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文化祭当日!

あのあと特に事件が起きることもなく、無事に当日を迎えた。

取り巻きたちはだいぶこりたのか大人しくしている。ただ、当日も手伝う気はないらしい。

私も結局は当日までなにもできなかった。一応あの日確認した花を参考に作ってみたんだけど、やっぱりちょっとこっそりまぜるのは躊躇してしまう。出来は悪くないと思うけど自信ない。


まわりを見れば皆和気あいあいと衣装である手作りのエプロンをしている。皆思い思いの刺繍を施している。

もちろん作っていない私はエプロンはしていない。

いたたまれない。


「あの、麗香さん」


百合が話しかけてくる。取り巻きたちも大人しくなったことだし、もう普通に話してもいいかもしれない。


「何かしら?」


「麗香さん忙しくて作れていなかったから、私が代わりに作ってみたんですけど」


そういって百合が何かを差し出す。

受け取って広げて見ると、それはエプロンで可愛らしい花が刺繍されている。百合は私の分を用意してくれていたらしい。

そんなイベントがあったなんて聞いてない。

ゲームではそんなものなかった。ゲームでは衣装をダメにされてしまうから、あったけど語られなかっただけかもしれないけれど。


嬉しくて泣きそうになる。泣けないけれど。


「ありがとう」


小さな声で私が言うと百合はにっこり笑ってくれる。

百合は取り巻きたち三人にも渡している。私が受け取ったこともあって、しぶしぶ受け取っているようだ。もしかしたら少しは罪悪感を感じているのかもしれない。


今ならこの花を出せるかもしれない。

かばんから作った花を取り出す。


いや、でも恥ずかしいからやめとこうかな。


「なんだ麗香、お前作ってきたのか」


「隆臣さん」


手に持っていたのを目ざとく見つけられてしまう。

ひょいっととられてしげしげと見られてしまう。


「なんだ結構器用なんだな」


「まあ、それくらいでしたら」


「じゃあこのへんに飾っとくか」


そういって他の皆が作った花たちの隣に私の花も飾られる。仲間にいれてもらえたみたいで嬉しかった。遠巻きに私たちを見ていたクラスメイトもそれを見て、恐る恐る話しかけてくる。

文句を言われると思って、何も言い出せなかったのかもしれない。


どうやらみんな私にやらせると、私が怒ると思っていたらしいよ、そんなことないのにね。お店番はどうするか聞かれた時に、嫌だったら大丈夫だって言われたけどむしろやりたい。


「何事も経験ですから」


まあ前世で接客の経験はそれなりにあるから文化祭の接客くらいチョロいわ。

ちなみにお客さんは生徒の家族か卒業生、又は招待状を貰った人しか入れない。完全な一般人は入れないようになっている。一応お金持ちの子どもが誘拐でもされたらしゃれにならないからね、防犯上しかたないわな。


うちの親は呼んでないし呼んでも来ないからどうでもいい。


文化祭は二日間ある。とりあえず初日の午前中にお店番をすることになった。百合と隆臣も一緒なので安心だ。


それなりに出来るけれど不慣れな感じにしておいた方がいいのだろうか?悩みどころだ。



結果だけいえばなんの問題もなく終わった。途中翼ちゃんと由森が遊びにきて百合と何やら話していた。翼ちゃんはまわりに気づかれない程度に目を合わせてくれた。由森はにやにやしていた。

あとでおしおきだな。


午後からは自由時間だ。特に約束もないしどうしようか。


「麗香さんあのよかったら一緒にまわりませんか?」


百合が誘ってくれる。その後ろには隆臣が立っている。たぶん一緒にまわるのだろう。そこに私が入ったら邪魔なんじゃなかろうか?でもできたら一緒にいたい。だって午後からは翼ちゃんと由森が店番だから一人ぼっちなのだ。


「お邪魔ではない?」


「そんなことないですよ一緒に行きましょう」


「二人とも早く行くぞ。俺は腹がへった」


百合がにっこり笑う。隆臣が子どもみたいなことを言う。そんな隆臣ははじめてみた。百合に手をひかれて一緒にまわる。


「何か食べたいものはありますか?」


「俺は肉だな肉」


「私はなんでも」


なんだろう変な気分だ。三人で一緒にいることがもうあり得ないんだけど。隆臣の希望でお昼はお肉を食べた。美味しかった。

そのあとどこをまわるかということになって百合が行きたい場所があるといって、それに付き合うことになった。


まず行ったのは翼ちゃんのクラス。

取り巻きたちは一緒じゃないとはいえ、あんまり麗香で会うのはよろしくないのでは?と思った。だけど百合がうまく間に入ってくれたおかげで、なんとか大丈夫そうだった。


そのあとは美術室に向かう。


ちょっと待ってあの絵が隆臣の目に触れるのか。

いや、百合も作品展示してるから見に行くだろうなとは思っていたけど一緒に見に行くことになるとは思っていなかった。


「なんだこの絵」


「可愛いですよね」


百合はにこにこと笑う。隆臣は首をかしげている。私の絵だよーあれからがんばって描いたネコちゃんだよぉ。

どんなダメ出しをされるかと思ったが、特に言われなかった。よかった、下手くそとか言われたらその場でへこむところだった。


最後に芸術科の由森のクラスに行った。そこには綾斗もいた。

というか他の芸術科の生徒の視線が痛い。

まあ普通科の金持ちベスト3が来たらそら注目されるわな。


生徒たちは、より良いパトロンを獲るために必死だ。ここに入ったのはこの文化祭で、アピールできるところにある。そういう生徒は多い。

まあ由森と綾斗はどうでもいいようで、リラックスした様子だ。


麗香では二人に会ったことはないので、百合が二人と話すのを少し後ろから見ている。綾斗はそんなに話す方でもないので、百合と由森が主に話すことになる。しばらく二人の会話を見ていた綾斗だったが。

見てますよね?私の方ガン見してますよね?えっ何?


あっ隆臣が綾斗に絡みにいった。何しゃべってるか聞き取れないけどあれ睨みあってるよね?なんで?火花散ってるよ。


ほっとこう。

触らぬ神に祟りなし!


せっかくだから展示されてる作品を見よう。

さすが芸術科。よくわからないけど作品です!って感じのやつがいっぱいある。すっごい綺麗な写真みたいな絵もあれば、ピカソみたいな意味わからないのもある。絵にかぎらず針金を使った謎のオブジェとかも展示してある。

私が作品を見てる間の作者の反応はまちまちだ。

よさげな人に自分の作品を売り込むために、芸術科の生徒は他のクラスを回らずに、自分の作品の横で待機している者が多い。

私が見ている間静かに横に座っているタイプと、横からベラベラと作品について語ってくるタイプと二通りのタイプがある。

説明されてもわからないので静かに見させて欲しい。


綾斗の作品も見たいんだけど隆臣が邪魔でよく見えない。

明日また来てじっくり見よう。

明日は翼ちゃんと由森とまわる予定だ。


楽しみである。

1話が長くなってきた。

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