第3章『ジャックとマイケル その① 』
あるところにジャックと、マイケルという二人の少年がいた
ジャックは『自由奔放』という言葉がよく似合う少年であり、
よく興味のあることを見つけては、
一人でいるマイケルを誘って興味のあることに全力疾走していた。
マイケルも、そんな自分にはないジャックの魅力に一目置いており、
気乗りがしなくても、
いつも急な彼からの頼みは断れなかった。
その日はひどい雨だった
台風が来ているらしく、外はとても出る気にはならなかったマイケルは、
家で一人本を読んでいた
「こんな日は流石にアイツは来ないだろう・・・」
そう思っていた矢先だった
ガンッ!
窓に何かがぶつかる音がした
最初はひどい台風だし、小石か何かが飛んで来たのだろうと思っていた
ガンッ! ガンガンッツ
連続して音は鳴り続けるー
こんな天気の日でも来たのかなあ
バカだなあ
流石に今日は出ないぞ
もしアイツだったら、インターホンを鳴らしたら家に入れてやるかな
外には出ないという決意をしながらも、そんな少しの期待のような考えをしていると、
音がやんだ
みたところ、
雨風は弱まっておらず、
むしろ激しさを増しているのに、
不思議に思ったマイケルは、窓の外を見てみるー
そこには、投げたら確実に窓が割れてしまうであろう、
おおきな石を集めようとしているジャックの姿があったー
マイケルは慌てて叫ぶ
「やめてくれジャック!そんなものを投げたら窓が割れてしまう!!
僕が怪我をしてもいいのかい⁉︎」
その言葉を聞いたジャックは、雨の中で濡れていても、それを照らす太陽のように、
嬉しそうに、イタズラっぽい笑顔で笑っていう
「冗談だって!笑
こんな石、本当に投げるわけないだろ〜」
と、大きな声で、
そしてまた、シシッと歯を見せて笑う
「お前がやると冗談に見えないんだよ…」
急いで玄関まで走ったマイケルはそう言ってドアを開け、
呆れた顔でため息交じりにそう口にした
そしてタオルを差し出し、
風邪をひいたら困ると、
遠慮し、嫌がるジャックに風呂を半ば強引に進めるのであったー