7・人気者はつらいです
たくさんの方にブックマークして頂き、ありがとうございます!
感無量です!
なんやかやでもう7月です。
未だぐずつくことも多い梅雨空も、今日はニッコリ青空だ。
ちょっと心配してたけど、晴れ女の称号は伊達じゃないよ!
今日はガーデンパーティーだ。
母の友人が自宅で開くというそれに、親子でお呼ばれしている。
ガーデンパーティー、なんて素敵な響き!
前世でも前々世でも縁のなかった言葉だ。
前世は狭ーい社宅暮らしだったし、前々世はアパート暮らしだったからなぁー。
ちなみに、母の友人とはわたしの公園デビューの時に知り合ったママさんだ。
ちょっとギャルっぽいママさんだなぁと思ったけど、話してみると気さくないい人で仲良くしてもらっている。
母に余所行きのワンピースを出してもらったわたしはご機嫌である。
同じくちょっとだけ余所行きの服を着た母は、少しだけ緊張しているようだ。
会場であるお宅につくと、ホスト親子に熱烈歓迎を受けた。
「彩夏さん、ミアちゃん、来てくれてありがとね」
「みーちゃん、ありがとー」
「呼んでくれてありがとう」
「お邪魔しまーす」
ニコニコと笑うホストの侑紀さんとゆうかちゃんに迎えられ、庭に足を踏み入れた。
季節の花の咲き乱れる庭は、よく手入れされているようで、とても綺麗だ。
植物枯らし魔のわたしとしては、尊敬するばかりである。
お世話簡単! が売り文句の観葉植物ですら、何故か枯れる……。
既に何人かのお客様が来ていた。
ご近所さんに声をかけたらしく、何人か見知った顔がある。
そんな中、わたしはあるものの気配感じてサッと構えた。
わたしが右に避ける!
突っ込んできた何かが空振りする!
……と見せかけてわたしにダイブする!
くうぅ。何でいつも避けられないのかなぁ。
勢いよく抱きついてきたりおちゃんが、わたしに頬擦りする。
ニコニコと満面の笑みを浮かべている。
ミアちゃん大好き! って感じが少しこそばゆい。
「あーっ! りおちゃんダメッ! ミアちゃんはゆうかと遊ぶの!」
割り込んできたゆうかちゃんにべりっと剥がされた。
おお、ゆうかちゃん!
一度くっついたら離れないこの子を引き剥がせるのはあなただけです。
大体皆りおちゃんの天使っぷりにほだされて、放っておかれるのに、ゆうかちゃんはクールなリアリストだ。
「どいてよ!」
「やぁ」
「りおちゃんズルい!」
再度わたしに抱きついてくるりおちゃんと、それを引き剥がしにかかるゆうかちゃん。
君たちの中に、一緒に遊ぶという選択肢はないんだね!
子供ゆえ勢いで掴み合いを始めた二人を、慌てて止めにかかる。
「順番にあそぼ。ね?」
そしたら今度は、どちらが先に遊ぶかで喧嘩し始めた。
あーもう!
仲良くしようよー!
結局、一緒におままごとをすることに落ち着いた。
ゆうかちゃんの全面的な勝利です。
夕方、母と一緒に帰路に着いたわたしは、ご機嫌な母の鼻歌を聞きながら、ガックリと項垂れた。
な、なんか疲れた……。
パーティーで頂いたサンドイッチが美味しかったことが、せめてもの救いです。