とイチャイチャしてるんですかー!!」
ものすごいスピードで女の子が部屋に入ってくる!?
「うおお!?環奈!」
隣の部屋に住む環奈が俺とミアを強引に引っ張って引き離す。
そしてミアは環奈に突き飛ばされ、ベッドに着地した。
変に刺激するとまたミアが怒るからやめてくれ....。
俺はと言うとがっしりと両腕で抱きつかれている。
これに関してはあまり悪い気はしない....がしかし、状況はよろしくない。
「環奈!今回悪いのは架純の方だから!」
「何が悪いって私じゃなくミアちゃんが架純くんを独り占めしてる事ですからね!!」
それにしても何故こんな騒がしいのか....。
いがみ合う2人を見ていてふと思った。
俺の平穏な休日はこの学校、この寮に来た時からもうなかったのかもしれないな....。