午前二時のsinger
癒えない
傷と傷あとと
天にも伸びゆく
美しい声で
彼女は歌う
眠れない夜に
けれど、大丈夫 と
囁くように
見上げれば
確かに
見つめあっていたと
遥かなる空の向こうから
見下ろす星を
彼女は
信じていて
同じようにあなたと
見つめあっている
おやすみ、と
告げられた夜の安堵は
欲しかった
愛に似ていて
彼女の子守歌は
泣かないで、と
口づけるように
涙を拭う
希望がそこに
輝いていなくても
どんな秘密を
胸に仕舞っていても
乾いた
孤独な道のりも
唇は歌を知っている
歌は いま
あなたといる
彼女は
口ずさむ
眠れない夜に
けれど、大丈夫
そんな夜も
けれど、大丈夫だと