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Daybreak  作者: 言葉
7/10

生命力 ーオーズー


レオンの合図をきっかけに、4人は散開する。レオンは後方に下がり、懐に腕を伸ばす。オリヴィアは一瞬、爆発的な脚力を発揮して即座にパルダスの間合いに入り鋭い爪を振りかざす。パルダスも咄嗟に身を翻し躱す。次手の攻撃を読んでか、オリヴィアと距離を取る。

パルダスがいなくなった隙をついてテオドールは残りの5人に背中に背負っていた大きな盾を構えて突っ込んでいく。この盾こそ体の大きなテオドールの強さの証であり最大の武器である。盾の上部はパッチが備え付けてあり自由に開閉できる。懐に仕舞い込んでいた小型の銃をパッチに嵌め込み、麻痺性のエネルギー弾を撃ち込んでいく。

その動きに合わせてハンナが遠吠えを上げて突っ込んでいく。遠吠えをあげたハンナを巨大化させる。その大きさはテオドールよりも大きく、3メートルほどになる。


「なるほど、これがあの2人の生命力の適正ってことか」

「確かに、あの2人が合致しているのは納得、ね!」


一旦レオンの元まで引いてきたオリヴィア。正面からパルダスとぶつかった感触は互角といったところのようだ。


「オリヴィアの前でこんなに耐えてるやつは珍しいな、初めてじゃないか?」

「そりゃあ、普段は生命力の真価をちゃんと引き出せていないような連中ばかり相手にしてるし」

「いや、ヒト族はあんなものだよ・・・君たちがおかしいんだって」

「なっ!そういうレオンだって化け物みたいな生命力してるじゃない!」

「いや、僕は化け物とまでは言ってないんだけど」

「そんなことより、どうする?正面からやり合ってもいいけど、時間がかかりそうよ。迅速に、がお好きなんでしょ?」

「あぁ、そうだな。いつもの作戦で行こうか」

「オッケー、じゃあタイミングが来たら合図してちょうだいね。私、そういうの嫌いだから」

「あー、はいはい」


レオンは懐に入れていた手を抜き、自動起動式生命力表出銃オーズガンを取り出す。引き金に手をかけ、目を閉じてイメージする。


生命力、それはこの世界で生きている生物全てに宿る力で、生きる源のエネルギーのことだ。心臓を起点にして全身に巡らされているこのエネルギーは生命の維持に大きく関わっている。生命力には個体差があり、大きければ大きいほど個の強さも大きくなる。種によっても大きく異なり、ヒト族は比較的少なく、獣人族の方が生命力が大きい傾向にある。さらに獣人族の中でも差がある。獣人族はまだ歴史が浅く、ヒト族と比べて個体数も少ないため不明な部分が大きいが、ヒト族と大きく異なる点として発達した感覚器官、爆発的な筋力増強など、身体的なアドバンテージがある。それも獣人族の生命力が大きいことが関係していると言われている。

また、生命力はうまくコントロールすることで、実生活に役立てることができる。火を起こしたり、水を生み出したり、風を吹かせることもでき、その汎用性は非常に高い。そしてこの生命力を活用して別のエネルギーに表出する力の度合い、その能力の高さを指したものをオーズと呼ぶ。表出したいものをイメージし、体内の生命力を一点に集め、エネルギーに変換し力を込めることでオーズとして能力を行使することができる。オーズも生物によって大きく異なる。生命力をうまくコントロールして多量の物質やエネルギーを生み出せる者もいるが、うまく扱えず、一瞬だけ手を光らせる程度のことしかできない、というケースもある。訓練すれば上達する場合もあるが、現状うまく扱える者の方が少ないというのが実情である。なお、獣人族にはオーズで他の物質やエネルギーを生み出す、という構造はなく自身の身体的強化に使うことが一般的なオーズの形とされている。ヒト族とは身体の構造が微妙に異なり、生命力を発露する場所が違うことから獣人族にはオーズは使えないのでは、という説もあるが生命力を肉体的エネルギーに変換して顕現していることからオーズの一種としている。

そしてヒト族の中でも特にオーズを扱うのに長けているのがレオン・シュバイツァという本任務の隊長にしてキューのエース的存在である。レオンに与えられている特殊武器はオーズガン、体内の生命力を結集させ高エネルギー弾として武器に装填し、さらにオーズガンの中で圧縮し出力を最大まで高めて放出するレオンの専用武器である。レオンはヒト族の中でも類稀なるオーズの持ち主で、特筆すべきはその想像力にある。オーズはイメージすることができなければ顕現することはないが、レオンの場合、頭の中で細かくイメージすること、そしてイメージしたものを形にすることに非常に秀でている。それにより無駄なく最大限生命力をオーズとして使うことができる。その際、一瞬無防備になるがオリヴィアがその間は敵を惹きつけることで時間を稼ぐ。この一連の流れが2人の定石の戦い方となっている。


イメージ、そしてオーズガンの装填が完了したレオンはオリヴィアに合図を送る。パルダスの少女と接近戦に興じていたオリヴィアは大きく後ろに飛び跳ね回避の動きを取る。

直後、レオンは改めてオーズガンの照準を少女に合わせ引き金を引く。銃全体に電流が走り、銃口が光り出す。


「安心してくれ、死なない程度に調節はした。ちょっと痛いかもだけど」

オーズガンから射出されたエネルギー弾は真っ直ぐにパルダス目がけて飛んで行った。しかし尋常ではない速度で飛び跳ね、躱されてしまう。


「な!躱した・・・?」

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