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八の物語

作者: 白波

episode fire


私は今、なにをしているのだろう。

焼け付く肉の匂いと、立ち上る硝煙に顔をしかめながら

私はまた歩き出す。

何度繰り返しただろう。

先ほどまでここで殺しあっていたたくさんの命。

いま、私の周りにはほんの五寸の命すらない。

すべて、私が焼き尽くした。

だが、無意味なことと知っていても。

やらなければならないのだ。

それこそが。私の信じる正義なのだと信じて。









「……はぁ……次の街はまだかよ……」


大きな砂塵を巻き上げ荒野をひた走るバギーの中で、彼女は独り、つぶやいた。

それもそうである。彼女が前の街で聞いた次の街への道のりはこんなにも長く険しいものではなく、二、三日ののうちにはたどり着く今までの旅からしてみれば、目と鼻の先みたいなものであった。

それなのに、もう五日は走り続けている。魔界製の昔から愛用しているバギーなので、燃料に関しては魔力で補えるため心配はないのだが、それよりも食料である。


「腹……減ったなぁ」


こんな荒野では他に動く生物もいない。持ってきた分も三日目で底をついた。今日のうちに辿り着かねば、いくらなんでも辛すぎる。


「あー……こんなことなら、多めに持ってくるんだった……」


きゅるるとお腹を鳴らしながらも走らせ続けると、前の方に大きな建物が見えてきた。


「助かったぜぃ……」


門までたどり着くと、当然のように兵が前を塞ぐ。そこらにある村程度なら特になにもない上に、旅人を歓迎してくれるのだが、大きめの街となるとやはり警戒されるのだろう。


「すまねぇ、旅をしてるもんだ。食料の調達と日用品の購入がしたい。」


兵の方も慣れてるのだろう。それらの発言をメモしながら、第一声。


「名前は?」


バギーの運転席から、顔をのぞかせながら綺麗な赤いポニーテールをたなびかせ、紅蓮の瞳で兵を見つめ、彼女は答えた。


「焔。」







「ずいぶんと綺麗にしてんだなぁ」


すこし大きめのパンをかじりながら、新たな街の散策をする焔。整地された道路、傷ひとつない電灯、街を歩く警備員に装備されている拳銃。発展している街には必ずあるモノだ。この世界は街と街の交流が極めて少ない。よって、街や村によっては全くと言っていいほど廃れたところも存在する。正直広い程度のその辺の村と遜色なければどうしようかと不安だったが、これならなんとか色んなものを調達できそうだ。


「……まずは宿探しかな」


巨大な大陸を一つの国として扱うルールにより、一番中央の巨大な大陸では国としての機能を果たせていない。他にも、この世界での街間の交流が少ないのは町と町の間の移動が難しいことにも起因する。距離が遠くなっていることと、道中に存在する魔物のせいだ。人を襲うような魔物に知性はないが、強力な力を持って居るものが多い。よって、焔のような旅人は珍しいし、宿屋というシステムが発達してる町は少ない。

とはいえ、門番に話を聞くところによると、この町は近くに2、3の村のようなものが存在しているらしく、そこの人たちが来ることを考えれば、その辺に関しては安心して寝泊まりくらいはできるであろう。

そうこう考えているうちに、小さな宿屋を見つける。外見はすこし古いが、ひとり旅ならこんなものだろうと考えながら、空き部屋を借りる。


「荷物は置けた……ま、つっても大したもんはねぇけど。」


できうる限り余計なものは持たないようにしている。そうなってくると、やはり現地調達というのはとても大事になってくる。


「宿屋さん、この辺に大きい雑貨屋はあるかい?」


「そうねぇ、この辺だと……」


宿屋のおばさんは快く近くの数店舗を教えてくれた。

着ているボロボロ外套のフードを被り、店をまわる。

これで当分は、旅の食料には困らない。


「そこの旅のお方」


知らぬ男に声をかけられ振り向く。

警戒はするべきだが、殺気は感じていなかった。

物珍しいから話しかける輩だろう。

そう思っていたが


「そのお胸はいつまでたっても成長しないねぇ?」


男がそんなことを言うもんだから、一瞬カッとなってしまったが、すぐに諌める。


「旋……お前か。」




その男はゆらりと姿を変えた。

緑髪が映える可愛い女の子。

姿形を変えられる、天から生まれた《風そのもの》。比喩表現ではなく、風という存在の概念が人の形になったのが彼女なのだ。

そんな不思議な存在である彼女と焔が知り合った理由はおいおい話すとして。


「お前なんでここにいんだ……ついてこないんじゃなかったのか。」


「そうは言ったけどさぁー、やっぱ可愛い可愛い焔ちゃんを見てたら一緒にいたくなっちゃって」


「お前なぁ……」


「旅は道連れっていうじゃーん!」


ベタベタと纏わりつく旋を引き剥がしながら、焔は歩き始める。


「目的地はー?」


「ここから七日ほど走る街だ。近頃戦争があった。」


「あー、あそこ。街の長がやな人だったって言う話だし、かなり民間人も巻き込まれたって話ねー」


国としての機能が果たせてない面もあってこの世界では街一つ一つに国のように長が存在している。だからこそ、街間での戦争も茶飯事であるのだ。


「だから、オレが行くんだ。」


「人助け。好きよねー焔ちゃん。」


焔が旅をしている理由はこれだ。

戦争に巻き込まれた人たちをその後の脅威から救う。

戦争が頻繁に起こる世界だ。当然、火事場泥棒というものは少なからず存在している。

そういう輩から身を守り、近くの村や街まで届ける。

そんなことを無償で繰り返しているのだ。

見返りも求めずに。


「でも、次の街だと苦労するかもね。」


旋がニヤニヤと笑いながら焔を見やる。


「もともと、年齢の低い奴隷がたくさんいたって話よ。生き残っていたとして、助けた後、どうするつもり?」


「奴隷産業で栄えていた街か。そりゃ、他国の反乱も起きるねぃ。」


焔は宿屋に向かって歩き出しながら、旋に聞こえる程度の小声で言った。


「人間ってのは……」


「人助けしてる焔ちゃんが人間を諦めちゃダメでしょ?アタシは好きよ。人間のそういうとこ。」


「……お前は楽しけりゃそれでいいだけだろが……」


ふっ、と笑いながら旋の頭を叩く焔。


「ふふっ、これくらいがちょうどいいのよ。考えすぎはよくないわー」


そういうと彼女は風の中に消えて行った。

焔はそのまま宿屋まで行くと、一通りの準備を終え、次の街に対する意識を深めながらも、浅い眠りについた。




次の日の朝、窓から入る日光で目を開ける。

軽く体操を行う。街での滞在は出来る限り短く、そうすることで顔を覚えられずに済む。

ただでさえ目立つ赤髪だ。変える気は無いが、悪目立ちする必要もない。


「よし……行くか」


おばさんに礼を言い、多くなった荷物を持って街の外へ向かう。

門の兵士に別れを告げ、停めてあったバギーに荷物を積む。


「さて……どうなってるかねぃ、七日……耐えてくれるといいが。」


戦争が終わって路頭に迷った人たちが魔物や賊に襲われないことを祈りながら、焔は一路、バギーを走らせる。






「…………」


崩れた建物の中に女の子が1人いた。

もともと酷い場所だったから汚物の匂いや生ゴミの匂いが充満している。

その中から食べれる物を探している。

生きるために。


「ん……」


身体はまだ衰弱していない。

自慢だった綺麗な水色の髪は、薄汚れてドロドロ。

纏う服もなく、布を巻いただけ。

それでも彼女は生きたかった。


「…………しにたくないよ……」


近くから足音が聞こえると、すぐに身を隠す。

魔物かもしれない。

もっと言うなら……人間かもしれない。

人間は怖い。先ほども攫われるところだった。

彼女はもともと奴隷だった。

しかし、奴隷らしからぬ美しい容姿に豊満な身体があったおかげか、優しい富豪に飼われ、動物とまではいかないそれなりの奴隷生活を過ごしていた。

奴隷とはいっても、彼女の場合はその美しさを自慢するための奴隷だったため、生活には自由があった。


「……ご主人様……」


主人は奴隷商のなかではまだ優しい男であった。

彼は宝石のように彼女を育てた。実際に他の奴隷からは宝石ちゃんと呼ばれるほどに。

しかし、奴隷の反乱が起きた。

奴隷商は例外なく殺され、街は火の海に沈んだ。

彼女は奴隷とはいえ特別扱いだ。奴隷からは妬みの対象となっていた。

だから。

捨てられた。

惨めに。

救いなんてなかった、主人と過ごす生活に苦痛はなかったが、それでも親の元へ帰りたかった。奴隷が反乱を起こしたと聞いた時は心が踊った。両親に会えると思った。


でも。げんじつはそうはいかなくて。


両親は主人にすでに殺されていたのだそうだ。

そう笑いながら、仲の良かったはずの奴隷のおじさんはどこかへ行ってしまった。


辛かった。

泣きたかった。

でも、だからこそ

生きたかった。

まだ、生きていたかった。


瓦礫に潜んで何日になるか。

幾つの夜を越えたのだろうか。

助けを期待して、ここにいるしか生きるすべはない。

そうしていると、近くに車のエンジン音が鳴り響いた。

彼女はまた瓦礫に潜んだ。

助けてもらうしかないのに、見つかるわけにはいかないなんて。なんて矛盾だろう。

息を殺して、耐えた

しかし、足音はどんどん近くなり、彼女を隠す瓦礫を退けた。

彼女はすぐに小さな石を投げつけ、怯んだ隙に逃げ出そうとする。

が、腕を掴まれた。


「安心しろ。もう大丈夫だ。」


その言葉に思わず振り向いた。

後ろの太陽に負けないくらい、真っ赤な髪をした女の人だった。




パチパチと焚き火が音を立てる。

この辺の気候は、雪国に比べれば暖かいが夜は肌寒い。


「……名前はあるか?」


焔は目的や状況をある程度説明した後、それを聞いた。

名前はこの世界においてとても大切なものであり、生を受けた時親から与えられるものである。

しかし、奴隷には名前がない。

奴隷になった時なくなってしまうのだ。

当然、少女には答えることはできなかった。


「そうか……なら、その綺麗な髪の色にちなんで、雫……ってのはどうだぃ?」


「……?」


少女には焔が何を言っているのかわからなかった。

しかし、焔は笑って続ける。


「名前だよ名前!呼び名がないと不便だろぃ!」


少女は驚いた。

先ほども説明した通り、この世界では名前とはとても大切な意味を持つ。一度消えたそれをまた定め直すというのはとても良くないことだと言うのが常識だった。


「オレは焔。お前は雫。なんか姉妹みたいでいいだろぃ?」


焔は少女……雫に温めたスープを渡しながら、微笑んだ。


「しずく……」


手渡されたスープの温もりを確かめるようにゆっくりと飲みながら、雫はニコリと微笑んだ。


「さぁ、雫。明日になったら近くの町に」


「姉さん。」


「……は?」


突然の雫の発言にさすがにびっくりする焔。


「姉妹なんだろう?姉さんと呼ぶのは変ではないじゃないか。連れてってくれたまえ。姉さんの旅に。」


「いーんじゃない?」


ほぼ無音でその場に旋が姿をあらわす。

その顔はわかりやすいくらいニヤニヤとしていた。


「……誰だい?」


「旋だよ。ただのバカだ。」


焔は呆れた顔をしながら、スープを飲み干す。

同じように雫もまた、スープに口をつける。


「なぁによぉ〜!可愛い子が旅路に加わる!最高じゃないのよ!」


くねくねと身をよじらせる旋。

それを見て、大きなため息をつく焔。


「……旋、すまねぇが見張りは頼む。」


「いいけど。もう遅いかもよ。」


言ったが早いか、銃声が響き焚き火が弾け飛ぶ。

焔は瞬時に雫を庇い、臨戦態勢を取る。

旋は当然のように消えてしまった。




「こんなところで焚き火たぁ、なにもんだぁ?」


ボロボロの布をまとった、やせ細った男が三人、銃を構えて歩いてくる。


「……ちっ……」


「おぉ、女じゃねぇか!飯もある!」


男のうち2人がこちらに銃を向け、1人がこちらに寄ってくる。

そのままの勢いで、ローブを破られる。


「へへへ…………やっぱ、自由ってのはいいもんだなぁ!こうやってこんなとこを旅してる女も食える!」


焔の顎を上げながら、ニヤニヤと顔を近づけてくる。

焔は心底嫌そうな顔をしながら、出来る限り顔をそらした瞬間


「ぐっ!?うぁぁぁぁぁ!?」


「手っ!?手がぁぁぁぁ!?」


後ろにいた銃を構えていた男たちの手が落とされていた。

その目の前に二本の両刃剣をくるくる回しながら旋が現れる。


「焔ちゃん、なんでやっつけないのよ」


焔は後ろを振り向き呆然としている男を押しのけながら答える。


「……こいつら、多分元奴隷だ。だからよ」


「そんなことで純潔奪われる気だったの!?」


「そこまでさせる気はねぇよ!!」


「……おじさん……?」


焔と旋が揉めてると、焔の後ろから雫が、男を見て声を出した。


「ボクを……見捨てていった……」


「だ、誰かと思えば特別扱いの宝石ちゃんか……なんだ生きていたのか……あぁそうだ、お前は見た目だけはいいから、高く売れ」


全部言い切る前にその男は吹き飛んでいた。

焔は、我慢ができなかった。

もともとそういう性分である。


「……オレはお前の過去をしらねぇけどよ。1人になってもゴミ漁ってもそうやって生きてるってことは生きるって決めたんだろ?全部抱えて生きるって決めたやつを後ろから指差しやがるやつはぶん殴る。」


さぁて寝よ寝よと言いながら焔はバギーの運転席に戻る。

男は完全に伸びてしまった。

雫は嬉しそうに焔に寄り添うとそのまま眠りについた。


「さぁて、あとはアタシのお仕事かしらね。」


腕をなくし、出血しすぎで顔を青くして気絶している2人と焔のパンチで伸びている男を空中へ浮かして、そのまま彼方へと飛ばした。

運が良ければどこかの町に落ちるだろう。


「ふふ……焔ちゃんもだいぶ優しくなったわね……」


そう呟いたあと、旋は風へと消えていった。




一台のバギーが土煙を上げながら荒野を走っていた。赤い髪の運転手と、隣の水色の髪が美しい少女は時折笑いながら次の街を目指していた。


「ははっ……ところで、いまどこに向かってるんだい?」


水色の髪の少女・雫は当然の疑問を運転手にぶつける。


「んー、特に予定はない。適当に次の街行って情報集めってとこか。」


赤髪の運転手・焔は前を向いたまま疑問に答える。

そうしていると、バギーに並走するように緑色の風が吹いた。


「焔ちゃん、次の街なんだけど。」


「……どうした。」


旋がわざわざ走行中に声をかけるというのは、かなり深刻な場合のみだ。

そもそも気まぐれな彼女が見返りも求めず情報を寄越すのは危険が伴うか緊急の話だけだ。


「次の街なんだけど、三年前くらいから長が神がかり的な予言をするって噂だったからちょいと調べたのよね。そしたら……」


「……なんだよ」


一瞬口ごもった旋を焔は訝しむように尋ねる。


「……囚われてたの。女の子が1人。どうやら予言はその子の力みたい。」


「なるほどな、利用されてるってことか。」


バギーのスピードを上げ、焔たちは次の街へ向かう。






「爺さーん婆さーん、税の徴収に来たぞー。」


ほとんど耐久力のなさそうな鎧を着込んだ気の良さそうな青年が、街から少し離れたところにある小さな家の扉を叩く。


「あらあら、いつもここまでありがとうね」


扉が開き、優しそうなお婆さんが顔を出す。


「アンちゃーん、持ってきてちょうだい」


「はーい、ばあちゃん」


アンと呼ばれた肌が日に焼けた健康的な少女が、銅貨がたくさん入った袋を持ってくる。


「はい!これでしょ!」


「おお、ありがとう。……大きくなったねアンちゃん。」


青年は袋を受け取り、鞄に入れる。

そのあと、少し嬉しそうにアンの頭を撫でる。


「へへー、なんたって成長期だからな!」


アンも嬉しそうに青年の顔を見上げる。


「街に来てくれないから、一年に一度しか会えないしね。アンちゃんが婆さんたちに拾われたのって三年前だっけ?」


「ええ、そうよ。手がかかるけど、私たち夫婦には子供がいなかったから……喜んでお世話させてもらってるわ。」


青年はそれを聞いて嬉しそうにしたあと、すこしだけ深刻な顔でお婆さんを見た。


「長様が政治を間違えなくなったのもその辺りからか……圧政を強いるわけじゃないからいいんだけど……なんかやな予感がするんだ。婆さんたちも気をつけてな!」


青年は袋を背負い込むとそのまま街の方へ歩いて行った。




真っ暗な部屋に蝋燭が沢山灯っていた。

その炎の光に、銀髪が照らされる。

彼女は籠の中。身動きできない籠の中。


「……あ、蝶々……」


何処からか迷い込んだか、蝶がひらひらと彼女の籠の前を舞う。

しかし、その美しい蝶は蝋燭の炎に魅せられ、燃え尽きてしまった。

彼女はそれを見つめるしかできなかった。


「……おい、次の未来は見えたか」


突然正面の扉が開き、若いが年の割には豪華な装飾を着込んだ男が入って来る。

男は籠の柵の間から手を伸ばし、少女の髪を掴むと手前まで引っ張った。


「あっ……うぅ……!」


「早く言え。神託を。」


男はまるで物を見るかのように少女を見下す。

少女は必死に言葉を紡ぐ。


「……隣町の長が、最近裕福になったこの町を狙って準備しているようです……こちらに進軍してくるのが見えました……」


言い終わると、男は髪を離した。


「なるほど……ならば先手必勝。先に潰して仕舞えばこちらのものだ。」


男は満足げに部屋を出て行く。

少女は激痛がする頭を抑えて、その場にへたり込む。


「もう……いや……」


その時彼女に景色が見えた。

それは彼女が希望を持つには十分すぎるものだった。


「……あぁ、やっと……出られる……」




一方その頃、焔たちは街へ向かう途中の林の中で、悪道に四苦八苦していた。


「ちっ、タイヤが泥濘にはまったかと思ったら、お次は魔物かよ。しちめんどうなこって。旋、頼んでいいか?」


焔はいくらアクセルを踏んでもタイヤが空回りするバギーを動かすために降りる。


「ほーい。」


5、6匹はいるだろう、まるで狼のような魔物を宙へ浮かせた二本の剣を操り牽制する。

自由に飛び回る剣相手では流石の魔物も寄り付けない。


「よっ……せっ」


焔はその怪力をもっていまだに助手席に座っている雫ごとバギーを持ち上げる。


「おお、これはこれで楽しいね」


「いいからおとなしくしてな」


下を見下ろし笑う雫に、少し呆れ顔の焔。

無事に道に戻し、また走り直す。


「サンキューな、旋」


「いいのよー。じゃーね、魔物さんたちー。次からは喧嘩売る相手を考えなさーい。」


旋が操る剣相手に手も足も出なかった魔物たちを放置して、彼女たちは一路、次の街を目指す。




「あのね、夢を見るの。閉じ込められた女の子の夢。」


アンは沈んだ顔をしているところをおばあさんに尋ねられ、恐る恐るだがそう答えた。


「綺麗な銀色の髪をしてる、妖精みたいな子なの。助けて、助けてって言うんだけど私はどうしたらいいのかわからなくて……」


「アンはどうしたいの?」


夢の話ではあったが、お婆さんはアンのその言葉を一蹴したりはしなかった。

優しい笑顔で聞いてくれたのだ。


「私は……助けてあげたい。よくわかんないけど、その子とはずっと昔から一緒にいた気がするんだ。」


「……あのね、アン。貴女が捨て子だって言うのは、もう話したわね?」


お婆さんが突然真剣な表情で話し始めると、家の奥からお爺さんも出てくる。


「婆さんや……」


「時が来たのですよ、お爺さん。」


お婆さんは、戸棚の引き出しから黒く装飾されたナイフと手紙を取り出した。


「貴女が捨てられていた籠に入っていたものです。……読みますよ。」


『この手紙を読んでいる方へ。私の娘を拾ってくださりありがとうございます。』


「……!」


アンは本物の母からの手紙だと言うことを理解すると体を強張らせた。


『私は常に追われる身です。この子たちの為にも手放すのが一番かと人が通りやすい道に捨てました。薄情な母だとは思いますがこれしかなかったのです。私は魔女と呼ばれる存在です。この世界の禁忌に手を出した憎まれる存在。その禁忌とは……』




『神との、愛執です。』



『神とは崇拝すべきもの。下々の民が手を出してはいけないものです……しかし、愛してしまった。彼も愛してくれた。たとえ魔女と呼ばれようと後悔はしていません。ただ、過酷な運命を背負わせることになってしまった我が子たちのことだけが唯一気がかりなのです。私と同じ、いや、それ以上に愛してくれる人の元へ行けてますように。』


お婆さんは手紙を読み終えると、その手紙をまたしまい直し、ナイフとともにアンへと渡した。


「……この……ナイフは……」


アンは手紙とナイフを見つめながら尋ねる。


「貴女のお母様が魔力を込めたものらしいの。売ればいいってかいてあったけど……この時のためのものよ。巣立ちの時が、来たの。」


アンは少し下を向いていたが、突如何かに気づいたように立ち上がった。


「……!たち!この子……たちって!私のほかに誰か!?」


しかし、お婆さんは首を振る。


「拾った時には貴女しか居なかったの……。でも、確かにいたはずよね。」


「夢の……夢の人だ!何処かに……囚われてるんだ!」


彼女は立ち上がって、お婆さんの用意していたリュックを担ぎ、ナイフを懐に忍ばせた。


「お婆さん、お爺さん!私、そこの街にいると思うの!だから……」




「いってらっしゃい。」


「気をつけるんだよ。」


2人は優しい言葉で送り出す。

その力に押され、アンは勢いよく飛び出していった。




街では、戦争の準備が始まっていた。

突然の町長による命令により、兵士達は困惑しつつも動き出していたのだ。


(こんな状況じゃ、私が町に入れてもらうなんてできないよね……)


街へ入るための門の陰で考えるアン。

と、そこへエンジンをふかしながらバギーが一台。門番がそれを止める。


「止まれ!何者だ!」


彼の口調はいつも以上に荒々しい。

それもそうだ。町全体がピリピリしているのだから。


「旅のもんだ……何かあったのかい?」


焔は言葉を選びながら、返答をする。


「……それには答えられない。所有物を確認させてもらう。」


「……ま、やましいもんなんてねぇからいいけどよ。この剣だけは勘弁してくれよ。旅をしてるんだ。武器は必要でね。」


とはいいつつも、ここ最近一度も抜いてない黒く染まった両刃の剣を鞘ごと掲げる。


「……一時預かりとする。」


「そこが妥協点かねぃ。」


どこぞのスパイに間違われることはなかったが、やはり武器は取り上げられた。


(チャンスだ!あの車の荷台に隠れよう!)


アンはこっそりと焔達のバギーに乗り込むと息を潜めた。


(やば……水色の女の子と目があっちゃったかも……)


焔が門番との話を終え、ゆっくりとバギーへと戻ってくる。


「……よし、じゃあ中へいくぜ、雫。」


「……あぁ、旅は道連れって言うしね。安全運転で頼むよ、姉さん。」


「は?どした突然……まぁ、いいか。」


一時的に、と、その町のシンボルマークが描かれた旗をバギーに掲げ、焔達は町の中へと進む。

ちなみに途中から雫はずっとニヤニヤしていたとか。




所変わって、薄暗い闇の中。

彼女はいつもよりとても顔色がよさそうに見えた。


「おい!旅人が来たらしいが……何も見えてなかったのか!?」


町の長が乗り込んでくる。

かなり慌ててる様子だ。

彼女は目を瞑りながら、答える。


「未来には……見えなかったです。つまり……貴方様の道に影響は……ないと言うことです。」


彼女の言葉を聞き、長は安堵する。


「ならばいいが……なにか変わったことがあったら逐一聞きにくるからな。」


「あぁ、ならば一つだけ。」


去ろうとする長を呼び止める。


「此度の戦……長自ら出られないと……おそらく負けます。」


「なぁにぃ?」


長は訝しげに彼女に近寄る。

檻から首につながった鎖を引き、またその長い髪を引っ張る。


「うっ……」


「私に出ろなどと……」


「長の……出陣はそのまま士気に関わるの……だから……」


「ちっ……」


長は髪を離すと、そのまま部屋を出ていく。


「神託ならば仕方あるまい……」


長が出て行った後、彼女は独り喜んだ。


「やったっ!やったっ!……初めて嘘ついちゃった……これで奴は……死ぬ。そして私は……」


小さな小さな笑いを堪えきれず、漏らしてしまう。

それを見つめるかのようにひゅるりと風が吹いた。




「さぁて……人探し始めますか……」


バギーを宿泊場所の近くに止め、一度伸びをする焔。

旋の言う囚われてる子がどこにいるのか。

そして、どのような状態なのか。探らなければならない。


「戦争っつーのはラッキーだったな。お陰で街全体の警備が手薄になる。ま、怪しい動きがバレれば一発アウトだがな。」


「でも、姉さん。長が捕えてるんだろう?だったら場所はある程度絞られてきそうだけど。」


「それも含めての現地調査ってやつだ。まぁ、とは言っても今回はあいつのお願いだし、そろそろ……」


2人が話しながら歩いていると、目の前に旋が現れた。


「ハァイ。」


「来たか。案内してくれ。」


旋の案内の通り焔達は街で一番大きな建物、長の家に着いた。

話を聞くところでは、どうやら地下室に閉じ込められているそうだ。


「戦争前だからな……警備が厳重だ……」


やはり侵入者対策は万全。

正面からの突入は力任せにできても、町から出ることが困難だろう。


「……あ、でも待ってくれたまえ姉さん、あれをみてくれ」


雫が指差す先には、数人の武装した兵士に囲まれ家を出てくる男がいた。

彼は周囲を警戒しながらも、そのまま車でどこかへ行ってしまった。


「あれは町長か……?ならチャンスだな。」


とは言え、焔は隠密行動が得意ではない。

当然のように旋が先行し、入り口を守る兵士2人を気絶させる。


「一時的に肺の空気を奪っちゃえば一瞬で意識飛ぶからね」


「説明ありがとう」


家に侵入し、そのまま出会う兵士を出会い頭、気づかないうちに気絶させながら旋の案内通りに地下室へ向かう。


「無事か!」


厳重な扉を力任せにぶち破り、部屋に突入する。


「おま、お待ちしておりましっ……」


舌を噛み、すごく恥ずかしそうな女の子が檻の中に居た。

焔は檻の柵をひん曲げ、彼女を外へと出す。


「名前は?」


「名はありません。」


彼女はさも当然のように答えながら、折れ曲がった柵の一本を拾った。


「でも、そこの女を殺せば……名を得ることが、1人の人間として生きることができます。」




彼女が指差した先には、侵入してきた焔たちにこっそりと着いてきていた黒髪の少女が居た。


「誰だ?」


「あ、アンと言います……着いてきててごめんなさい。でも、私も助けたくて……」


「私を助けたいのなら今ここで死んで。」


彼女は駆け出し、アンに鉄柵を振り下ろす。

アンはそれを軽くよける。


「避けないでよ!私を……私を見捨てたくせに!」


ブン、ブンと振り回されながらもアンを攻撃する。


「ち、違う!知らなかったの!私は……」


「そんなの関係ない……あなたは幸せに生きた!もう充分じゃない!私たち双子は一つの力を分け合って生まれた……だから、どちらか片方が死ねば力はなくなる!あなたさえ殺せば私は……!」


彼女は鉄柵をまた振り下ろす。

言われたことにびくりとしてしまったアンは避けるのが遅れ……


「まぁ待て。」


焔が横から鉄柵を掴み、止める。

彼女はもう一度振り下ろそうと鉄柵を上げようとするが、焔の力には敵わず


「なんで……なんで邪魔するの!?」


「理由は読めないが、目の前で子供が喧嘩してたら止めるのが大人ってもんだ。」


鉄柵を彼方へ放り投げ、彼女と目線を合わせる。


「話して見な。」


「……こいつと私は……双子の姉妹……。神と魔女の合いの子。2人の力はすこしずつ能力として私たちへ受け継がれたの。だから、……でも、私に芽生えた能力が……」


「未来予知……一定の範囲内の未来における事象を観測することができる使いようによってはかなり危険よね」


旋が、言葉を引き継ぎ能力を説明する。

彼女は頷きながら、話を続ける。


「それに気づいたあの男は私を飼うことを決めた。……赤ん坊だった私がなぜそんな能力を持っているのかわかったのかはわからないわ……。でも私は拾われ……そいつは優しい人のところへ行った。……能力さえ失えば奴は私に興味がなくなる!自由になれる!私は……!!」


「落ち着け。」


焔は暴走しそうな彼女の頭を撫でる。


「そんな奴が、能力を失っただけで全てを知っているお前を自由にするはずがない。殺されるのがオチだ。」


「……。」


「死ぬのは嫌だろう?」


言葉を紡ぐのは雫。

死の間際を経験した上で生きることを選択した雫だからこそ、その言葉は重い。


「……私たち……」


アンが突然、彼女の手を取った。

あまりにも突然のことに彼女は反応が遅れる。


「私たち、双子なんだよ。2人で1人なんだ。どちらかがいなければ存在できない。……一緒に生きよう。」


アンは笑顔でそう言った。

彼女は呆気にとられ、ぽかんとしている。

しかし、焔も雫も、その言葉に納得し頷く。


「ならまずはここから出ましょ。面倒なことになる前に、ね。」




旋が、先導しようとドアを開けた瞬間


「ふん、怪しいと思ったらそういうことか」


その先には、武装した精鋭を引き連れた町長が立っていた。


「な……んで……」


「普段とは様子の違う貴様を見て俺がなんでもそのまま鵜呑みにすると思ったか」


驚愕する彼女に蔑みの目を向けながら町長が話す。と、同時にさらに複数の精鋭がぞろぞろと部屋に入り込んでくる。


(見える範囲で銃持ちが4……剣持ちが6……ここは入り口は一つだ……おそらくは外にも複数いるんだろう)


焔は持ち前の戦闘のカンで単純な戦闘のみでは不利であることを把握する。

……旋を頼るのはできないか?

彼女を頼れば確かに瞬く間に周辺の戦闘員の動きを止めることができるかもしれない。

焔はちらりと旋を見るが、旋はこちらを見たあとなにかを訴えるように首を少しだけ振った。


(……場所がよくない……地下の閉鎖空間だ。綺麗な空気なんざねぇ、旋の自由に動ける場所じゃあない……だとすると……)


焔はみんなの前に立つと、両手を挙げた。


「……こちらは武装してない。すこし話し合えるか?」


「勝手に侵入した余所者供と話す口は持っておらんな。」


町長がそういうと、周りの兵が剣を焔に向ける。

一糸乱れぬ統率、かなり訓練を積んでいるのだろう。


「あらま、そうかぃ」


焔は諦めたように両手を下ろす。




勝ちを確信した町長は不敵に笑いながら焔に近づく。


「くく、なかなか美人じゃあないか、そこのガキ共もなかなかの上玉だ。まとめて飼ってやろうか?」


「…………。」


焔は黙ったまま、しかし、鋭い瞳で睨みつける。


「おぉ、怖い怖い。……縛り上げろ。」


町長は兵に5人を拘束させようと、ふと後ろを見た。

瞬間、焔は町長の首を捕らえ、そのまま地面にたたきふせる。


「ぐぁ!?」


「動くな!こいつがどうなってもいいのか?」


焔は町長のクビをいつでも撚れるようにしたまま、周りの兵に警告する。

兵は当然怯み、剣を下げる。


「……こいつ、気絶したな。口の割に脆いやつ。……そこを退け。」


入り口周辺の兵を退け、揃って外へ出る。

周りの兵から舌打ちやら溜息などが聴こえてくるが知ったことではない。


「ん、ここまでくればアタシも好調よ。」


言うなり、旋は風に消え、取り囲んでいた兵の武器は全て空へと吹き飛んで行った。


「じゃあこいつもいらねぇな」


焔はそういうと、町長をそこらの兵へぶん投げた。町長は兵にぶつかり、共に吹き飛んで行く。

そうして彼女たちは屋敷を抜けたが、


「やつらが出てきたぞ!構え!」


そこには、大量の銃を構えた兵がいた。

旋に頼り武器を取り上げるのもできるが、それをすると後ろの3人を守りきれない。


「外にもしっかり居たとは……ま、しゃーねぇな。旋、こいつら守っといてやってくれ」


焔は拳を鳴らしながら、一歩前に出る。


「なぁにもう、暴れるの楽しんでない?」


旋が顔だけ近くに出して呆れたように言った。


「へへっ」


言うや否や飛び出し、1人目をぶん殴る。

周りの兵は気づくのが遅れたが、その瞬間に銃を放つ。

焔は自分を狙った銃弾を手で掴み自らを守る。

3人を狙った銃弾は、旋が空気の壁を作り目標まで届くことはない。


「おぅらっ!」


そのままの流れで数人を殴る。

リロードには数十秒かかる旧式の銃だ。

数多の戦闘を近接のみで駆け抜けてきた焔には十分すぎる隙だった。

一人一人殴り倒して行く。が、やはり精鋭たち。

銃が間に合わないことを悟ると、剣に切り替え切りかかってくる。


「よっ……なかなかやるじゃねぇか」


剣戟を避け、反撃をするが旋たちの方へ向かっていく兵を止められなかった。


「あちゃー、薄めだから剣は通るかも」




振り下ろされた剣は空気の壁を貫通し、そのまま少女の頭へと向かうが。


「はぁっ……はぁっ……」


アンが構えたナイフで止められた。


「この子は……殺させないから!」


「君……」


驚いた表情の少女に、アンは振り返って輝く笑顔で言った。


「ね、私がアン、闇だ!だから、あなたはひかり!光って呼ぶね!」


「ひ、光……あなたが……闇で……私が光……?」


アン、いや闇は兵を吹き飛ばした後、光の手を掴みまた微笑んだ。


「そう、表裏一体。共に行こう!」


「……うん、あなたの未来……私が保証してあげる。」


光は涙を流しながら微笑んだ。

それを跡目に必死に木の棒を振り回して出来る限り近寄れないようにしていた雫が叫んだ。


「感動的な話は結構だが、早くなんとかしてくれたまえ!!ボクは非戦闘員なんだ!!」


木の枝は簡単に折れた。

折れた木の枝が地面に落ちると同時に。

闇は兵の鎧をナイフを使い軽々と剥いでいく。その身のこなしは素早く、訓練された兵士たちでさえ捉えることが困難な上、こちらの行動、対応を全て予測されたような動きをするのだ。兵士たちにはどうしようもすることができない。


「えっ……と、旋さん、雫さんをお願いします。光は私が!」


「わかったわ、気をつけてね。」


旋は広範囲に展開していた空気の壁を雫ひとりの周りにすることで剣をも通さない厚さを保つ。


「くっ、先程から……これは魔法か!?この水色の女は魔術師だとでも言うのか!」


「馬鹿な!魔法などと言うものは魔術協会の連中くらいしか使えまい!何かトリックがあるに決まってる!」


兵士たちは雫を狙うが全ての攻撃は通用せず、ただただ恐怖を煽ることになる。


「おらぁ!……無事みてーだな、バギーまで走るぞお前ら!」


焔が囲んでいた兵士を片付け、雫たちの元へ戻り、その後、走り始める。その声を聞いて、闇や光も了解と返事をし、焔を追って走り始める。


「くっ……追え!逃すなぁ!」


ようやく気がついたのであろう町長が、屋敷から出てきて叫ぶ。

しかし、重装備をした兵士たちである。

どうあがいても焔たちには追いつくことはできなかった。




「よし。……どうした?乗らないのか?」


焔はバギーを動かす準備を終わらせ、走る体制に入ったが、闇と光を見て尋ねる。


「一緒に行って……いいの?」


光は嬉しそうに応えるが、闇はすこし陰った顔をしていた。


「おばあちゃんたちが……」


「心配するんじゃあないよ。私たちは大丈夫。気をつけてお行き。」


どこからか闇に声がかかる。

近くには誰もいなかったが、その言葉を聞いて闇は前を見据えた。


「これからよろしくお願いします!焔さん!」


その言葉に焔はニヤリとしつつも、力強く答えた。


「おう!」


バギーはまた荒野を走って行った。

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