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この天秤は神のみぞ知る  作者: 野田木村
3/5

サリア・フォーン・ラシェイド

目が覚めたら俺はベッドの上にいた


「確か俺転生して...エンジェリウスとかいうモンスターに追いかけられているところをエリンギという狩人(ハンター)のオッサンに助けて貰ってカバリイの街に向かう途中にドラゴニクスとかいうモンスターと戦ってる女の子を庇って...」


バッ!

俺は飛び上がった


「確か俺...右腕持ってかれてたよな」


俺が驚くのも無理はない。なぜなら持ってかれた右腕が再生していたのだから

唖然としていると部屋のドアがギギギと音を立てながら開く


「おー!坊主!目が覚めたか」

「オッサン...ここは?」

「ここか?ここはカバリイギルドの個室だよ」

「ギルド...ギルド!」


呆然としていた俺だったがようやく我に返った

俺が気を失っている間にカバリイの街に着いていたらしい


「しかしよくあれからドラゴニクスを倒しましたね」

「何言ってんだ坊主?ドラゴニクスを討伐したのは坊主じゃねーか!」

「は?」


またも俺が唖然とする

オッサンは俺が気を失っているあいだのことを淡々と話してくれた


「しかしあれは驚いたな!坊主がいきなり黒いオーラに包まれてからものすごいスピードで移動するんだぜ!そしたら瞬く間にドラゴニクスの首をスッパーンと切り落とすんだ!やるじゃねーか坊主!」


覚えてない!俺はただ気を失っていただけであって戦った記憶などまるでない

しかし俺は直ぐに気付いた。さっきの話からして俺がドラゴニクスを一瞬にして屠れる力といえばあれしかない


「チート能力か...」


しかしあれだな。チート能力だとして俺が気を失っている間にしか発動できないとなると少し厄介だな

理由は言うまでもないがもし仮に討伐クエストというものがあるとすると俺はいちいち戦場で気絶をしなきゃいけなくなる

俺が悶々と考えていると


「とりあえず下のギルド酒場にでも行って話そうぜ」

「下?」


俺はオッサンにつられ部屋から出て廊下の階段を下りるとそこには今まさに祭りをやっているのかと勘違いをしてしまうくらいの騒ぎっぷりをする老若男女たち


「ようこそカバリイギルドへ!お身体の方はもう大丈夫でしょうか?」

「は...はい」


ギルドの受付嬢らしき人が話しかけてた


「おっ!エリンギそいつが例のドラゴニクスを倒したっていうやつか!?」

「マジで!」

「俺にも話聞かせてくれー」


ギルドメンバーであろう人達が俺に群がってくる


「すげーぜお前!あの上級モンスターのドラゴニクスを倒しちまうなんてよ!」


マジか!俺こっちに来て早々に上級モンスター討伐したのかよ!

俺は驚きつつも人混みを見渡していると赤い物体がゆらゆらと揺れているのを見つけた...というかこっちに近づいてくる


「あんたは!?」


そこにはツンとした目赤髪のスラっとした体つきをした俺が助けた女の子が居た


「ねぇあんたなんで私を助けたの?」


ズカズカと近づいてくるやいなや俺に質問を投げかけてくる


「それはあんたがあのモンスターに食われそうになってたから助けようと...」

「私は助けてなんて言ってない!あんなの1人でも討伐できた!」


やっぱりこういう性格かー!


「まぁまぁ嬢ちゃん実際危なかったんだから...」

「雑魚狩人は黙ってて」

「はい...」


エリンギのオッサンしっかりしてよー!なんでそこで引き下がっちゃうのさー

ギロっと鋭い目でオッサンを睨みつけた女の子は鋭い目をしたまま俺の方を向いた


「まぁいいわ...私はサリア...サリア・フォーン・ラシェイド!職業は剣士(ブレーダー)!あんたは?」

真坂祐介(まさかゆうすけ)

「マサカ...変な名前ね!で?職業は?どこのギルドに所属してるの?」

「職業は...ない。ギルドにも無所属」

「え?無職(ノージョブ)でドラゴニクスを倒したの!?」


ギルド内がザワつく

「ほんとかよ...無職(ノージョブ)で...」

「信じらんねー」


いやいやいや!俺生前はちゃんと学校行ってましたから!なんならバイトだってしてたからな!!


「少年!ギルドに入ってないんだったらここに入ったらどうだ?」

「そりゃいい案だ!」

「期待のスーパールーキーの誕生だ!」

「スーパールーキーの歓迎会だー!今日は朝まで飲みまくるぞー!」

「「おぉ!」」


あれ?俺が無職無所属って言っただけで話がどんどん進んでいく


「は!?何私の許可無しに勝手に決めてるの!私は認めないわ!ちょっと!聞いてるの!」


サリアが猛反発するが誰一人として聞いてない

ギロりと睨みながらサリアは俺の方を向いた


「絶対に嫌だから!」

「よし!入ることにしよう」

「なんでよ!」


余程嫌だったのだろうかサリアは俺の顔面にグーパンを入れ走り去って行った...ものすごく痛い

正式にギルドに入ることにした俺とサリアのやり取りそっちのけでギルド内は飲んで食っての祭り騒ぎをまた始めた

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