第16話: 失ったもの
あらすじを変えました。
今回短いです。どうぞ読んで下さい。
私は次の日学校で由希ちゃんに謝った。
『昨日はごめんね』
『いいよぉ。そんな事』
明るい由希ちゃんに戻っていた。
『梓ちゃんと電話切ってからすぐに啓太戻ってきたの…雅史さんに慎悟のとこには俺が行くから、お前は戻れって言われたみたいで』
『そうなんだ。啓太君にも迷惑かけちゃって…ごめんね。』
『そんな事…もとはと言えば、啓太が勝手に慎悟さんに電話してこうなっちゃった訳だし…こっちこそごめんね。…ところで、梓ちゃん敬と… ごめん!聞かない!梓ちゃんが言いたくなったら言って!』
『…ごめんね。』
そこまで仲良くない私にこんな気遣いをしてくれる。
由希ちゃんはいい子だ。それに比べてミホは…
学校が始まってから大分経つ…
まだ一度もミホと話していない。
私を避けているのはよく分かる。
それに今まで仲良くしてたクラスメートも、無視まではしないが、どこか素っ気ない。
クラスで除け者にされてる感じ。
どうせ除け者にされるんだったら、その訳を聞いてみよう!
ミホに直接聞こうとしたが私を避けてるため話せない。
最近ミホと仲良くしてる子に聞いた。
『ねぇねぇ。ミホ私の事避けてるよね?』
『…そう…かなぁ』
どこか私を怖がってる感じがした
『私、別に喧嘩したい訳じゃないから…教えて』
言いづらそうに話し始めた
『梓ちゃん△△校に彼氏いるんだよね?』
『うん』
何故知ってるんだろう?毎朝一緒にいるから見たのかなぁ・・・
『ミホ気になる人がいるって言ってたよね?』
え?知らない。…そんな事言ってたかなぁ...言ってたような気もする...
『そうなんだ…それが何か関係あるの?』
とりあえず、知らない振りをした
『ミホが気になってた人って…梓ちゃんの彼氏なんだ』
『…えっ!?どう言うこと?』
『多分…梓ちゃんが彼と付き合う前から…ミホは彼のこと好きで…それを知ってて梓ちゃんは彼と付き合ったって…彼を梓に取られたって…』
....そんな事知らなかった...
ミホが気になる人がいる事は聞いたような気もするけど……それが慎悟!?
そんな事聞いてない!
しかも取られたって? どういう事?
知らない。知らないよ私…
『取られたって?どういう事?』
『私もよく分かんないけど…ミホの好きな人を知ってて梓が取ったって』
知らない。本当に知らない。ミホの好きな相手が慎悟なんて…
『…ありがとう…もういいよ』
私は弁解する気力もなかった。
ここで意地でも誤解を解くことはできたはず…
まだミホとやり直せたはず…
でも今の私はそんな事考えられなかった。
誤解を解くどころかミホを憎いとさえ思った。
ミホは慎悟が好きなんだ。
私から慎悟を奪おうとする人は許さない。
私は慎悟に夢中になり過ぎて分からなくなっていた。
−ミホは私から慎悟を取ろうとはしない。
−ミホはちゃんと言えば分かってくれる子
−私はミホを親友だと思っていた事。
私は大切な事すべて忘れてしまっていた。。分からなくなっていた。…今の私は慎悟しか見えていなかった。
その日から私はミホに話しかけようという気をなくした。
それどころか,ミホに対して敵対心を持つようになった。
…慎悟は私の!と言わんばかりに。。。そう思う反面見下していた。
あんたの好きな慎悟は、私の彼氏なんだから…私を選んだんだから…と。
私には慎悟がいる。
ミホなんていなくてもいい。
一度は親友と思ったミホを私は簡単に切り捨てた。
私は、私の中からミホを捨てた。。。