大人の童話@あひるがプッチンプリンを食べる為に女子高生を……そして巡り巡ってめぐり逢い宙(そら).ne.jpじゃないかなー?というお話し☆
大人の童話です。よろしくお願いします。
あひるのガァさんは、今日もみんなと湖でお食事です。
「ガァさん。こんにちは」
ガァさんに声をかけたのは、あひるのギィさんでした。
「ギィさんこんにちは。今日もよい天気ですね」
「はい。とこで今日は、プッチンプリンの日ですね?」
そう、今日は金曜日。プッチンプリンを食べる日でした。
「ところでガァさん。お金は持ってますか?」
「持っている訳ないでしょう。わたし達はあひるですよ?」
どうやら、あひるのガァさんギィさんは、コンビニか何かでプッチンプリンを買うつもりだったようです。
「そうでしたね……じゃあどうしましょうか。今日はプッチンプリンの日だというのに」
「ふふふ。それが良い方法があるのですよ」
ギィさんが鼻高々に言います。
「随分と得意げに言いますね。でその方法というのは?」
「簡単な事です。アルバイトをすれば良いのですよ」
「アルバイト? それをしたら、プッチンプリンが食べられるのですか?」
「はい間違いないでしょう。さっき餌をくれた女子高生が言ってました」
「なっ! 女子高生!? ギィさん。なんとも羨ましい……わたしもお近付きになりたいです」
「わたしも顔見知り程度ですが、今度わたしと行きましょう」
ギィさんが女子高生と知り合ったのは、この湖の畔。今日たまたまギィさんが、エロ本を探す旅に出ようとした時に、偶然出会ったのでした。
「ギィさん。ところでアルバイトですが?」
「おおそうでした。アルバイトでした。その女子高生が教えてくれたのです。どうやら女子高生はスーパーのレジ打ちをしているそうです」
「レジ打ちですか。ではレジ打ちをしましょう」
あひるのガァさんギィさんは、スーパーに向かいました。
………。
「いやぁ。我々手も指もないのでしたなぁ」
「えぇ、迂闊でしたねギィさん」
「「我々あひるでしたなぁ。ははははは」」
それにしても、困りました。今日はプッチンプリンの日です。これではプッチンの快感が得られません。プッチンしてお皿にぷりんと落ちる恍惚感を得られないのです。
そこで気付きました。
「そうですよガァさん。我々、プッチン出来ませんよ?」
「そうでしたなぁ。我々は手がぁ、手がぁ~……ないのでしたな」
「おぉガァさん。それは天空の――ムスカ大佐ですな。懐かしいですなぁ」
「そうですな。わたしは個人的には風の谷の――が好きです」
「ほほう。宮崎アニメは素晴らしいですな。まぁ、それはいいとして、先ずは手を手に入れましょう」
「いや、手は無理でしょう。夢のような話です」
「いえいえ。これが無理ではないのです。マッドサイエンティストという人が居るらしいのです」
「マッドサイエンティスト? それは何ですか?」
「狂った科学者のことらしいです。女子高生が言っておりました」
「なんと! またもや女子高生! 羨ましいですなぁ」
「いやぁガァさん、照れてしまいます。あぁ、それで手ですよ手」
「では、科学者の先生にお願いしに行きましょうか」
二匹は科学者の先生の所に行きました。
次の方どうぞ――。
待ち合い室は満員でした。診察室から出てきたのは、背中に羽根が生えた人や、片足が猫の足になった犬、首から下がタコになったネズミ。そんな患者さん達でした。
「おお。素晴らしいですなガァさん」
「ええ。そうですねギィさん」
暫く待った後、二匹の番となりました。
二匹は今日はプッチンプリンの日なので、手をつけて欲しいと言いました。
「そうですか。なるほど……。ですが良いのですか? 一度手をつけたら、もう二度と戻れませんよ?」
科学者の先生はそう言いました。
「大丈夫です。ねぇガァさん」
「もちろんですギィさん。ぐはぁ」
「ガ、ガァさん!? ガァさーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!」
ガァさんはH5N1型鳥インフルエンザでした。
☆☆☆
「ガァさん……」
ガァさんは殺処分されました。
運良くギィさんは鳥インフルエンザではありませんでした。
ですが嫌疑がかかり殺処分が決定しました。
それから逃亡生活が始まりました。
自治体から殺処分担当の職員が、捕獲しようと探し回っていました。
「ガァさん仇は取る!」
ギィさんは自治体に復讐する事を誓いました。でもその方法が解りません。
「そうだ! 女子高生に聞こう!」
エロ本大好き、女子高生大好きのガァさんは、さっき制服姿で駅前でティッシュ配りをしていた女子高生に聞く事にしました。
ですが今は逃亡の身。ギィさんは変装して女子高生に会う事になります。
「あら、あひるのギィさん。こんにちは」
どこかで会った事があるようです。
「……ギィさん。ところで、そのゴルゴ13のような顔は?」
「…………」
ギィさんは、ガァさんの復讐の為にスナイパーになりたいのでした。スナイパーと言えばデューク・東郷。デューク・東郷と言えば無口。因みに葛藤の末、シティーハンターの冴羽リョウ、グリザイアの果実の風見雄二は諦めました。
女子高生はギィさんの様子から、何を考えているのか察しました。
「つまりギィさんはスナイパーになりたいの? じゃあ先ずは――」
という訳で、ギィさんは女子高生のバイト先のJKリフレに連れていかれました。
「ギィさん。先ずスナイパーになるのに大切なのは、忍耐力よ。やせ我慢とも言うわね」
それから女子高生は、ギィさんに海兵隊張りの訓練を課しました。
「いい? どんなお客さんにも笑顔で接するのよ。膝枕したら頭を撫でると喜ぶわ。それと、ハグされたら上目使いで見てあげるの。お散歩の時も、腕を絡めて身体を密着させるのよ。あと後ろから胸を触られても※以下省略」
一年後、あひるのギィさんはお店で三本の指に入るほどの人気鳥になりました。
しかし、それが災いして自治体の殺処分担当者に見つかってしまいました。
ですがこの一年、海兵隊張りの訓練を受けてきたあひるのガァさんは、自信満々です。
「武器が無くたってなあ! ヤレるんだよおおおおおおおおおお!」
ズボリ☆
ガァさんの口バシが、自治体の担当者の肛門に刺さりました。
その日から、自治体の担当者とのチェイスに拍車がかかります。
ギィさんは「白い悪魔」「白い奴」とよばれ、自治体全職員には肛門をガードする鉄板が支給されました。
ギィさん包囲網は着実に迫りつつあります。
また逃亡生活が始まりました。
☆☆☆
ある日、
「ラーラーラーラー」
不思議な事が起きました。ギィさんの身近で物が急に壊れるのです。
「ラーラーラーラー」
その時、決まってこの声が聞こえます。
ピキーン☆
「これは!? 誰か呼んでる? こっちか!」
行き着いた先には、赤い彗星の――と同じマスクをしたあひると、ガァさんによく似たメスのあひるが居ました。
「ま、まさか!? キミはラァーちゃん?」
今は亡きガァさんのたった一人の肉親、妹のラァーちゃんでした。
「ラァーちゃん! まさかマスクのあひる! お前の仕業か! ラーちゃんは戦争の道具じゃない!」
「あなたは悪いあひるだ! ジャー大佐を虐める悪いあひるだ!」
「ラァーちゃん? お前がラァーちゃんをおかしくしたのか!? ジャーと言ったな? マスクのあひるめっ!」
そして、三匹の戦いが始まりました。
ラァーちゃんのESP能力が全開し、周辺にある物を壊し、ジリジリとギィさんを追い詰めます!
ですがギィさんもESPが本格覚醒! 攻勢は逆転し、ギィさんの口バシがジャー大佐の肛門にロックオン! 今にも命中しそうです。
「ジャー覚悟!」
「ちぃぃぃっ!」
「大佐! いけない!」
ギィさんとジャー大佐の間に、ラァーさんが割って入ってきました。
ざぱーん☆
「あひるは…変わってゆくのね。私達と同じように……」
「そ、そうだよ。ラァーちゃんの言う通りだ……」
「ギィさんは、本当に信じて?」
「し、信じるさ、君ともこうして分かり合えたんだから。あひるはいつか時間さえ支配することが出来る……」
「ああ、ギィさん……時が見える……」
ずぽっ☆
ラァーちゃんの肛門に、ギィさんの口バシがストライクしました。某野球アニメのジャイロボールのようでした。
「と、とりかえしのつかない事をしてしまった……」
慟哭するギィさんでした。しかし、悲しんでばかりもいられません。
「なぜラァーちゃんを巻き込んだんだ!? ラァーちゃんは戦いをするあひるではなかった」
「なにを言う! 戦いがなければ、ラァーの覚醒はなかった!」
「あひるは殺しあう道具じゃない! せいぜいCMでアフラックだ!」
「戦争ではやむおえない場合もある! あとお前は何でも邪魔するブラックスワン、黒白鳥がお似合いだ! ってお前まさか!? はじめてダックの座を狙っているのか!? ふんっ、お前のようなあひるの出る幕はない!」
「貴様だってあひるだろうに!」
そうして、ギィさんの口バシがジャー大佐の頭をかすめました。はらりとマスクが落ちます。
「ま、まさか!? ガァさん?」
目の前には、H5N1型鳥インフルエンザで殺処分されたはずの、ガァさんが居ました。
「バレてしまったな」
「ガァさん、どうしてだ? なんでこんな事を?」
ガァさんの話はこうです。H5N1型鳥インフルエンザで殺処分を待つガァさんのもとに、自治体の担当者とマッドサイエンティストの科学者が来ました。
「……力が欲しいか? あひるよ?」
「は?」
「力が欲しいか!? 力が欲しいのなら……くれてやる!!」
「何も言ってないからっ!!」
自治体の殺処分担当者の制止を振り切り、科学者はガァさんを無理やり人造あひるにしてしまいました。
「今日から赤い彗星のジャーと名乗るがいい。あと、このメスのあひるはお前の妹ラァー。しかしっ! フラナガン機関で※以下省略。
「……という訳なんだ。済まないギィさん」
「いや、いいんだガァさん。それより、わたし達は何で戦っているんだ? 何だか虚しい……」
その時です。風に流されて、透明プラスチック容器が運ばれてきました。
「「こ、これは!?」」
プッチンプリンの容器でした。
「そうだ! そうだよガァさん! わたし達は金曜日はプッチンプリンを食べる日だったじゃないですか!」
「おお! そうでしたな! ……金曜日は六日後です。では六日後にお会いしましょう」
「ごめんよラァーちゃん……まだ僕には帰れるところがあるんだ。こんな嬉しいことはない。分かってくれるよね、ラァーちゃんには何時でもあいにいけるから……」
「勝手に殺してんじゃないわよっ!」
ずっぷし☆
ラァーちゃんの口バシがギィさんの肛門に深々と刺さりました。串刺しでした。
そして、ギィさんラァーちゃん、何故か巻き添えを喰ったガァさんの三匹が、肛門を押さえて湖に戻っていきました。
ちなみにこの湖は、かんちょ湖という別名が付き、テレビ局の取材班が来るなどで観光地となりました。海外からも観光客が訪れます。
また何故か、この湖の上空には円盤が現れるとか、ノエルという可愛いを超えて「かぁいい」という超次元少女がいるという都市伝説や、それに便乗して円盤饅頭などのお土産も産まれて、地域活性化が進み経済効果が約1兆円にもなりました。
六日後。
あひるのガァさんは、今日もみんなと湖でお食事です。
「ガァさん。こんにちは」
ガァさんに声をかけたのは、あひるのギィさんでした。
「ギィさんこんにちは。今日もよい天気ですね」
「はい。とこで今日は、プッチンプリンの日ですね」
そう、今日は金曜日。プッチンプリンを食べる日でした。
「ところでガァさん。お金は持ってますか?」
「持っている訳ないでしょう。わたし達はあひるですよ?」
どうやら、あひるのガァさんギィさんは、コンビニか何かでプッチンプリンを買うつもりだったようです。
「そうでしたね……じゃあどうしましょうか? 今日はプッチンプリンの日だというのに」
「ふふふ。それが良い方法があるのですよ」
ギィさんが鼻高々に言います。
「随分と得意げに言いますね。でその方法というのは――――?」
え? 最初に戻ってるって?
だって鶏は三歩歩けば忘れるって言うじゃないですか? あひるですけどね!
ふふふ。
ちなみに繰り返されるあひる達のロンドにより、この国の経済は右肩上がり。平均株価はバブル期最高値3万8957円を上回りました。その影に三匹のあひる有り。いや女子高生かも……?
ちゃんちゃん♪
おわり☆
1/1投稿作品。アベノミクスではなく、あひるみくす。三本の矢ではなく三匹のあひる。それを操る女子高生。そん作品になってしまいました。