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パパがいなくても?

うちのお母さんは、変な人だ。優しくて、おもしろくて、頭が良くて、天然で、私には大好きなお母さんだけど、うちがちょっと変なうちだってことは、小学生の頃から、なんとなく気づいてた。


お母さんは、統合失調感情障害という精神障害を抱えている。今は、メンタルクリニックのデイケアと、障害をもつ人たちの働く作業所に通って、作業所では革細工の職人さんの修行をしている。


昔は、東京の大学で事務の仕事をしていて、その時の貯金があるから、私の学費は大丈夫で、大学進学はできるみたい。


私は、もうすぐ高校二年生になるから、大学に行くには、ちゃんと勉強して、受験を乗り越えなきゃだけど(笑)


そして、お母さんは、作家さんでもある。私の誕生秘話「LOVE HOTEL BABY」と、数年後の中学生の私の一年間を綴った「みっけねこヘルパー」という二冊の本を出版している。なんだか、「自費出版」というやつで、お金を払って、本にしたから、別に凄いことでもないと言っているけど、私は凄いことだと思う。


私は、中学生になった時に「LOVE HOTEL BABY」を一冊プレゼントされた。


うちのお母さんはシングルマザーで、私が保育園のときは、パパがいたけど、私が小学生になった時には、パパとは離婚して、またシングルマザーに戻った。私は小さくて、いろんなことが、まだよく分かってなかったけど、結婚式の時に私はフラワーガールになったから、パパは途中からのパパだって知ってた。だから、私には本当のお父さんはいなくて、お母さんはシングルマザーで、私を産んだんだと思ってた。


小学校高学年になって、私にも、お父さんはいるはずだと気付いたけど、お母さんはお父さんの話はあんまりしなかった。


「LOVE HOTEL BABY」を読んで、私は泣いた。


私にもお父さんがいて、月に二万円をもらっていることは聞かされていたけど、お母さんが本当にお父さんを好きだったことや、お父さんが親の反対に負けて、結婚しないことが決まったのに、お母さんは一人で私を産んでくれたことや、いろんな、謎だったことがわかって、特に私はお母さんがもの凄く私のことを思っているということがわかった。


私は自分にお父さんがいないことは、実はあんまり気にしてなくて、お母さんがいればいいし、おじいちゃんもおばあちゃんもいて、朝は死んだように眠っているお母さんの代わりに、おばあちゃんが、朝ごはんとお弁当を作ってくれるから、実は別に、お母さんがシングルマザーでも本当に全然、困ってない。


それに、お母さんには「みっけねこヘルパー」という心強い男友達がいて、私が物心ついた時から、ずっと、その人がお父さんみたいな感じで、ドライブや小旅行に一緒に行くから、お父さんがいなくて寂しいと思うこともあんまりなかった。実際、週末、三人でのお出かけも楽しい。


でも、もし、自分がシングルマザーになって、独りで子供を育てるなんて想像したら、絶対に無理だと思うから、お母さんがシングルマザーになったのは、本当に凄いと思う。


今は「授かり婚」というけど、お母さんの時代は「できちゃった結婚」と言って、子供ができてから結婚するのは、恥ずかしいことだったらしい。お母さんとお父さんは、同棲したいと言ったら、どっちの家族からも反対されたらしいけど、「同棲」の何が悪いのか私にはさっぱりわからない・・・


私は、普通に付き合って、同棲して、結婚して、子供を授かりたいけど、今のところ彼氏はおろか、クラスの男子ともほとんど話もできてないから、自分が結婚できるのか、ちょっと不安。


そうそう、「LOVE HOTEL BABY」は、ネットでも本屋さんでも買えるけど、あと一年で絶版(売られなくなる)らしい。だから、興味をもった人はチェックしてみてね、良かったら買ってね~。って、お母さんが言ってる(笑)


これからも、お父さんがいない私の呟きを時々、書いてみようかなと思います!またね!!


宮智まりあ

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