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【完結】なぜか皆から愛されて大公爵の養女になった話~転移TSから幸せになるまで~『オロレアの民 ~その古代種は奇跡を持つ~』  作者: 稲山 裕


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幕間

   幕間まくあい


 ――遠い夢の記憶の中で、少年が空を見上げている。


 遥か遠くを見ているのか、そこに居る月を見ているのか、それは分からない。




 両親に虐げられた日は、決まって空を見ていた。時々だったそれは、いつしか毎日になった。


 雨の日は、出来るだけ遠くの方を見ているようだった。もしくは、雲を抜けた空の先を空想しているようでもあった。




 ――いっそ壊れてしまえれば、楽になれるのに。と、少年は呟いた。


 それでも壊れることがないし、突然死んでしまえるような幸運も訪れなかった。


 地獄はここだから、死ぬことも出来ないのだと悟ったようだった。毎日帰る場所こそが地獄であると、誰が想像するだろうか。





 月から見守る何かは、ただ待ち続けていた。


 待ち続けるしか出来なかった。


 奇跡が集約されたような存在が現れるまで。




 今は違う。その少年を、彼を、故郷の星に送ったのだ。


 永く待った甲斐があった。


 故郷での環境も万全のタイミングで、理想通りに念動の芽も出た。


 全てが彼のために巡っている。そう感じざるを得ない程に。




 月から見守る何かは、故郷を再生出来るのではと期待している。


 壮大な計画の、最後の欠片が揃ったのだから。


 ただし今は、更に機が熟すまで待つ事にした。焦りは禁物だからだ。





 一方、彼を……エラを間近で見守るアドレーは考えていた。


 エラの話した事が事実ならば、この星を再生させるために送られたのではないかと。


 古代史は作り話の創世記ではない。エラはそれを証明する存在と言える。



 だがアドレーはこう思う。


 この雛鳥には、もっと愛情が必要だと。


 星の再生などという想像もつかない事よりも、今目の前で眠る、我が子を愛したいと。





 ――この世が地獄なのだと悟った者は、眠っている。


 手に伝わるぬくもりが、苦しい夢を遠ざけてくれたようだった。


 少し穏やかになった寝顔で、静かに眠っている。



ここまでお読み頂き、ありがとうございました。


――「面白い」 「続き!」 「まぁ、もう少し読んでもいいか」


と思って頂けたらぜひ、この作品を推してくださると嬉しいです。



『ブックマーク』で応援して頂けると、喜びます。


  下にある『☆☆☆☆☆』が入ると、幸せになります。


(面白い!→星5つ。つまんないかも!→星1つ。正直な気持ちで気楽に星を入れてくださいね)

(もちろん、星4~2つでも)



どうぞよろしくお願い致します。  作者: 稲山 裕

週に2~3回更新です。



『聖女と勇者の二人旅』も書いていますので、よろしくお願いします。

https://ncode.syosetu.com/n4982ie/

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