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作者: 曇り空



「うぅおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!」


 ガサガサと想像しい音、自身の上げる女を捨てた雄叫び、どっくんどっくんと盛大に跳ねる心臓、普段使わない筋肉が火事場の馬鹿力を発揮する感覚、全てが『今』を間違いない現実だと突きつけてくる。

 短い人生だけど、こんなに必死に走ったことなんて今まで一度もない。

 

 現在、私史上初、生命の危機を感じている。


「ギャアァ!!」


 頭上から、どこぞの怪獣映画ばりの咆哮が降って来る。

 もう、この後何が起こるかは実体験済みである。


「いいいいいっ!!」


 ――実体験済みなのだが、ついつい上空を振り仰いで、意味のない声が出た。


 走らなければ死ぬ。


 いや、今までも『走らなければ死ぬ』状況だった。命の危機を感じ始めてすでに長い時間が経った気がする。その間ずっと走っている。正直、普段から運動不足という四文字が付き纏っているような私に、この状況は辛過ぎる。筋肉が悲鳴をあげている。私の口からも悲鳴が出る。死にそう。


「……っ!!」


 どうでもいい思考を食い止るように背中から感じる、熱。

 噛み締めた歯から、音にならない唸り声が漏れた。

 沸騰したお湯をやかんから移し変える時に持ち手を握った時、もしくは、炊き上がったばかりの炊飯ジャーにしゃもじを差し入れる際、なんでもいい、手が火傷しそうになるあれ。日常生活で感じる、若干眉間に皺が寄ってしまうような、あんな軽度の蒸気しか知らない。

 熱と風の複合体。なんて言葉が適切なのかわからない。


 ただ、すぐそこに、死の気配がある。


 ぞっとする暇すらない。


 まず場所が悪い。森だ。見渡す限り、木と草。

 そんな場所で、上空から放たれるのは炎の塊。炎の塊。何度でも言おう、炎の塊なのである。

 他に表現の仕方がわからない。なんか炎が降って来るのである。雹のように降って来る。しかし大きさは雹なんてかわいいもんじゃない。いや雹の最大サイズはわからないけど、見る限り160センチメートル程度標準体型の私がまるっと隠れて余りあるサイズなので、そんな塊を雹とは呼べないだろう。そもそも雲の中でそのサイズが育つとも思えない。


 ばちばち、べきべき、緑の燃え落ちる背後から追ってくる。

 この森は今日で全焼してしまうのではなかろうか。

 焦げるにおいがする。

 森が焼け落ちて更地になるのと、自分自身があの炎に飲まれるのと、どちらが早いだろう。

 森の心配などしていられない。

 走る足は止めずに顔だけを動かして上空を見る。


 ばさりばさりと重たげな羽音が繰り返し耳朶を打つ。目が、合った気がした。

 けれどもまだ距離はある。

 それを確認して、ふっと無意識に詰めていた息を吐いた。

 厄介な炎の塊を連続使用して疲れたのだろうか。閉じた口許からは鋭い牙は見えない。あれがぱっかりと大きく開いて炎が出てくるのを見たのは、もう随分昔のように感じてしまう。多分まだ十分と経っていないと思うけれども。


「ぅ、わっ!」


 前をきちんと向いていなかったおかげで、木の根か何かにひっかかってしまった。幸いこけてべしゃり、なんてことにはならなかったが、がくんと体がバランスを崩す。足がもつれてたたらを踏んだ。

 ばさり、と一際強い羽音が耳に届く。


 背後から、ぶわっと風が――最早暴風といっていいほどの力を伴った強い衝撃が、襲う。


 これは、本格的にヤバイ。


 森が焼け落ちるより、自分が炎に包まれるより、相手が突っ込んできてその牙か爪の餌食になる方が早いようだ。


 思わず体ごと振り返ってしまった。もう足ががくがくと限界を訴えていたので、その拍子に尻餅をついてしまう。


 無理ゲーすぎんだろ、これ。


 視界いっぱいに広がるのは、追跡者の姿。

 森も空も申し訳程度に映る背景と化していて、真っ直ぐに自分へと向かって来るのは。


「ドラゴンって素手で倒せるもんじゃねぇだろ…」


 竜、というよりはドラゴンだ。何が違うかって和風か洋風かでイメージが違う。私の中で。

 ドラゴンといえばあの爬虫類を思わす顔とずっしりずんぐりな巨体、それをどうやって持ち上げているのかわからないが巨大な蝙蝠のそれに似た羽――翼という字のほうが合っているだろうか。


 空想の生物だ。


 間違っても現代日本、現代の地球、私の知る世界にこんな生物は存在しない。


 享年24歳、になるのかなぁ。



 ――死が訪れることを悟ったらしき脳内は、ここに至るまでの、自分の人生を回想しだした。




  ◆ ◆ ◆




 24年。

 平均寿命で言えば、死なんてまだまだ先の話だった。


 大きな病気なんてしたことない。季節の変わり目によく風邪は引くけれど、極稀に熱が出ても38度まで上がったのが最高記録で、平熱36度台だし一日ですぐに下がったしで薬さえ飲んでいれば治った。

 運動音痴で膝とか肘とか掌とか、こけた場所が悪ければ出血したりなかなか悲惨な状況にもなったものだけれど、骨折はしたことない。頭をぶつけたりするのはわりとよくあった。いつの間にかぶつけたのか、太ももより下なら痣があるなんてのもよくあった。日常茶飯事だった。怪我だってその程度。


 ともあれ、命の危機を感じる、その恐怖を覚えたことなんて一度もない人生なのは間違いなかった。


 これまでの人生の軌跡を一言で表すなら、平々凡々。


 特に派手なイベントなどなかった。

 住んでいる場所は、田舎といえば田舎だけれど、見渡す限り畑とかそんな感じでもない、少なくとも昔から同じ地域に住んでいる身には、特に不便と感じるようなことなどないようなところ。

 共働きの家庭だったのでぼんやり記憶があるのは保育園から。それから小学校、中学校、高校と普通に進学して、この地域では珍しくもなく高卒で地元の中小企業へと就職した。勤め始めた最初こそいっぱいいっぱいで、何をしたかも覚えていないくらいの毎日だったけれど、最近では余裕も出て私生活にも目を向けることもできていた。

 とはいえ、休日に何をするかといえば、家でごろごろするのが最優先。そのお供は漫画、小説、ゲーム、ネット。

 元々アクティブな性質ではないし、人付き合いもうまくはない。家にいる時間が至福だった。

 加えて現代の娯楽技術の発展は素晴らしく、漫画にしろ小説にしろゲームにしろ次から次へと新作が出てくるのだから飽きることもない。


 中でも携帯端末用のゲームアプリは手放せなかった。

 連絡手段であるはずのスマートフォンが、ほとんどゲーム機と化していたりするのはきっと私だけではないと思う。

 昔から空想世界にのめり込むが得意だった私にとって、漫画も小説もゲームも等しく時間を忘れて楽しむものだったけれど、あらゆる意味で手軽にプレイできるゲームアプリは一番の劇物だと思う。社会人になって自分の給料を貰ってからは、課金という悪魔にも容易に懐いてしまった。これはお布施だ。感謝の印だ。学生時代にひと月に万単位を使ってしまって、親にこっぴどく叱られ経験も勿論ある。あの時の後ろめたさとか怒鳴られた恐怖とか色々がこびりついているのか、未だにそれ以上の金額を使ったことはない。年単位の総額は考えないものとする。

 ただ、自分をゲーマーとは言えないような気がする。

 据え置き型のゲーム機も携帯型ゲーム機も、主要なものは時代に合わせて新しい機械を手に入れてきた。

 けれどもゲームが好きというより、私は空想世界、物語の世界が好きなのだ。作品を選ぶ際にも単純にあらすじや舞台設定、使用されるキャラクターの絵柄などが好みかどうかを基準にする。なので乙女ゲームと呼ばれるものも結構プレイしている。漫画だって冒険モノの少年漫画も好きだけど、恋愛モノの少女漫画だって好きだし、スポーツモノの漫画だって読む。

 だからオタクであることは認めるけれど、ゲーマーは自称しない。ゲームに興味のない人からしたら、まぁ大した差はないのかもしれないけれど。


 何はともあれ。

 本やゲームを通じて、誰かの記憶を共有した気分になれるのはとても楽しい。


 自分では経験できないようなことであれば尚更だ。




  ◆ ◆ ◆




 逆に言えば、自分で体験しないからこそ楽しめる。


 つまり、実体験など必要ないのだ。



 ドラゴンに遭遇する、などという死と隣り合わせのことであれば、尚のこと必要ない。



「異世界転移なら戦闘技術…いや、防御機能くらい…」


 視界が、例の炎の塊で埋め尽くされた。

 どうせなら気絶してしまいたかった。気を失っている間に、苦しまないうちにさくっと殺してほしかった。



 ――チリン。


 【サポートユニットがパーティに加わりました。】



「……は?」


 唐突に、場違いな高い鈴の音が響いたかと思えば、文章が表示される。

 炎を背景としているのに、その文章の周辺だけくりぬかれた様な白い長方形の中に、黒い文字の羅列。検索ウィンドウが頭に浮かんだ。残念ながら矢印型マウスポインターはない。そもそもにしてマウスもないし、文字入力手段も不明だけれども。


「大丈夫ですか!?」


 悲鳴のような女性の声に、思考を引き戻される。


 炎が視界から消えていたことに気づいた。


 どういうことだろう。


「お怪我は?立てますか?」


 二度目の女性の声はすぐ傍から聞こえた。

 現状に頭がついていかずにぼんやりしている間に、近づいてきたらしい。

 背中にほんのりとした温みが当たる。それから人の気配。


「…見たところ目立った外傷はないようですけれど…」


 さらりと視界の端で揺れたごくごく薄い金の糸に視線を向ければ、夏の空のような青い色の瞳とかちあった。


「すごい…」


 美少女。


 その単語しか出てこなかった。語彙力の低さを嘆くべきか、ひとつの単語を浮かべただけで思考を放棄した脳の処理能力の低さを嘆くべきか。

 困ったように眉を下げた彼女は、現実味を薄れさせるほど精巧な作りの顔の持ち主だった。

 一言放っただけで黙ってしまった私と目を合わせていたのは数秒程度だったように思う。荒い息のまま固まってしまったので、それを言葉が話せる状態ではないと判断したのかもしれない。

 その青い双眸が私の頭上から足の先まで動いていく。


「やはり怪我はないようですけれど…歩けそうですか?立ち上がることはできますか?」


 背中から僅かに力をかけられる。それにハッとして体を前に倒し、美少女がいる反対側の腕と引き寄せた足に力を込める。が、すぐにかくりと折れてしまった。

 情けないことに、限界値を突破して使用した筋肉は、仕事を放棄したようだった。


「…あの、申し訳、ないです……、力入らなくて……」


 切れ切れなのは息が整っていないからだ。ばくばくと相変わらず心臓がうるさくて、自分がちゃんと言葉を発しているのかすらよく聞こえない。

 美少女はそうですかと小さく呟いてから、ふわりと淡く笑う。


「怖い思いをなさいましたね。もう大丈夫ですよ」


 天使…いや女神だろうか。

 あまりに現実感がない彼女だが、背中をさすられる感触と、言葉を紡ぐ口が動いているのが見えるので、それらを信じるなら本当にここにいるひとりの人間なんだろう。


 口、日本語しゃべってるように思えるのは気のせいかな…?


 どう見ても西洋人顔なのに。日本人にあるまじき彫りの深さと色合いなのに。


 ふと、何かに気づいたように、美少女が前方を見やる。


「……終わりそうですね」


 何が?

 問いかける前に、釣られるようにして同じ方向に顔を動かす。

 同時に地面に触れた場所から伝わる振動と、ズオォンとものすごい重量が落ちたような音、バキバキと森が破壊されていく音が、山彦のように余韻を残して響き渡る。


「う…ぇ……?」


 見間違いだろうか。


 焼け焦げた森を、押しつぶすようにして、ドラゴンが転がっていた。

 空の青と焦げた黒の中にあっても目立つ、赤い巨体。間違いなく、自分を追っていたあのドラゴンだ。

 緑全てを焼き尽くそうと踊っていた炎が跡形も無く消えている。

 いやそれよりも。


 え、ドラゴンって倒せるの…?


 いや倒すとしても誰が?

 ここには自分以外に美少女しかいないのに?


 まさかと美少女に目線を向けるが、彼女の目は相変わらず前方に向けられたまま。横顔も綺麗である。


「そっちはどうだった?」


 突如響いた重低音に、びくりと肩が震えてしまった。第三者の声が入るとは思っていなかったので単純に驚いた。


「とても疲れているようだけれど、怪我はないみたい」

「…へぇ、そりゃあ運がいい」


 視線を動かして、また驚く。


 冒険者、という言葉が浮かんだ。


 容姿に関する言葉でなく、職業に値する言葉が浮かんだのは、全身が視界に映ったからだろうか。どでかい幅広の大きな剣と、それを持つ腕の太さ、肩や胸など部分部分にしかない装備品、膝まである長いマントで剣を持っていない側の腕は隠れている。

 それだけでもう冒険者っぽい。


 そんな人が数歩分の間を置いて、すとんとしゃがみ込む。自分がぺったりとくっつくように地面に座っているのもあって、目線を合わせるにしても少し顔を上向ける形になる。


「んで?お前はなんでこんな森の深いところにいたんだ?連れはいないのか?」


 冒険者風の男性は、そう言って首を僅かに傾げた。

 彼もまた、彫りの深い顔立ちだった。色彩は派手ではないが、青みがかった灰色の瞳は日本では身近で見たことのない色だ。イケメンである。男前なイケメンだ。正直西洋人顔って全部イケメンに分類されそうな気がしてる。語彙力の無さが恨めしい。


「…返事をしろ。まさか言葉が通じないとかじゃないだろうな」

「いえ、先ほど一言…ちゃんと話せますよね?聞いておられます?」


 ハッとして首を縦に振る。


「すみません。話せます」


 だいぶ心音も落ち着いてきて、口から出る言葉もはっきり聞こえた。

 と、男の質問を頭で繰り返して、気づく。


「なんで…でしょうか」

「あ?」


 腹の底から響くような声に、ひっと肩をすくめる。男性の眉間には物凄く深い皺が刻まれていた。厳つい顔が更に厳つい顔になっている。怖すぎる。この人はきっと視線で殺せるタイプの人だ。殺気で周囲を威圧できるスキルを持っているに違いない。


「ちょっと、脅さないの」

「脅してねぇよ」

「脅しているようにしか見えないわ」


 普通に対応している美少女さん凄すぎです。


「ごめんなさい、ちょっと悪人顔だけど悪い人ではないの」

「誰が悪人だ」

「いいから黙って。もう一度聞くけれど、どうしてこんな場所にいるの?お仲間はいないの?」


 なんだか夫婦のようなやり取りだな、とまた飛びかけていた思考が、美少女の質問によって引き戻される。


「…えっと、その…、わからない、です。ここにいる理由なんて、私が聞きたいくらいで…仲間と呼べる人もいるのかどうか」


 一度男性に視線を向けてから、言葉にしてみる。


 いや、ほんとなんでだ…?


 思い出せることが何も無い。

 必死に記憶を手繰ったって、昨日もいつもどおりの休日だったはずだ。

 特に変わったことをした覚えは無い。

 昼頃に起きて、買い置きのカップ麺を食べて、ネサフして、夜も作るの面倒だなって思いながらチャーハンにして、スマホでゲームしながら寝落ちたような気がする。

 それが昨日かその前の休日かと問われれば、いつも似たような感じなので断言はできない。食事を雑に済ませるのは平日だって変わらないし、他の家事は、ごみ屋敷にならない程度の掃除と、最低週に一回はまとめてやる洗濯くらい。友人を招くわけでも、恋人がいるわけでもない、ぐうたら人間がお一人様生活するとそんなもんだと思う。


 そして目が覚めたら、森の中でした、である。


 なんで森にいるんだ?夢か?と思いながら身を起こして、手に伝わる土や草の感触や風を受けた頬から、現実のようだとぼんやりしていた。

 周りは木と草。顔を上げれば、青い空。どっちかというと冬の空みたいに薄い色だなと思ったような気がする。

 それから例のギャアというけたたましい音――今なら分かるドラゴンの鳴き声である――に顔を向けて、目にしたファンタジー加減にやっぱり夢かと思って頷いた後に、ドラゴンの口がぱっかり開いて、炎の塊が飛んできたのだ。運よく外れたその熱気が、やっぱり夢ではないと言っている様で、一瞬固まった後に、勢いよく走り出してひたすら逃げたのが始まりであり彼らが来るまでの全部だ。


「眠る前は自分の部屋にいて、目が覚めたら、ここにいました。そしたらドラゴンがいて、ひたすら逃げたんです。目が覚めた時に、周囲に人は…いなかったように思いますけど」


 目覚めたばかりの時は現実感がなさすぎて、周囲をしっかり観察したわけではないから断言はできない。でも他に人がいたなら、ドラゴンが私ひとりを追いかけるのもよくわからないから多分いなかったんじゃないかと思う。よりよわっちい個体だと判断されて追いかけられた可能性も無きにしも非ずだけれども。


「…ふぅん。人攫いにでもあったのか?だが家に押し入ってまで攫う価値がありそうには見えねぇが…金持ちの娘か?」

「…………いいえ、食うに困らない程度には恵まれてますが」


 物凄く貶されている気がするが、その評価に異論は無い。

 自分でも容姿はよく言って中の下で可愛いとも美人とも言えない事や胸も小さいことは自覚しているので、攫ってまで欲しい人がいるとは思わない。

 だが、心に傷を負うくらいは許してもらいたい。自分で自分を貶すのと、他人からバッサリ斬って捨てられるのは別問題なんです。


「他に人がいないようであれば、一度戻らない?長居していると逃げ出した魔獣も戻ってくるかもしれないし」

「ん、そうだな。討伐依頼は完遂したわけだし」

「逆鱗は?」

「取ってるって」


 何か不穏な言葉を聴いた気がする。

 顔が引きつっているであろう私を気に留めず、男性は美少女へと何かを投げ放った。

 美少女は慌てたようにそれをキャッチして確認し、うん、と小さく頷く。


「じゃあ戻るか。お前も連れてってやるから付いて来い」

「え、あ、はい。ありがとうございます」


 よくわからないが放置されないでよかった。此処がどこかも分からないが、せめて人里へ行きたい。

 帰る道など存在するのかすらも疑問ではあるけれど、そんなことよりドラゴンとか、聞き間違いでなければ魔獣とかいるらしい場所に置いていかれても困る。最悪の場合人里も安全とは言えないと思うが、言葉が通じるほうがマシな気がする。たぶん。きっと。そうであれと祈るしかない。





 結果として、連れて行かれた人里――街での出来事は、最良と言って良かった。

 助けてくれた彼らは、一時の宿のみならず衣食住含めた世話人まで手配してくれた。美形さん方はどうやらかなりのお人好しであり、紹介された世話人も輪をかけてお人好しだった。


「エリー、約束は覚えているな?」

「何もしない、離れた場所で見ているだけ、いざとなったら全力で逃げろ」


 行きがけに散々口すっぱく言われたことを繰り返せば、満足げに頷かれる。

 討伐依頼を引き受けた我が世話人であるテオさんに、無理やり引っ付いてきたのだ。


 この大陸には魔物がいる。ドラゴンがいたのだからおかしな話ではないだろう。魔物どころか魔法も存在している。

 その魔物を退治するのは、国の仕事ではないらしく、個人が請け負うようだ。そう、冒険者ギルドのようなものがここには存在する。正確な名前は別だが、『ギルド』とだけ呼ばれているらしい。ここでは成果主義なところがあって、身元が怪しかろうが請けられる仕事もある。

 ドラゴン遭遇時に助けてくれた男性が、私の状況――自身がどこからどうやってここまで来たのか分からない上に、生活様式すらだいぶ違う場所から来たのだということを知って、ギルドで仕事を請けながら暮らすことを勧めてくれたのだ。ギルドの仕事は魔物討伐だけではない。日雇いの雑用だってある。普通のお店なんかで働くにしても、こちらの世界の常識とかけ離れた言動をする不安がある。少なくともそれの区別がつくまでは、定職に就くのも難しいという見解に私も同意できたので、彼の助言に従うことにした。


 今回の討伐依頼を引き受けたのはテオさんのほうだが、私もいずれ同じように身を立てて生きたいのでお手本を見せてもらうという名目でついてきた。戦闘手段どころか運動神経も壊滅的なので魔物討伐が可能であるとは思っていない。確かめたいことがあっただけだ。

 過保護なきらいのある彼は、私を連れて行くのに物凄く渋っていたのだが、こちらが粘り勝ちした。どうにも押しに弱い部分があるように思う。このひとほんと大丈夫だろうか。いや、私という不審者の世話を引き受けている時点であまり大丈夫じゃないように思う。

 テオさんは美形さん方とお知り合いのようで、私が引き合わされた時には世話人というのが決定事項になっていたようだった。蛇足だが、テオさんも男前イケメンさんとは別種のイケメンさんである。類は友を呼ぶのだろう。

 しかしまさか彼のような若い男性に預けられるとは思っていなかったし引き受けるほうもどうかと思うのだが、知り合いがいないどころかまずこの世界のことを知らないので流されるまま現在に至る。しかも衣食住すべてお世話になっているのだ。無償で。見た目は全くそうと見えないが神父さんだったりするのかと思ったが、ギルド登録者で討伐以来で金銭を得て生活している。それでもこのひとは慈愛の神なのかもしれないと思う。一応住居については、異性でもあるのだし一人で大丈夫だと言ってみたのだが、逆に色々と諭される結果になった。完全に余計なお世話であるが、女性とお付き合いした時など困ったりしないのだろうかと不安があったりする。まぁ彼の態度はどう贔屓目に見ても妹に対するそれのようなので、心の広い女性であれば心配ないのかもしれない。お世話になってひと月近く経つ現在、女性の影はないのだけれど。


 ちなみにエリーと言うのは私のこちらの名前になる。本名はエイリだが、エリと呼ばれることもあり、西洋人風の人間が多そうな世界観に合わせてエリーにした。のっぺり顔なので似合ってないのは自覚しているが、まぁ仕方ない。


「今回だけだからな。俺は誰かを守りながらの戦闘は得意じゃない。討伐以外にも依頼はあるんだから拘る必要もないんだからな」

「はい。承知しています」


 普段人好きのする笑顔を浮かべていることが多いテオさんだが、どうしても今回のことは納得できないらしく、移動中も今もずっと眉間に皺を寄せている。

 依頼内容は、魔物討伐。どうやら最近になってちょっと強い魔獣が生まれたらしく、目的地たるこの森に住み着いたのだとか。近くに村や町もある。被害がそちらに及ぶ前に討伐してほしいとのこと。


「森、といっても、具体的にどこかわからないのにどうやって探すんですか?」

「そんなもん、索敵するに決まってるだろ」


 決まっているのか。索敵ってどうするんだろう。

 私の疑問は顔に出ていたらしく、テオさんはなんともいえない変な顔をしながら「お前は本当に何も知らないだったな」と改めて今更の事実を指摘してきた。


「まぁ具体的に何かって説明するのも難しいんだけどな。やり方は人それぞれ、出来ないやつも勿論いる」

「テオさんは【索敵】が可能なんですね」

「あぁ。感覚的なもんだからな…気配を読むっつーか。出来ないやつはひたすらこの森を探して回って視界に入るのを待つしかないかもな。まぁそういうやつは出来るヤツと組んでくるか、そもそも依頼を受けないからな」


 それはそうだ。出来ることをこなすのが一番いいに決まってる。

 私から視線を外したテオさんは、森の入り口というべき現在地からじっと奥のほうを見ている。


「俺としては、お前にはこれ以上進んで欲しくないんだが」

「魔獣を視界に入れられる範囲まで同行します」

「……はぁ。逃げろよ、ほんと。頼むから」


 最悪死んでも彼を恨むことはないのだが、やはり目の前で死なれたら目覚めが悪いかもしれない。真顔でゆっくり頷いた。

 テオさんは不満げな顔を崩さなかったが、歩き出した彼の後を追っても文句は飛んでこなかった。


 

 ――チリン。


 場違いに響く鈴の音。

 音が鳴るのと、テオさんがどこからか取り出した剣を構えたのは、ほぼ同時だった。彼が横目でこちらを確認しながら、下がっていろと手を振る。頷いて後方に下がり、十分すぎる距離を置いて、太い樹に寄り添って身を隠す。


 【ユニットがセットされていません。】

 【ユニットをセットしてください。 】


 出たな。

 視界のど真ん中に表示されている例のメッセージ欄に意識を向ける。以前と同様鈴の音と同時に現れた。はっきり言って邪魔である。姿を現したはずの魔物が四足であることしかわからないし、テオさんの後ろ姿も一部見えない。

 メッセージが表示されて二十秒は経っただろうか。ふと消えたメッセージの代わりに、一枚のハガキサイズのカードが表示される。手を伸ばして摘むように触れてみると、指には確かな質感を伝えてきた。

 カードには良く知った顔が写っていた。一番下に、いくつかのマークと名前が表示されている。


 【テオバルド】


 さて、ここで問題なのが、私が知るテオさんの名前は『テオ』であり、彼はそれ以上名乗っていないことである。しかしカードに写った顔は、テオさん。


 このカードを手に入れたのはついおとといのことだった。



 自宅の掃除をしている時、唐突に鈴の音が聞こえたと思ったら【ユニットカードを入手しました。】とのメッセージと共に幾何学模様のカードが表示された。呆然としている間にメッセージが消え、背後にあったカードがゆっくりひっくり返ったと思えば表示されたのはテオさんの顔と名前。真っ白な頭で硬直していると、カードはしゅるりと小さくなって視界の左隅へと吸い込まれるようにして消えていった。


 どうにも、私には何かしら、小説やら漫画やらゲームにあるような特殊能力があるのかもしれないと、この時ようやく思い当たった。皆様ご存知、異世界転移特典、チート能力だ。いや、チートかはわからないけれども。

 ドラゴン遭遇時にもなんか似たような鈴の音とメッセージが出てきたことを思い出す。それも二度。美形男女と出会った時と、その日宿で別れた時だ。その時は音と文字だけで何かしら効果があったわけではないことと、疲れ果ててベッドに入ると同時に眠ったことも相まって、翌日にはすっかり忘れていた。それ以降なんの音沙汰もなかったので思い出すこともなかったのだ。


 そして、カード入手を伝えられた日、寝る前に色々と試行錯誤してみた結果、どうやらゲーム画面のようなものを呼び出せるのだということがわかった。


 【メニュー画面表示】と呟けば、『メニュー』と描かれた円形のアイコンが表示される。そのまま【ユニット】と言えば、入手したカードが表示されるらしく、その時点では一枚のみ――テオさんのカードが表示された。ユニットの名前と、【ユニット詳細】と言えば、カードの詳細表示画面になり、いくつかの文字と数値が表示される。この時は怖くて、よく見もせずに【メニューに戻る】と叫ぶように言ったら消えてしまった。

 同様に【パーティ】と言えば、パーティが表示されるのだろう。その時点では、縦長の長方形と×を組み合わせたような枠が4つと、その上にかぶさるようにして【ユニットがセットされていません。】の文字が表示された。


 とりあえずゲームのような画面が表示できる以上の、何の効果が出るかなどはわかっていない。

 魔法の一種かもしれないが、テオさんにすらこの話はしていないので、魔法について詳しく知らない私には判断できない。何よりも個人情報を勝手に盗み見れるということが一番恐ろしくて言えない。私はこの時初めて彼の愛称ではない名前を知ったのだ。彼自身からは聞いていないのに。



「ユニット…セット、ねぇ…」


 手にしたカードをまじまじと見ながら、本当にゲームみたいだなと呟く。


「え」


 するりとカードが浮いてくるんとひとつ回転した後、テオさんの顔が写った表側に戻ってぴたりと止まる。


 【ユニットがセットされました。 】

 【パーティの編集が完了しました。】


 カードにかぶさる様にメッセージが表示され、数秒ともたずにスッと消えていく。同時にカードも消えてしまった。


「…え…っと?」


 相変わらず謎である。ユニットをセットして、パーティを編集して、どうするのだろう。

 いや、違う。やることはわかる。

 戦闘だ。ゲームで言えば、この後は、バトルなりクエストなりがスタートする。スマホゲームでよくある、カードバトルと呼ばれるものを思い出す。その場合、戦闘をするのはユニットであるはずだ。

 不明点含めて考えなければならないことは多い。

 例の鈴の音についても、いまいち鳴るタイミングがわからない。魔物――敵に会った時、という可能性が濃厚だが、だったら異世界に来た初日、美形男女と別れた際にも鳴った意味がわからない。


「エリー?」

「ひょっ!?」


 間近で声が聞こえて、思いっきり体が跳ねた。

 意識を戻せば、木に片手を添えたテオさんが覗き込むようにして私を見ていた。近い。拳二個分くらいしか空いてないのではというくらい近い。そこまで近づかれるまでに全く気づけなかった自分すごい。


「大丈夫か?」

「あ、はい。何もないです」

「…何度か呼んだんだが全然こねぇし、何してんのかと思った」

「……あー、考え事を…少々…」

「緊張感ねぇなぁ。森は魔獣だけじゃないからな?獣も普通に危ないんだぞ?」

「そう、ですよね」


 日本にも普通にいたような獣が魔物のもとでもあるらしい。魔物と呼ばれるだけあって他にも種類はいる。魔獣とは獣が変化したモノを指す。変化要因は諸説あるそうだが、ともかく獣より魔獣のほうが強い。それを放置してしまうと生態系はすぐに崩れてしまう。そこで討伐依頼が出る。勿論獣も危機察知能力は高いので逃げるのだが、討伐するに越したことはないだろう。魔獣が発生すればどこにいるのかある程度わかる仕組みもあるのだとか。確かにそんな仕組みがなければ討伐依頼の前に人への被害が出そうである。


「依頼完了ですか?」

「いや、一匹じゃないはずなんだが、近くにはいないみたいだ。もうちょい探す必要がある」

「そうですか…」

「気が済んだなら街まで戻っとくか?」


 思わず返答に詰まる。

 何度も言うが、私に戦闘手段はなく逃げ足は遅い。ドラゴンから逃れられたのはおそらく向こうが遊んでいたのだろう。後は単純に運が良かったのか。

 しかし、私のこのゲーム画面やユニットカードの能力は、おそらく戦闘に関わるものだ。戦闘時にしか表示されない画面もあると思う。ので、まだもうちょっと、確認したい、というのが本音だ。

 どうしよう。足を引っ張るのは間違いないのだから、帰れと言われれば従うべきだろう。

 わかってはいるのだが。


「……あの、」


 顔を上げ、口を開いた瞬間。


 ――チリン。


 【戦闘を開始しますか?】


「え」


 鈴が鳴る。

 同時に表示された文字を認識したのと、腕を引かれたのはどちらが先だったか。

 ちっと大きな舌打ちが上から降って来る。


「時間切れだ。俺にも緊張感足りてなかったみてぇだな」


 囲まれてるな、と呟いた声は小さく、私に聞かせるためというより無意識のうちに口からこぼれたようだ。そろりと目を動かせば、それぞれ違う方向から数匹の魔獣が姿を現した。彼の言葉通りなら、後ろにもいるのかもしれない。

 今の状況で言える確実なことは、私が荷物であるということだった。

 テオさんは、抱き込むようにして引き寄せていた私を一度解放すると、すっと身をかがめる。何だろうと疑問に思うより先に、体が浮いた。


「うぇ!?」

「悪いな、ちょっと邪魔だ」


 ひょいっと荷物を担ぐかのように持ち上げられる。子供を抱き上げるような軽々しさだ。

 まさかそんな。慌てて目の前にある肩を掴む。

 確かにテオさんはヒョロくはない。筋骨隆々というわけではないが、頼りないというほどでもないし、背も高く小柄でもない。だがこちとら成人済み女性である。ダイエットなんて考えもせずに好きなように食べてきたので、体重の数字は他人には口外したくはないレベルだ。断じて肥満体型ではない、あくまで標準体型。けれども二の腕やら太ももやらは決して細くはない。贅肉は多い。胸はないのに。


 何が言いたいかというと、抱えたって邪魔だと思うのですよ!


 抱えられた分高くなった視界と足が地面についていない不安でどくどくと心臓が騒ぎ出した。

 テオさんはこちらに視線すら寄越さないで前方を見ている。犬に似た魔獣たちはふっさり豊かな尾を僅かに揺らしていた。まだ距離がある。恐る恐るテオさんの後ろ側に顔を動かす。いる。同じような犬型魔獣が。これはあれだ、もしかしなくてもピンチなのでは。


 後ろにいた魔獣の一匹が、頭を下げた。


「ひっ」


 喉に引っかかるような私の掠れ声が、合図になったかのようだった。

 頭を下げた魔獣が、地を蹴る。一瞬遅れて周りにいた魔獣も地を蹴り、視界ががくんと揺れた。

 テオさんが走り出したのだというのに気づいて、前に目を向ければ、やっぱり魔獣。

 目の高さと同じ位置でぐわりとその口が大きく開く。


「受身取れよ!!」


 地面が、近いなと思った。そして浮遊感。すごい勢いの風を感じる。

 テオさんの叫び声を頭が理解する前に、背中に激痛が走った。くぐもった悲鳴が喉の奥で消える。そして今度は足、頭、衝撃があちこちを襲う。

 ぐるぐると掻き混ぜるような振動に、吐きそうになった。


「…ぶはっ!」


 ようやく衝撃が収まったのと同時に、詰まった息を吐き出す。

 自分が投げられ、転がったのだというのを理解したのは全て終わった後で、ぐらんぐらんと揺れた余韻の残る頭では何が起きたのか考える余裕すらなかった。


 肘を支えになんとか身を起こす。四つんばいの形になったあたりで、怒声が飛んできた。


「エリー!!」


 促されるように、顔を上げる。


 ひゅっ、と自身の息を吸う音がやけに鮮明に聞こえた。


 【戦闘を開始しますか?】


 まるで目の前の現実を受け入れたくないという心を表したかのように、表示される場違いなメッセージ。まだ消えてないのかよ。近づいてくる犬型魔獣の一部を隠してしまっている。逃げなきゃ。それはわかってる。戦闘開始してんだろうが。何だ、何の意味があるんだ。何を言えば能力は正常に働くんだ。


 どうせならもっとわかりやすくて強い能力寄越せよくそったれ!


「バ、トル…スタァ…トッ!!」


 吐き出すように口から出た言葉は、思いの外掠れてしまった。リィンと一際高い鈴の音が長く響いた気がしたが、耳鳴りだったかもしれない。それが鳴り止むくらい後に聞こえた「は?」という間抜けた声は、幻聴だろうか。



 ぎゃん、と低いのか高いのかわからない妙な音、何か質量のあるものが落ちて、転がるような音、誰かが走るような音。

 さまざまな音が耳に入るのをぼんやりと聞きながら、息を吸って、吐く。数回それを繰り返して、やっと普通に呼吸ができるようになった。四つんばいの姿勢からのろのろと動いて、ぺたりと座り込む。


 ――リリン、リン、リン。


 【バトルクリア!】


 なんだかまた新しい音を聞いたような。


 しかしこの能力、私をあざ笑ってないだろうか。


 バトルクリアの表示は、今までの事務的な書体ではなく、明るい雰囲気のロゴ画像だった。こっちは痛い思いしたのに、腹立つな。


「エリー、生きてるかー?」


 メッセージが消える。

 代わりのように、私に合わせたのか座り込んだテオさんが視界に入った。


「…はぁ、生きてます、ね」

「そうだな。大した怪我も無さそうだし。良かったな。命あって」

「はぁ」

「確認はまだだが、多分依頼完了したぞ」

「はぁ。おめでとうございます」


 バトルクリアの文字を思い起こしながら、頷いた。あの表示が確かなら、終わったんだろう。

 テオさんは片腕で頬杖をつきながら、真っ直ぐに私を見ている。

 なんだろう。無意識のうちにこてりと首を傾けた。


「で、だ。お前何やったの?」


 『何やったの』?


 首の傾きが大きくなって、耳が肩につくまでになる。

 彼が言いたいことはわからない。わからないけれど。


「何、やったんでしょうね?」


 私も聞きたいな、とだけ思った。


話の方向性が定まらないので中途半端に終わります。能力についてはチートというほどじゃないのと主人公の性格から大した活躍はしなさそうだなと思う。

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