第二話 決意
南 幸助はある人との出会いで
自衛隊入隊への道へと
進んでいくのだった。
俺が本格的に自衛官への道に
進む事になったある出来事がある。
それは俺にとって
新たな出逢いでありこの人との
出逢いが俺の人生を大きく変えたのだ。
その出来事は俺が学校へ行き始めたの
だがまだ新しいクラスに馴れずにいた頃の話。
俺は週末に友達と遊びに
出かけるため最寄りの駅で
待ち合わせをしていた。
俺は約束より10分早く着くと
そこには友達の姿はなかった。
やっぱり、ちょっと早いか……
そう思っていたその時!
突然、知らない男性に声をかけられた。
「ちょっと、話いいかな…?」
そう話しかけた男性の見た目が
30代後半~40代前後の
年齢くらいで黒のスーツに
黒のかばんを持った人だった。
「はい……。」
見知らぬ人に声をかけられ
少し怖かったが友達を待つ間、
時間があるし、まぁいいや…!
と思った俺はあっさり承諾した。
「自衛官に興味ないか?」
その男性は俺にそう問いかけてきた。
「あります…!」
即答で答える俺。
「実は僕、自衛官になろうと思ってまして……。」
「本当に…??
珍しいな!自衛官になりたいって
人がいるなんて……!」
男性は驚いた表情で答えた。
その男性は立て続けにこう言った。
「今度、事務所に来てくれる?
これ、名刺渡しておくから
君が会える時に電話かけてきて!」
俺に名刺を渡してきた。
「はい、分かりました。
ありがとうございます……!」
俺は笑みを浮かべながら元気よく答えた。
俺は広報官にお礼を言うと
その場から少し離れた所で友達を待った。
それからすぐに約束していた
友達が俺の所にやってきた。
「ごめん、お待たせ!
ん?……さっきのおっちゃん、誰!?」
待ち合わせ場所で待っていた
俺に謝ってから俺と一緒にいた
広報官の人の事を聞き始めた。
「なんで嬉しそうな顔してるん?」
満面の笑みを浮かべている
俺を不思議に思った友達がさらに問いかけた。
「自衛隊の人……! ふふふ……。」
笑みを浮かべながらそう答えた。
俺はそんな出来事があってから
終始にやけが止まらなかった。
この出来事が俺にとって自衛官を
本格的に目指す日になったのだった……。
その日の夜、
俺は早く自衛官になれる
道はないのか?と思い
自分で自衛隊の事を調べた。
すると中卒から
自衛官になれる制度を知ったのだ。
その名前は自衛隊生徒というのだ。
陸上自衛隊生徒とは
若年時から教育を施して、
技術部門における曹を養成するための制度の事。
現在は定数外自衛隊員の
『陸上自衛隊高等工科学校生徒』
となって内容や名前等が全く異なっている。
俺はすぐに行きたい…!
早く自衛官になれるならなりたい……!
そう思った俺は翌日学校が
終わってから最寄りの
自衛隊地方協力本部地域事務所に電話をした。
「もしもし……」
電話が繋がると俺はすぐに話しかけた。
「はい、こちら自衛隊
地方協力本部茨木事務所です……。」
丁寧に話す事務所の広報官。
「あのぉ~……え~っとぉ~……
米田さんはいらっしゃいますか?」
緊張しながらも用件を伝える俺。
「失礼ですが、どちらさまでしょうか?」
冷静に返答する広報官。
「はい、南と言いまして
自衛官を目指してるのですが……。」
「あぁ~~、南くんか!
私が米田です。
よろしくお願いします……!」
「こちらこそよろしくお願いします!
あの、お聞きしたい事がありまして……。」
「何かな??」
「はい、自衛隊生徒って
僕でも受けられるのでしょうか??」
米田さんに質問した。
「えっとね、南くんは年齢いくつやったかな??」
「14歳です。
今年15歳になります!」
「受けられるよ!
じゃあ、今年受けるかな?」
「はい、受けたいです!」
「分かった!
それじゃ、住所と出られる
電話番号言ってくれるかな?」
俺は米田さんに言われると
すぐに住所と電話番号を伝えた。
「ありがとう!
じゃあ、資料送っておくね?」
「はい!
よろしくお願いします!」
「それじゃ、これからよろしくね。
じゃ、また!」
「分かりました!
こちらこそよろしくお願いいたします!
はい、失礼しま~す!」
電話が終わった後
「よしっっ!」
俺はそう言うと思わずガッツポーズをした。
初めて自衛官とこんなに
話せた事が凄く嬉しかったのだ。
それから俺は米田さんという
広報官との出逢いで自衛官への道へと
大きく一歩踏み出したのだ。
そして、自衛隊生徒を受ける事になった
俺は勉強をしながら色々と
自衛隊の事について調べていった。
ある日、俺はいつもどおり
自分の部屋で自衛隊
ガイドブックを読んでいた時
「やっぱり、普通科はかっこいいなぁ。」
「特にレンジャー部隊なんて
最高にかっこいいよなぁ!」
自分の部屋でそう呟いた直後に
俺の部屋をノックする音が聞こえてきた。
「おーい、幸助!
ちょっと、いいか?入るぞぉ!」
父がノックして声をかけてきたの。
「うん……。」
俺が返事をすると父が部屋の
ドアを開けて部屋に入ってきた。
二人で横に並んで椅子に座った。
「父さん、どうしたの??」
すぐに俺は父に話しかけた。
「幸助、お前に話しておきたい
事があってな。」
「……!!!
何の事??」
俺は驚きながらもすぐに父に質問した。
「幸助の叔父さんの話だよ。」
「叔父さんの話…?」
「俺の兄貴は自衛官だったって
事は前にも話したよな??」
「うん……。」
「兄貴は第7普通科連隊にいてな。
レンジャー部隊にいたんだよ!」
「叔父さんがレンジャーに!?」
「あぁ、数ヶ月ほどいたみたいだが、
体調を崩して離脱してしまったんだ。」
「そうだったんだ…!」
「もう30年以上前の話だけどね…」
叔父の話が終わると
俺の話になった。
「幸助は今、行きたい職種はあるのか?」
「ちょうど今、ガイドブックを見ていて
普通科とレンジャー部隊が
かっこいいって思ってたんだ…」
「あ…!
叔父さんは第7普通科連隊のどの部隊だったの…??」
「本部管理中隊の施設作業小隊だよ。」
「そうなんだ。
俺も同じ部隊だったらいいなぁ。」
「まぁ、自分が思うようにやってみなさい…!」
「うん…!
教えてくれてありがとう…」
「ご飯よーーー!!」
ちょうどタイミングよく
母がそう言った。
「はーーーーい……!!!」
俺が大きな声で返事をした。
「今日はこれで話は終わりだ。
さぁ、飯にしよう!」
父がそういうと話は終わった。
俺はその日から叔父がいた
部隊を目指そうと思うようになったのだ。
そうして、時間が過ぎ
自衛隊生徒の試験を受ける
2日前になっていた。
自衛隊生徒の試験は1月にあった。
高校受験より少し早い受験だった。
俺はこの日のためにこの時のために
受験の準備をしてきた。
両親に無理を言って週5で塾に
通わせてもらい個別授業を受けていた。
塾で3時間~4時間ほど
勉強した後に自分の家に帰ると
毎日、体がくたくたになりながら
試験日まで徹夜で勉強をし続けた。
また初詣になると必ず受かるようにと
学問の神様が祀ってある長岡天神に参拝等もした。
学校へ再登校するようになった日から
ずっと勉強をしてきた。
出来る限りの事はした。
俺なら絶対受かる…!
努力は絶対に裏切らないはずだ…っっ!!!
そう思っていた俺は
凄く試験に合格する自信があったのだ。
試験日、当日
俺は電車とバスで試験会場に向かった。
試験会場は家から1時間半ほどかかる所にあるのだ。
俺は試験会場に向かう途中
初めての受験という事で
凄く緊張していた。
試験会場に着くだろうか?
本当に受かるのかな?
いや、大丈夫!
1度下見に試験会場に来ているし、
今までどおりやっていれば
必ず受かるはず……!
そういう事をバスや電車を
乗りながらそう思っていた。
俺は緊張と不安に圧し殺されそうに
なりながらも自分を励まし続けた。
そして、試験会場に
到着したのだった。
第三話へ続く……
同期が次々に三曹になっていく
報告を受けました。
もちろん、同時に他の同期が自衛隊を
辞めた報告も受けましたが……。笑
各々がそれぞれの道へと進み、
各々が活躍する事を祈っています。
後、陸教に行く同期がお見合いするみたいです。
頑張れよぉぉ!
……まぁ、私も人の事、言えませんがね。笑笑