表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/52

乙女ゲームに転生とか信じない!

いきあたりばったり。

乙女ゲームは知ってるけどまともにやったことないです。

途中で飽きちゃう。

その日は久しぶりに婚約者に会う日だった。

親同士が勝手に決めたそれに恋だの愛だのあるわけもなく

ただそういう事実があるだけ

別に他に好きな人がいるわけでなし

まあしかたなかろうと思っていた。


その日までは!



私こと神宮寺麗香には婚約者がいる。

父いわく由緒正しい家柄の神宮寺の娘が嫁ぐにふさわしい相手だという。

正直興味なかった。

一応顔を会わせたことはある。

食事会という名のお見合いの席で初めて会ったのは小学校3年だったと思う。

両親に無理やりつれてこられた私はすこぶる不機嫌だった。

とはいえ私だって良家の娘なのでそんなことは顔にはださずに終始にこにこしていた。

とりあえずご飯が美味しかったのはよかった。

食事が終わりしばらくしたあと大人同士の話があるからと庭で遊んでこいと言われたのでしかたなく言う通りにする。

言うまでもなくお見合い相手も一緒に。

庭にでて最初の第一声が

「君はとても幸運だね、僕に嫁げるのだから」

と言われてドン引きしてそのあとの話しはひたすら聞き流したのをよく覚えている。

でもぶっちゃけ顔は忘れていた。


そのあとも会う機会がないわけではなかったが

わざわざ会う気にもなれず

あったところで自慢話ばかりされるのでまともに顔など見ていなかった。


そんな現状を知った父が無駄なことに進級祝と称して会う機会を作りやがったのだ。

めんどくさくても向こうの両親の手前断るわけにもいかず

しぶしぶ参加した食事会ではじめて

そう出会ってから8年たってはじめて

相手の顔をまともに見たとき気づいたのだ。


こいつ乙女ゲームのキャラじゃね?


はじめてまともに婚約者の顔を見た瞬間

怒濤のように記憶が押し寄せた。


前世の記憶なんだろうか

いわゆる乙女ゲームというジャンルのゲーム

なかば強制的にさせられた一本のゲームがあった。

それはよくある学園ものだったのだが


まあぶっちゃけほとんど覚えていない

それというのも私自身は乙女ゲームにあまり興味がなかったからだ。

興味ないのに覚えていたのはひとえに友人のおかげだろう。


ある日友人が私にとある頼みをしてきたのだ

それはゲームでバグを発見したっぽいが自分のゲーム機本体がダメな可能性もあるので私のでやって見てほしい

とのことだった。

ひまだった私は軽い気持ちで引き受けたのだが


そのバグというのが特定のキャラの攻略の後半も後半

あとちょっとでグッドエンドですよ

というタイミングだったのだ。


ゲームソフトとともに攻略チャートも渡され

ついでとばかりにそのキャラがいかに素敵かを切々と語られた。

とりあえず前提として私はロン毛は好かん

と言っておこう

だが残念ながらそのキャラはロン毛だった。

やる気がぐっと下がったが一度引き受けた手前今さら断るのもなぁってことでソフトと攻略を受け取って帰った。


最初から攻略キャラが決まっているとわりと出だしから同じような選択肢やらアイテムやらを使うことになるので自然とそのキャラの好みを覚えてしまった。

まったくいらない知識であった。

まあ出だしは見た目が好みじゃないのもあって

なんだこいつといった印象だったのだが

まあグッドエンドを迎える頃には

なんだかんだ見直したりもしたわけだが


そんな友人イチオシのキャラの名前が西園寺隆臣

婚約者の名前も西園寺隆臣

2次元と3次元の些細な違いはあれどビジュアル一致

キャラとしてはプライドの高い傲慢なやつだ

家柄と経済力と見た目ががすべてで初対面の主人公を

庶民だと見下してくる腹立つやつだ

実際の性格はまだよくわからないけれど

おおむねそうなんじゃないかな?

といった印象を言葉の端々から感じる


こんなやつを更正させるのだから

主人公は尊敬にあたいすると思う

私なら関わりたくない


関わりたくないのだが

そうもいかないのが世知辛い世の中

なんだったら気に入られるようにせぬばならないというこの現状

正直めんどくさい

だが逆にいらないと思った知識が案外いかせるのかもしれない

攻略するときの選択肢に近いことを言っておけば

うまくいくかもしれない

所々思い出せないこともあるがまあ支障なかろう

リアルに攻略を進める方向で


まったくやる気はでないけれど



そういえばライバルキャラに私と同じ名前のキャラがいたのを思い出した。

立場は西園寺隆臣の婚約者という私と同じもので

典型的な悪役令嬢

高飛車で主人公を見下し取り巻きたちを引き連れて歩く


うん

私とはまったく違う

まあ偶然なのだろう

たまたまだ

乙女ゲームの世界に転生だなんてそんなこと

流行ってるからって私なんかに起こるわけないのだから。


短くちょこちょことつづけていく予定

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ