表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/32

第八話 入隊

様々な出来事があった中、

自衛官候補生として入隊する幸助。

果たして、どのような新隊員生活が

待ち受けているのだろうか??

入隊一日目

某F駐屯地へ向かう途中の

サービスエリアに停まると

バスの車内で昼休憩になったので

昼食を取る事になった。


配布されたのは用意されていた

海苔弁当とアルミ缶に入った

250mlのお茶だった。


同期の全員が昼飯を食べ終えると

某F駐屯地に向けて出発を始めた。


某F駐屯地、ここはレンジャー部隊の

発祥地であり、昔から地獄のFと言われ、

その事実を知る者は誰も志願したがらなかった。


しかし、そんな事を知る由もない俺は

不安と期待を胸に抱きながら

某F駐屯地に向かっていた。


そして14時頃に無事に

駐屯地に到着した。


駐屯地に到着すると真っ先に

教育隊の隊舎に行く事になったのだ。


入隊手続きの受付になっている

教育隊の隊舎の中央階段から

登って2階に行くと

階段から登ったすぐ目の前に

教育隊の班付達が5~6人ほど

大きな机の前に待機していた。


「え~っと……南幸助さん……」

俺の名前を聞いて名簿を見ながら

確認するはんつき


「あ、あった……!


じゃあ、このまま左に曲がってから

ずっと真っ直ぐに進んでもらって

一番奥の部屋です。」

凄く丁寧に教える班付。


「はい、ありがとうございます!」

そう答えると言われたとおりの

部屋に向かった。

部屋の入り口の上部には

赤色のテープが貼られていたのだ。


見てみると油性マジックで

一区隊二班という文字が書かれていて

部屋の中に入ると荷物も置かれておらず、

誰もいなかったのだ。

俺が一番早く部屋に着いたのだ。


二段ベットが左右三つずつ置かれていて

一部屋で計12人にいる事になる。

一番奥のベットには班付が寝る事になるのだ。

そう……これから11人の新隊員は3ヶ月間

一緒に訓練を行っていくという事だ。

俺の班は教育隊の中で一番多い人数なのだ。


俺はすぐさま、自分の名前が

書かれているベットを探し始めた。


「俺の名前……どこや??」

ゆっくり目線を下から上へと

ベットを見続けていた。


「あ、あった……!」

左手の人差し指で自分の名前の

ネームプレートがベットに

置かれている物を見つけた。


俺のベットは二段目の方だった。

そして、すぐに自分のベットの

上に持ってきた荷物を置いたのだ。


これから始まるのかぁぁ……。

そう思うと不安で堪らなかった。


その直後、部屋に次々と

同期の人達が入ってきたのだ。


寂しかった俺はコミュニケーションを

とろうと俺の前に来た同期に話しかけた。


その同期の外見は坊主頭で老け顔だった。


「あのぉぉ……。

ちょっといいですか……??」


「はい……。

どうしました??」


「俺、南 幸助って言います!

よろしくお願いします……。」

緊張しながらもお辞儀をして挨拶をした。


「俺ははらだいって言います!

よろしくお願いします。」

同期の原田もお辞儀をして挨拶をしたのだ。


「おいくつですか??」

原田がそう質問した。


「18歳です……。」


すると原田は


「若いな!?俺は26歳。」


「えーーっっ……!!

そんな歳が離れてるんですか??」

俺は原田のその言葉を聞き驚いた。


自衛隊の入隊の年齢が

18歳から27歳まで入隊出来るため

幅広い年齢層がいるのだ。


それから意気投合した俺達は

入隊した経緯や将来の目標等を

一区隊二班の同期達が

集合するまで話続けた。


原田は大卒。

原田の身長は166㎝。

俺は165㎝なのでほぼ一緒の背丈だ。

原田は色々な企業を経験していて

昔から自衛隊に行きたい気持ちを

押さえられず受験できる

最後の年に受けたのだ。

自衛隊に来る前は民間企業の

サラリーマンをしていた。


そして、見事に合格して

自衛官として入隊してきたのだ。

凄いと言うしかない。

班の中で一番の年長者で

優しくておっとりした性格だ。


そのため誰とでも仲良く出来る

半面おっとりしているため

よくミスする事が大い人物だ。


しばらくすると同期達が集まり

班長と班付が部屋に入ってきた。

班長とは10~12人の新隊員を

束ねる教官の事。

班付とは班長を補佐する助教の事。


部屋長でもあり新隊員の

兄貴的役割として常に

新隊員を見守る立場。

また、班長が不在時は班長に

代わって新隊員を指導する立場でもある。


「集まったみたいだな……?」

班長が周りを見渡しながらそう言った。


「はい、皆いるみたいですよ。」

班付が班長の問いにそう答えた。


班長と班付は部屋の奥に入っていくと

部屋にいた同期達は話をすぐに

やめて班長と班付を見つめていた。


班長と班付は部屋の奥の窓の前に

並び班長がこう言い始めた。


「今日から君達、一区隊二班の

皆と共に3ヶ月間やっていく

班長のいりやま3曹だ!

よろしくっっ!」


入山班長が一区隊二班の

メンバー達に挨拶をした。

入山班長の身長は173㎝。

入山班長はかなりの男前で

女性の新隊員がいれば入山班長の

ファンクラブが出来るくらい男前なのだ。


そして、入山班長は優しくて

一人、一人の班員の事を常に

考えていて冷静沈着な人物。

また、普段は怒らない性格なので

怒るとかなり恐い人物だ。


「よろしくお願いしますっっ!」

一区隊二班のメンバー達が

入山班長に大きな声で挨拶をした。

間を置かずに班付が話始めた。


「今日から一区隊二班の

班付としてやっていくむらなか士長や。

よろしく!」


村中班付も一区隊二班の

メンバー達に挨拶をした。

村中班付の身長は163㎝。

村中班付の年齢は20歳で

俺達よりも二期上の先輩だ。


基本的に優しい人なのだが、

ちょっと気に入らない事があれば

他の班付を呼んで俺達を指導する。

そのため俺達にとっては

非常に厄介な人物だ。


「よろしくお願いしますっっ!」

一区隊二班のメンバー達が

村中班付にも大きな声で挨拶をした。


「それでは、さっそく君達は

一人ずつ皆に自己紹介をしてもらう!」


「誰からでもいいぞ。

前に出て自己紹介をしてくれ!」

班長が周りを見渡しながらそう言った。


「俺から挨拶します……!」

そう言うと背が高くて少し痩せ方の

人物が前に出てきたのだった……。



第九話へ続く……


本日より、入隊編が始まります。

この小説をお読み頂ければ

自衛隊の事がお分かり頂けると思います。


そして、『事実は小説より奇なり』

この言葉は忘れずお読み頂ければ

自衛隊の実態が分かっていく事でしょう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ