第4話:友達2
森下との一件以来私は.モテるようになった。それと共に、女に目覚めたというか.中学のときから束ねていた髪をおろし.化粧も始めた。そのかいあって.私の最初に求めた
「私を好きだという男」
は増えていった。
同じ学年の敬もその中の1人だった。
敬は学年でもトップクラスの美男子だった。
あるとき、話したこともない別のクラスの女の子が声をかけてきた。
由希とゆう可愛い派手な私が今まで関わったことのない感じ.理想とした感じの女の子だ。
『5組の敬が梓ちゃんのこと気になってるみたいで.アド聞いてきてって言われたの。教えてあげてくれない?』私は迷う振りをした。何故なら、すぐ教えても良かったのだけど、由希ちゃんに軽い女って思われたくなかったから。正しく言うと由希ちゃん達にだ。女は自然とグループを作る。由希ちゃんの属するグループは学年でも可愛い子達が集まったみんなの目をひく目立ったタイプのグループ。しかもみんな気が強い!(想像)
私が今のとこ属するグループはお洒落にはあまり興味のない.目立つことのない地味な子達のグループ。だから、敵に回したくないのだ。
私がアドレスを教えるのを悩んでいたら.『敬いい奴だし、カッコイイし、友達感覚で教えてあげて!お願い』手を合わせて頼まれた。ここまでされたら教えていいよね。『うん。じゃぁアドレス』携帯のアドレスを紙に書いて由希ちゃんに渡した。『ありがとお〜』由希ちゃんは教室を出たすぐ敬のもとに行くだろう足取りだった。
―その日の夜、敬からメールがきた。〈ただいま。今日はアドレス教えてくれてありがと。梓ちゃんこれからいっぱいメールしよ!〉ただそれだけのメールだった。私の期待と違い物足りなさがあったが、森下の時とは違い、何か敬とは.これから先がありそうな感じで楽しかった。
―もうすぐ夏休みだ。。。。
敬とメールや電話をして2ヶ月が経とうとしている。
私達は毎日何かしらのメールはしていた。
帰ったら〈ただいま〉だとか,寝るときは〈お休み〉など… でも、学校では一言も話したことはなかった。
私がいる1組と敬がいる5組は端と端にあり、私は自分のクラス以外に友達はいないので、他のクラスに行くこともないし、もちろん5組に行くこともない。
敬もそうだった。
1組に来る事はなかったから学校で顔を会わす機会がめったにない。
少し残念にも思うけど、実際はそのことにホッとしていた。
メールや電話では普通に話せるけど、実際面と向かっては話せないと思ったから・・・今は外見は可愛いと言われるようになり、前より派手になったが、中身は変わらない。男性経験がない。…というか、男の人と接したことがない私は、男の子とどう接したらいいのかも分からない。その上カッコつけで、どうしようもない。
でも、嬉しい事もあった。
由希ちゃんが話しかけてくれるようになった。
今まで、廊下ですれ違っても挨拶もすることもなかった。由希ちゃん達グループが放つオーラはすごかった。私もこの子達のグループに入りたい!など憧れもあった反面この子達と話すことは絶対ないだろうと思っていた。それが、敬のこと以来、話すようになった。話しかけてくれるようになった。私はそれがすごく嬉しかった。そんな由希ちゃんの行動につられるように、由希ちゃんのグループの子達も私を見るようになった。
今までは、まるで私が空気の存在のように、すれ違うときも見もしなかった。そんな彼女達が、私を見るようになった。由希ちゃんが私と話すこともあり、私に笑顔をくれる子もいた。ほんとに嬉しかった。敬と連絡とるようになったことより、由希ちゃんが話しかけてくれること、学校で目立っている彼女達が笑顔をくれることの方が嬉しかった。