天国
掲載日:2023/07/04
天国
大きな豪華な寺院の天井には
たくさんのエンジェルが飛んで
大きな強そうな神の手が
真っ直ぐ地上に群がっている人間に差し伸べられ
阿弥陀如来の立象は
人を助けたい一心で前にのめり
お地蔵さんは微笑みを絶やすことがない
手を合わせ
目を閉じるだけ
手術台の上に乗った時のように
神様という麻酔医が
ゆっくりと
数を逆に数え
永遠のゼロへ辿り着く
喜び、幸せ、平和、
その全ては真反対の闇が
作り上げる
終わることのない吹雪のように
空間よりも星の数がひしめき合う銀河
何百、何千、何万、何億、何兆光年
その中のポツンと一つ青い星
物語はそこから始まり、そこで終わる
笑い、悲しみ、苦しみ、怒り
後悔、懺悔、赦し、光、希望
憎しみ、愛
それら全てが混ざり合い
一針一針紡がれていく固有の世界
生きる場所、生きている場所
望んだわけではない
ただ与えられた命
その命は宝くじで当たるよりもずっと確率が低い条件で産まれた
最大のミステリー
その世界が天国かそうでないかは
人それぞれが生き抜いた末に
自分自身で決めることだと
私は思う




