再エネを増やすと電気代が上がる!? 「再エネ賦課金の怪」を解説します
筆者:
本日はこのエッセイを選んでいただき誠に光栄です。
今日は太陽光など再生可能エネルギーの普及のため電気料金に上乗せしている賦課金(以下再エネ賦課金)が増額になることにより家庭負担が増えることや環境問題について個人的な意見を述べていこうと思います。
質問者:
そもそも再エネ賦課金っていったい何のことなんですか?
◇「再エネ賦課金」は「クリーンエネルギー発電量」に比例して増えていく
筆者:
非常に簡単に申し上げるのでしたら、
再生可能エネルギー作る太陽光パネルや風力発電所の施設には非常にお金がかかります。
そのために国が補助金を出しているのですが、その実質的な財源として電気の使用量に応じた賦課金を全家庭に課しているという事です。
ニックネームこそ「賦課金」ですが高コストな発電設備の費用回収という役割がありますから、「特定税」としての役割を持っていると言えます。
それが今回2024年度の標準的な家庭(1カ月の使用量400キロワット時)の負担額が年間1万6752円になり、23年度と比べて1万円の負担増。22年度と同水準に戻るそうです。
質問者:
23年度はむしろどうして1万円下がっていたのでしょうか?
筆者:
その前の22年度が影響しているのですが、ロシア・ウクライナ紛争によって世界的な燃料価格の高騰などによって市場価格が高かったため、再生可能エネルギーと化石エネルギーとの価格差が小さかったためですね。
そのための価格差が少ないために賦課金に転嫁されてなかったという事です。
これを「回避可能費用」と専門用語では言うそうです。
23年度はそこから元の価格に化石燃料の価格が戻ったために、回避可能費用も戻り、24年度の賦課金も元通りの水準になったという事です。
基本的には2012年度にこの賦課金制度が始まってから右肩上がりになっており、
かなり例外的な措置・事象であると言えると思います。
質問者:
なるほど、戦争が珍しくプラスの影響に出ていたという事ですね。
2012年度に賦課金はそもそもどうして始まったんでしょうか
筆者:
太陽光発電などのクリーンエネルギーを既存電力よりも高く買い取る固定価格買い取り制度(以下FIT)を12年度に始めたからですね。
価格買取の価格を高くしないと誰も太陽光発電設備を作ろうとしなかったためです。
今は徐々に価格が下落していますが、当初の買い取り価格だと「太陽光パネル作り得」みたいな状況で、企業が畑を潰したり山を切り開いてでも、わんさか作りまくっていたという事です。
質問者:
なるほど、そういった事情があったわけですか……。
筆者:
しかも買い取り価格が下がっているにもかかわらず再エネ賦課金の額が変わらないか上がっているのは発電量が右肩上がりだからです。
12年度には911万KWだったのが21年度には6935KWまで増えています。
再エネ賦課金も当初と比べて16倍にもなっていますから大体発電量に比例していると言えるのです。
つまり、「クリーンエネルギー発電量」に比例して再エネ賦課金も増えていくのです。
◇「クリーンエネルギー」は「発電時以外」が考慮されていない
質問者:
しかも、代表格である太陽光パネルは実は製造や廃棄の段階ではエコでは無いという話でしたね……。
筆者:
本当にそこが闇が深いと思っています。
まず製造のためにはアフリカの鉱山から発掘・輸送するのですがその排出コストがあります。
今の技術では太陽光パネルのリサイクルも難しく、耐用年数は30年といわれていますからいまから15年、20年後ぐらいにかなり深刻な問題があると言われています。
特に中国製のものですと、キャノングローバル研究所の試算ですと住宅用1メガワット製造時のCO2排出量は2190トン。発電時の削減量は年531トンと4年で回収できそうに思えますが、
廃棄の際には鉛、セレン、カドミウムなどの有害物質があり、2040年代には産業廃棄物の最終処分量の6%に及ぶという試算もあります。
更に木を伐採すると、30年以上の杉林は1ヘクタールあたり302トンのCO2を削減しているので、その分もマイナスになります。
二次被害として森林伐採に伴う生態系の変化によりクマなども人里に下りてくる社会現象も更に増えると個人的には思っています。
質問者:
これについて何か対策はしていないんですか?
筆者:
24年2月26日に経済産業省は24年4月から軽度の違反でも再生可能エネルギー事業者向けの支援措置を停止できるようにする厳しい措置を取ると発表しています。
ようやく対策を取ってくれそうということで少し安堵しています。
10年間の太陽光パネルでどれだけ森林が失ったのかデータでは分からないで、
「後の祭り」と言われればそこまでですけど何もないよりはいいです。
あとは実効性について国民側から監視し、異常な業者については告発していく必要性があると思います。
質問者:
どの程度やってくれるか分かりませんが、やっと国民の声が届いたという事ですね……。
筆者:
環境破壊してまで太陽光パネルを敷き詰めるのは「狂気」でしたからね。
ただ、2022年7月7日、国際エネルギー機関(IEA)は、太陽光パネルの主要製造段階での中国のシェアが世界の8割を超えていると分析もありますから、
森林を伐採しないにしても太陽光発電の割合が多い再エネ賦課金が事実上中国に流れていると言っても過言ではない状況には変わりありません。
やはり日本の地場産業を強化しなくては他国の会社では太陽光パネルで問題が発生しても責任も取ってくれる可能性が低いですし、支援の方向性を変えていく必要があると思います。
質問者:
事実上の税金が中国に流れているのは何とも悲しいですよね……。
筆者:
更に24年3月22日、内閣府が主催した再生可能エネルギーの規制等を総点検し、必要な規制見直しや見直しの迅速化を促す
「再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース」で問題がありました。
民間構成員が提出した資料では、中国の国営電力会社「国家電網公司」の企業名やロゴがほとんど全てのページで確認されています。
こういった資料が公的会議でまかり通ってしまっているのは事実上の中国資本や指示があっての太陽光発電推進と言われても仕方ないと思います。
(引用について書かれていないため、仮に中国からの直接息がかかっていなかったとしても無断引用の可能性は残る上に中国の事実上の言いなりの状態である)
◇日本が「環境問題」に対して本当に行うべきことは?
筆者:
また日本が必死になって「カーボンニュートラル」という美辞麗句並び立てていますが、世界での日本の排出量は世界5位ではありますが2020年では3.2%(約10億トン)です。
これはロシアよりも少なく、世界1位の中国の32.1%、アメリカの13.5%と比べても遥かに少ないです。
勿論削減することに越したことはありませんが、今より半分になっても世界の1.6%しか削減できないことから「中国とアメリカの二酸化炭素を削減させる枠組み」を主導して作ることの方がよっぽど重要です。
質問者:
確かに「虚しい努力」という感じしかしませんね……。
筆者:
そもそも木の年輪の調査などから、特に二酸化炭素の排出量が多くなかった平安時代の日本の平均気温は、今と同じぐらいか3度ほど高かったという結果も出ています。
産業革命以降では確かに二酸化炭素と気温上昇に相関関係がありますがそれより長いスパンで見た場合には果たしてどうなのか?
「二酸化炭素温暖化根源論」についても見直していくべきだと僕は考えますね。
質問者
しかし、どうしてあまり検証されないのでしょうか?
筆者:
こういう話になると毎度のような話ですが「ビジネス」が関わってきています。
お金のインセンティブというのは非常に大きく、お金が大きく関わってくるところほど人が続々と集まってきます。
それに賛同する研究を出せば研究費が出て、それに対応する商品を開発すれば補助金が出る。
「金の流れを追え」という言葉もありますが、実態や本質の改善とは全く関係のないところで建前の美辞麗句とお金だけで世の中が動いている可能性があります。
勿論全てがお金では無いと思いますけどね。
質問者:
一度考え直すぐらいはした方が良いかもしれませんよね。
もしかしたら全く努力が無駄かもしれませんから。
筆者:
昨日は医療について問題点を指摘させていただきましたが、
エネルギーについても誰もが必要とするものだから否定されにくいという構図があります。
原子力発電もそういった要素があります。
合成燃料など利権があまり生まれ無さそうなものは本当にエコでも開発が遅々として進まない。
国益、国民のためを思うのならば資源があっても取りにくいところにある日本としては総力を結集して実用化するべきだと思うのですがね。
質問者:
利権なんかのために国民生活が阻害されてほしくないですよね……。
筆者:
気づいた人から提言していく必要が無いように思えます。
という事でここまでご覧いただきありがとうございました。
今回は再エネ賦課金は太陽光発電などのクリーンエネルギーの発電割合が増えれば増えるほど上がっていくということ、
次に太陽光パネルを作るときや廃棄の際には必ずしも環境には優しくないこと。
日本の二酸化炭素を削減することより国際的枠組みを作ることや人口石油の開発に注力した方が良いのではないか?
という事をお伝えさせていただきました。
今後もこのような政治・経済、マスコミの問題について個人的な解説を行っていますのでどうぞご覧ください。