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もしものハナシ  作者: 三日月
高瀬舟
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俺のオモチャの契約期間-プロローグ-

春。

俺が高校に入学して早1年がたった。

変わった造りになっているこの高校はとにかく変だ。

“遊び心を大切に”

とゆーことで造られた 上に行けない階段。

初めて来た人のみならず、今でもたまに迷ってしまう人がいるほど

厄介な代物だ。

ココもその遊び心の1つで廊下が十字に重なっている。


そんな廊下をついさっき入学式を終えた新1年生が

ぞろぞろと列を連ねて歩いていく。

そんな列を見下ろしつつ、

俺はさっきから俺の制服を傷みつけてる奴を見やった。


「…制服伸びるんだけど?」

「無視すんなよなー」

「で、なに?」

「なっ あの子可愛くねぇ!?俺すげー好みかもw」

「きょーみない」

「はぁ!?お前それでも高2かよ!?

実は男にしか興味ないとか?ww」

「だまれ奏多」


このチャラそーな奴は長谷川(ハセガワ) 奏多(カナタ)

こいつとはなぜか一緒につるんでいる。

一年前、まだ名前も知らない奴がものすんごい形相で胸ぐらを掴んできた。

それが奏多だった。

俺がそのときはじめて交わした言葉が

「妹に手ぇ出してんじゃねぇーよ」

だぜ?あれはもーキョーレツだったな…

まー後で誤解だってことが分かって無罪放免されたけどな。

それ以来、一方的に絡んでくるようになった。

まぁ、居心地が悪い…わけじゃないのは本人には黙っておこう。

でも最近こいつが少しウザい。理由はただ一つ。


「あー彼女ほしー」


そうこれだ。ずっとだぞ?毎日だぞ?しかも俺の顔見ていうんだぞ??

俺の心理は間違っていないと思う。

「最近そればっかだなお前」

「欲求不満なんでね

わっあの子ずばぬけて可愛いぞ!」


欲求不満ね…

俺も最近ものたりねーなー

なーんか面白いことないかな…


「おいほら蓮!

聞いてんのか?あの子だよあの子!」

「あ?」


奏多に言われた方を見てみると

確かに誰が見てもカワイイコだった。


栗色でふわふわのミディアムの髪。

クリッとした目。白い肌。

その小さめの身長と童顔のせいかどこか子供っぽく見えた。


「なっ?可愛くね!?すっげぇ純情っぽい」

「……っ

 俺には関係ないね」

「………はぁ

お前ホントに女にきょーみないんだな~

やっぱホモなんじゃねーの?ww」

「うっせ」


『純情なやつなんていない』

そう口走ってしまいそうだった。

女はいつもウラがある。見かけがすべてじゃないってことだな。

だから俺は女が嫌いだ。何にでも化けるから信じらんない。


でも、言えなかった。

彼女がほしーとぼやいている奏多を思い出し、


思わず躊躇してしまったんだ…。




今日は入学式だから授業はない。つまり早く帰れる日だ。

奏多はHRが終わると飛んで帰りやがった。どーせ一年んとこに混じってるんだろ…。

俺も今日はとっとと帰って本でも読むかな…。読みかけのやつあったし。


そうこう考えてるうちに教室にいるのはいつの間にか俺だけになっていた。

まじかよ…みんな帰んのはやすぎだろ。

このクラスは大抵最後まで教室にいたやつが鍵を閉め、職員室まで持っていかなければならないという暗黙のルールがある。

前のクラスはそんなんなかったし、俺基本早く帰る人だからなぁ。

くそっ油断した。


まーそんなことをいつまで考えてても鍵はなくならないわけで、しぶしぶ職員室まで持ってくことにした。

でももーこれが遠いのなんの。俺たちのクラスが3階の一番東で職員室一階のて…ほんとなんなの。

どーせヒマだしと思ってのーんびり階段をおりてると


どすんっ


はっ?


がらがら…がっしゃん……パリーン…ばさばさばさっ……きゃっ



………最後のやばくね?

誰か巻き込まれたのか!?


急いでその問題だらけの音がした方へ走った。

そこには黄ばんだプレートにかろうじて読めるか読めないかの字で≪図書室≫

と書かれていた。

たぶん…いや、十中八九ここだ。なんかけむりでてるし……。


思い切ってドアを開けてみた…んですぐ閉めた。

なんだありゃ…。すっげぇごちゃごちゃしてた、本で床がいっぱいだった。

全然図書室って感じがしない、むしろ書庫だろここ。


なんかいろいろツッコんでたら中からごほごほっと咳が聞こえてきた。

おおっいかんいかん。

俺はその遭難者を助けるべく意を決して部屋の中に入っていった。


入ってみるとやっぱりヒドイもんで…。

本棚が倒れて中の本が全部落ちちまったんだな。花瓶まで割れてやがる。

すると下の方から「うっ……」と声が聞こえた。

本の雪崩に巻き込まれたらしく、その声は本の中から聞こえた。

「まってろ、今助けてやっから」

しっかし本の中に埋もれるってどーゆー気分なんだろな…

そんなことを思ってたら急に足元の本が崩れてバランスが崩れてしまった。

「………っ!」

どーにか耐えようと思ってとっさに手をついた俺の反射神経さすが。


ふにっ


「…ん?」

なんか柔らかいものをつかんだような感触を感じたとき

「ひゃっ…」

か細い声が聞こえたかと思えば目の前に女が飛び込んできた。


奏多が言ってたカワイイコだった。


どーやら俺が彼女の胸に触れてしまったようだ。まー事故だな事故。

にしても顔超真っ赤。耳まで赤いしw

肌が白いせいか、ほんのり赤く染まった頬が映えてすげーエロい。

「あ、あの……」

よほど恥ずかしいのか、俺と目が合うとすぐに逸らされる。

そーゆー反応は男を煽るってこと知らないのか?

「あの…大丈夫ですか?けがとか…」

「………!」

びっくりした。

てっきりどいてくれと言われると思ったのに。

優しいのかズレてるのか…。

てゆか男に馬乗りされてるってのに危機感なさすぎだろこの子。

ぶかぶかの制服の隙間から

ちらちらと真っ白なブラと結構ある谷間が見えてて正直キツイ。


「今どく」

慌ててのこうとしたのがいけなかった。

さらに本が崩れてきて、その上に本棚が覆いかぶさってきた。

八方ふさがりだ。

ちらりと彼女をみると案の定さらに真っ赤になって困った顔をしてた。

「悪い…」

「いえ……」

二次災害のせいで俺たちの距離はもう数センチもなかった。

胸が当たってるんだけど…当の本人は全く気付いてないようで

どうにかこの本の山から抜け出そうともぞもぞ動きまわっている。


だから当たってるんだってば…。

そう思って彼女の動きを強引に止めた、抱きしめることによって。

「えっ…?」

なんとも不思議そうな声を出した彼女にそっと囁いた。

胸のことは伏せて。

「動かないで、本が崩れてくるからね?」

すると

「んっ!」

甘い声をだした彼女が体をビクンッと震わせた。。

思わず彼女の顔をみると顔をリンゴみたいに真っ赤にして口を押えていた。

その時俺は確信した。

この子はオトコを知らないし、そーゆーことも分かってない。

あと耳がすんげー弱いってことも。


俺は初めて純情なコというのを見つけた…

のかもしれない。


「なぁ、お前名前は?」


決めた。


「えっ?あっ春野みあです…!」


はるのみあ


「そ。」


お前を



「中島 蓮だ。よろしくな?」


俺のオモチャにしよう。



「はいっよろしくです」

満面の笑みでそう答えるこの子をどうするか…

考えただけでワクワクした。

自分の口元が緩むのを堪えきれなかった。






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