エコバッグ持参。
いつものごとくいつものトイレで友美になる。
今日の放課後は作戦会議!
といきたかったが、そろそろ本気で買い物に行かないと餓死してしまいそうだ。
ということで、翼ちゃんと何故か由森とちょっと離れたスーパーまで買い物にでかけています。
学園の近くだと見られてしまう心配と単価が高いので、ちょっと遠くてもこっちの方が便利なのだ。
なるべく保存のきくものを買う。
何度も来れないからだ。
一番困るのは米だった。
さすがに買って帰れないので通販で買っているのだが、中身はバレてないと思うが、寮の部屋まで持ってきてくれる管理人さんには不審に思われていないかちょっと心配である。
とりあえず入り用なものをカゴにいれていく。
調味料類はまだあるから、持てる量を考えてパスタと卵と。
「こらっ何いれてるの?」
由森がしれっと私のカゴに何かを放り込んだ。
「まあまあ、後でお金ちゃんと渡すから一緒に買っといて」
「何を…何これキラスタチョコ?」
良くある感じのおまけ付きのウエハースチョコだった。
おまけがメインのあれだ。
「うちそれ集めてんねん」
なつかしい前世の記憶がよみがえる。
私もよく買っていた。
買いすぎてゲロ吐きそうになりながら食べたり、ウエハースに飽きて知り合いに食べさせるという荒業にもでた。
よくよく考えたら今世も前世と対して変わらない文化があって、少しの違いはあれど同じといって差し支えない。
みんな和服だとかドレスだとかじゃなくて普通に洋服だし、変な生き物もいなければ魔法もない。
しいていうならパラレルワールドみたいなものかもしれない。
つまり前世であったものがある確率は高い。
まあでもエー花はなかったらしいけど。
あったらあったで面白いんだけどね。
細々といろんなものを買っていく。
朝ごはん用のパンもほしい。
買いすぎても持って帰れないのが辛い。
一部は翼ちゃんに預けて後日に持ってきて貰ったりもするが、手間だし申し訳なくてしかたない。
「そうだ由森!あんた寮生よね?荷物預かってくれない?キラスタの代金いらないから」
「ん?うちの冷蔵庫なんも入ってないから預かれるけど。自分寮生やったか?見たことないけど」
いい考えだと思った。
時間帯を気を付ければ人気のない時間はある。
早朝とかね。
だけどよく考えたら私、由森に麗香と同一人物だと言っていなかった。
すでに教えているつもりだった。
危ない危ない。
当たり前だけど友美は寮生じゃない。
探されてもいないものはいないからややこしくなる。
私が友美であり麗香でもあることをここで教えてしまってもいいような気もするが、どうしよう?
もっとちゃんと落ち着いた場所で話したいなぁ。
その上でアレを相談したいところだ。
とりあえずこの場は誤魔化そう。
「詳しくは明日の放課後に話すわ。用事とか大丈夫よね?」
「ああまあええけど」
「今はとりあえず一応寮生だってことだけ言っておくわ」
「なんや事情があんねんな。わかったほんなら明日ちゃんと教えてな」
「うん約束する」
ずっと見守ってくれてた翼ちゃんが声をかけてくる。
「ふふっなんだか嬉しいな楽しそうで。明日が楽しみになってきた」
翼ちゃんは天使の笑顔を浮かべている。
ヒロイン力が半端ない。
百合も大概ヒロインオーラというか主人公オーラがすごいんだけど、翼ちゃんはまた違った感じですごい。
由森に預かってもらうにしても、やっぱり限界はあるのである程度のところで精算する。
もちろん宣言通りキラスタチョコはおごらせて貰った。
まあたかだか200円ちょっとだったけど。
すぐに使うものを鞄につめていく。
詰めすぎると違和感が出るのでパンパンにならない程度に調整する。
残りはエコバッグにつめる。
そのエコバッグを由森に持ってかえってもらうのだ。
翼ちゃんが「私は持って帰らなくて大丈夫?」と聞いてくれたけど、由森も「これくらいやったら余裕やで」と言ってくれたので、その言葉に甘えることにした。
店を出ると由森が早速チョコをあける。
そしてオマケカードを確認する。
「あーこいつかぁ嫌いちゃうねんけど推しやないねんなぁ」
と残念そうにしていた。
だいたいそんなもんである。
好きなキャラほどでない。
どうでもいいのはかぶる。
前世では友達の推しキャラばっかり引き当てたっけ。
マイナーではないはずなんだけどね。
「何が入ってるかはわかりませんの?」
「一応この裏に書いてあるリストのどれか一枚が入ってるんやけどな、こういうのってランダムやって、このRとかSRとかのやつはなかなか入ってへんねん」
「まあそうなんですかぁ」
翼ちゃんはこういうのは初めて見たようだ。
箱買いとか大人買いとか知らないんだろうなぁと思う。
「なんか物凄くなつかしいわこの感覚」
前世のオタクの血が騒ぐってもんですよ。
麗香として生まれてからは漫画アニメはシャットアウトされて見れないし、かろうじてこっそりとゲームはやってるけどスマホかPCのやつだけだからなぁ。
忘れていた感覚がよみがえってしまって、余計に自由になりたい願望が強くなった気がした。
このあと私は二人を先に帰して適当な場所の化粧室に向かう。
人気がないことを確認してから麗香に戻るためのメイクをする。
誰かが入ってきてもすぐに反応できるように気は抜かない。
幸い誰かが来ることはなく、無事にメイクを終えて麗香に戻る。
それからやっと私も帰路についた。
なんにせよ今日はまともな夕飯が食べられそうだ。
考えたらヨダレがでそうだ。
麗香でヨダレを流すわけにはいかないので我慢する。




