死んだ?後のこと
やっと、終わった。
ただ生きて行くだけで苦痛の日々が。
次に生まれ変われるとしたら、どんな姿形でもいいから、幸せになりたい。
、、、そんな健気な願いも虚しく目が覚めてしまった。
誠に残念なことに死ぬことができなかったらしい。
まったくどこまで不幸なのかと自分に呆れているとふと気が付いた、ここは病院じゃない。
もし目が覚めるとしたら病院以外はあり得ない、というか病院じゃないレベルじゃない。
何もない白い地面にそれ以外真っっっ黒というこの世のものとは思えない景色が広がっている。
、、、意味がわからない
とそこに一人の男が現れた。
瞬きしたらいた、という感じ。
男は、、、一言で言うとガチムチだ。
なんだか汗臭い気もする。
「おいおい、汗臭い気がするってのは酷いぜ少年。」
何故それを知ってる。
「何故それを知ってるじゃねーよまったく、まあ、お前もそろそろどーしこうなってるか気になっているところだろう。まずは自己紹介だ。俺はダンディ、神様をやってる。」
意味がわからない。
ダンディってなんだよ、神様なんて職業聞いたことないし。
「えっと、伊坂 はじめ(いさかはじめ)16歳高校生です。」
「知ってる。」
うぜぇ
「はじめ、死んだことは覚えているか?」
「そりゃまあ、死んだはずですよね。」
「お前は死んだ。それとお前の人生はあってないようなものだったな。」
「、、、はい。」
思い出したくもないな、まったく。
「そこでお前にはもう一度やり直してもらう。 元の世界ではなく、他の世界でだ。」
チョットナニイッテルカワカラナイ
「僕は死にたかったんですよ。やり直しなんて臨んでない。」
「残念だがお前の意思は関係ないんだ。俺もこれが仕事でな、諦めろ。」
「仕事ってなんですか。」
「俺の仕事はお前の元いた世界の生命の中で一定量の幸福を得られず死んだものたちを次の世界に転成させて、最低限の幸福を与えて生涯を終わらせてやることだ。ちなみにその一定量の幸福なんだがお前は1%も満たせてないぞ。」
はいいらない情報ありがとうございました僕が満たせてないであろうことを一番知ってますからねいちいち言わなくてもいいですよはい。
「、、、次の世界って言ってましたけどそこで幸福を得られずまた死んだらどうなりますか?」
「その質問をされたのは長い長い時間の中で初めてだな。、、、そうだな、前例がないので確証はないが、また違う世界に転成させられるだろう。無限ループでな。」
生き地獄確定かよ、、、死なせてくれ。
「まあ大丈夫だ、次の世界と元の世界ではいろいろと違うからな。なんとかなるさ、きっと。」
投げやりですね。
「とりあえず転成はします。僕は死にたいとは思っていますが、もしも次の世界で幸福というものを感じることができるなら、、、まあ、淡い希望ですがね。」
「そうだな、それじゃあ行こうか。、、、はじめ、アディオス‼︎」
ダンディの別れの挨拶を聞くと、僕の意識は遠のいて行った。