6・お土産は定番がよいでしょう
定石ってあると思う。
どこかでみたような感じだなーと思いつつも、安定・安心のみんなが選ぶ道。
今つくづくと実感した。
型に嵌まるって大事だよね!
わたしは手渡された物を見て、反応に窮していた。
目前には、ドヤ顔の級友がいる。
誉めてオーラを全身から放出している彼になんと声を掛けたものか、思案する。
「えーと、ありがとう?」
疑問系なのは許して欲しい。
良くも悪くも正直者なのです。
「ぜったいよろこぶと思ったんだ! 兄ちゃんもいいねって言ってくれたし」
……ゆうと兄、弟の暴走は止めてあげて!
GW明けの水曜日。
いつも通り通園したわたしのところへ、ゆうとくんがやって来た。
差し出したのはどうやら旅行のお土産らしいのだが、予想外のものだった。
いったいこれは何処のお土産ですか?
たぶん、お面……だと思う。
毛むくじゃらのイエティみたいなのに、角が生えていた。
これ、何の毛だろうごわごわする。
無駄にリアリティがあって、顔もおっかない。
何故これをわたしに買ってきたのだろう。
これを貰って喜ぶ3歳女子って、たぶんあんまりいないと思う。
無難にお菓子とかを買ってくるという選択肢はなかったのでしょうか……。
「おそろいだよ」
言われて見れば、ゆうとくんの後ろで知らん顔しているかなたくんの手に、何かが握られている。
まじまじと観察してみれば、どうやらキーホルダーのようだ。
わたしが貰ったお面と同じ毛むくじゃらの顔が、鈴と並んでぶら下がっている。
えーっ!? 何で?
そっちの方が良かった!
納得いかない気分を味わいつつ、満足げなゆうとくんに要らないとも言えなかったわたしは、諦めて席についた。
「みあちゃん、どうしたの?」
「なんでもないよー」
斜め前の席で小首を傾げたななちゃんは、わたしの顔を見て不思議そうである。
いかんいかん。
友達に心配させちゃダメだよね。
「みーちゃん、これあげる」
ななちゃんが差し出したのはキャラメルだ。
昔懐かしい、一個10円くらいの。
「おばあちゃんちでもらったの」
にこっと笑ったななちゃんに癒される。
かーわいいなぁ。
わたしはGWでりおちゃん親子と水族館に行ってきた。
ペンギン、可愛かったなぁ。
残念ながらお土産は買ってきていないので、ななちゃんにペンギンの話をしてみる。
ななちゃんはペンギンをまだ見たことがないらしく、非常に盛り上がった。
今度一緒に見に行くのもいいかもね!
余談ですが、件のお面は我が家の玄関に飾ってみた。
後で見た母が、驚いて腰を抜かしそうになりました。
……ごめん、ママ。