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血液型 男女8人物語作っちゃいました

作者: 月華  雫

秋の到来です。ふっと気がつくと蝉の鳴き声が鈴虫の鳴き声に変わっていました。

やはり、季節が移り行く姿は最高です。

人も好きです!一つの命の中に、沢山の思いや感情がある人が好きです!


さて、これからお話する物語は、実在はしません。

実在しない物語の事をフィクションといいまして、いくらか思い当たるところがございましても、決して自分以外の人を決め付けずにご覧いただけたら幸いです。


それぞれの血液型の登場人物がでてきますが、あえて物語の最終に血液型をお知らせします。



高校を卒業して、卒業旅行に行くことになった女子グループ。

行き先は京都だった。性格は違ったが、ソフトボール部で四人は仲良しだった。

そんな四人は京都で、同じく四人グループで旅行に来ていた男子達に巡り会う。

はたして、何が起こるのだろうか?

お楽しみです。



咲千(さち)「ねえ、楽しみだよね、京都行き!修学旅行以来だよ」


湖都音(ことね)「そうだよね、修学旅行では温泉も素敵なホテルも京料理も味わえなかったからね~」


由梨(ゆり)「うんうん、私なんてあの時、途中で熱がでてしまったから、くたくたで帰ったの覚えてるよ」


愛美(まなみ)「明後日か~、早く帰って準備しなきゃ!」


由梨「えー、まだ準備してないの?私なんてもうとっくに出来てるよ」


咲千「愛美って、結構前もって準備とかしてそうなのに・・・・・・」


愛美「う・・・・・ん、ちょっとね、色々急がしくって」


湖都音「まあ、とにかく!楽しみだよね~」


「うんうん」四人は首を上下にして頷いた。


愛美と湖都音は同じ方向だったので歩いて駅まで行き、家路へと向かっている。


愛美「ねえ、湖都音、どう思う?さっきの、由梨の言い方?いつも、そうなんだよね。私ばかりに突っかかるっていうか、攻撃的と言うか・・・・」


湖都音「う、うん。あっ、でも、私にも結構きついのくるよ。パンチだけで、ノックアウトはまだないけどね」


愛美「由梨と違う大学で少しほっとしてんだよね」


湖都音「う、うん。そうなんだ・・・・」


愛美「あの、ストレートトーク、少しは気を遣えばいいのにね!」


湖都音「うん、そっそうかな、いや、だねっ!あっ、でも最後の旅行かもしれないから楽しもうね」


愛美「えっ、まあ・・・・うん」



さて、四人が解散した後、咲千は家が近かったので自転車で帰った。

由梨も歩いて数分だったので一人で家路に着いた。



京都旅行スタート!


愛美と湖都音は駅で待ち合わせをしていた。

その後、由梨と咲千と東京駅で合流することになっていた。


湖都音、十分遅刻。


愛美「おはよー湖都音、遅いぞ!」笑顔で言う。


湖都音「ごめんなさい~、ふぅ~ふぅ~」ドテッ!愛美の前でこけた。


愛美「大丈夫?怪我はない?息もきれてるし、少し休む?」


湖都音「ううん、大丈夫!本当ごめんね」


愛美「それじゃあ、咲千と由梨が待ってるかもしれないから急ごっか!?」


湖都音「うん、本当ごめんなさい!」


愛美「いいよ、そんなに謝らなくても、とりあえず、大丈夫なら行こっ!」


湖都音「うん、ありがとう」

(愛美は優しいし、言い方がソフトだから救われるよ)


二人は電車に乗った。集合場所は東京駅の、中央のインフォメーションの前にしていた。


フォームの中へ二人は足早に入る。


咲千と由梨はそれぞれに来るようになっていた。


東京駅に到着した愛美と湖都音は、スーツケースを転がし走って待ち合わせの場所まで行く。


すでに、愛美と湖都音が到着する三十分前には、咲千と由梨は来ていた。


愛美「いたいた」


遠くに見える、咲千と由梨に手を振る湖都音。


四人が合流。


由梨「遅い!集合場所に八時って言ったのに!十分も遅刻だよ」


愛美「ごめんね」


湖都音「ごめんね、私が待ち合わせの時間に遅れちゃったの」


由梨「いつもだよね~!湖都音は!だから、余裕もって待ち合わせしたの正解だね」


しーん。とする四人。


咲千「行こっか!遅れるよ」


由梨「うん、そうだね」


愛美、湖都音の耳元で囁く。


愛美「ねっ、きついよね~、ノックアウト!」


湖都音「ううん、私が悪いから・・・・ノックアウトじゃないよ、遅刻ばかりだよね、私・・・・由梨はね、そのままその通りのことを言ってるだけだよ」

途中から呟き声になる。


なので、愛美には聞こえていなかった。湖都音は由梨に叱られた事を気にしていない訳ではなかったが、心の隅に入れてし舞い込んだ。そして、心で呟く。

(私がいけない、あ~、いつもだ~!今度からは気をつけよう・・・いつもそう思っているのに!顔は笑っていても、心はへこんでるのよ)


東京駅から京都駅までの、新幹線に乗り込む。


由梨と咲千、愛美と湖都音で座った。


咲千「由梨、見てみてー、こ~んな所に足が置けるよ」


由梨「あっ、本当だ。足が浮腫(むく)まないからいいね」


咲千「さてさて、少し寝てもいい?一晩中喋りたいからね」


由梨「一晩中?次の日の観光に差し支えるよ」


咲千「う、うん。大丈夫!・・・・きっと大丈夫」


由梨「体調悪くならないでよ、せっかくの観光なんだからねっ!」


咲千「う、うん!任せて!」

(って、由梨がいつも体調悪くなるんじゃない!ぷんぷん)


とりあえず、目を瞑り眠りにつく咲千。


後ろの席の愛美と湖都音。


愛美「ねえ、パジャマ持ってきた?」


湖都音「ううん、浴衣あるって聞いたから」


愛美「私ね、念の為に持ってきたんだ、これこれ、可愛い?」

鞄からパジャマを取り出す。


湖都音「可愛い!どこで買ったの?」


愛美「通販、ネット通販だよ、安かったんだよ」


湖都音「いいね、本当に可愛い!あっ、これ食べる?」

リュックから、チョコレートを出す。


愛美「えっ、う、うん、ありがとうね」

(本当に可愛いって思ってる?)


湖都音「他にも沢山お菓子あるからね」


愛美「えっ、あっありがとうね」

(それにしても、鞄の中はお菓子で一杯だ~)


湖都音「ねえ、由梨、咲千!お菓子食べる?」

前の席に、顔を乗り出す湖都音。


由梨「しっ!咲千寝てるの」


湖都音「あっ、ごめんね・・・・」


由梨「少し静かに喋った方がいいよ、さっきから、煩いよ!周りの人達、朝早いから寝てる人多いからね!」


湖都音「うん、ごめんね・・・・」


愛美「ノックアウト!」くすっと笑う。


湖都音「・・・・・・・・」かなりヘコむ。

(でも、由梨の言ってることって、結構正しいんだよね)


愛美が静かに、湖都音に声をかける。


愛美「ねえ、到着したら、何か食べようよ」

だがしかし、横を向くと、湖都音はすでに深い眠りについていた。

(早っ!湖都音って、よく寝る子だね)


湖都音(愛美、ごめんね、声は聞こえてるんだけど眠くて返事をしたくないんだ)と、思ってるうちに熟睡する。


愛美は手持ち無沙汰だったので、スマートフォンを取り出し、友達にラインを送り始める。


由梨はというと、京都のガイドブックを広げて、観光する場所を念入りにチェックしていた。


あっという間に京都に到着した。


愛美「湖都音!咲千ー!起きて!後少ししたら到着するよ」


由梨「楽しみ~、テンション上がるよね」


愛美(あなたに下げられっぱなしですけど・・・・)顔が曇る。


咲千「さぁ、出口へ行こっか?」


「うんうん」三人同時に首を上下する。


咲千がスマートフォンで何かを調べている。


由梨「えっと、南口から出てるバスに乗ればいいんだよね」キョロキョロして回りを見る。


咲千「こっちだよ~」スマートフォンを片手に手招きする。


愛美「さすが、咲千!スマホで出口を探してたんだ」


湖都音「ねっ、すごいね!」


由梨「私が先に南口って言ってたでしょ、知ってたよ」


湖都音「う、うん。みんなすごいね」

(その通りだよ由梨。でもね、ここは咲千に花を持たせてもいいんじゃない?・・・・・・)


愛美「・・・・・」由梨をチラ見する。

(ストレート過ぎる発言!少し考えて喋ればいいのに)


四人はバスに乗り旅館へ直行した。


愛美「見てー、早くも京都の情緒が溢れてるよね」


湖都音「うんうん、いい感じ!」


由梨「今からよ!こんな景色で驚いてたらだめだめ」


咲千「あっ、そうそう、これ皆に渡しとくね」


愛美「何?えっ、これ、コース表?」


咲千「うん、別にねその通りじゃなくていいんだけど、交通手段や、所要時間や、観光名所なんて分かりやすいかなって思ってね」


湖都音「すごい!さすが咲千!」


由梨「ふ~ん・・・・」

(旅行じゃなくて旅、たびなんだけどね、計画してもいいけど、面白くないじゃん!)


愛美(私もしようと思ってたんだけど、また由梨にダメだしされると嫌だったから作らなかったんだけどね)


湖都音「わくわくするね」

(そっか、コース表か、私も今度から前もって作ってみよっと!)


バスは到着した。


ホテルに、荷物を預けた。

時間は早かったが、ホテルに頼み荷物を前もって預かってもらうようにしていたのだ。


由梨「さあ、今日は嵐山まで行くわよ!あそこは絶対に行きたかったんだ」


愛美「嵐山に到着したらお昼ご飯にしようよ」


二人は賛成のようだったが、一人気に入らない顔をしている。


由梨「お昼ご飯は、嵐山の観光が終わってからでいいんじゃない?」


少し間があった。


咲千「あっ、嵐山に京料理が美味しいところあるんだよ、そこに行かない?」

(仲良くしようよ・・・・みんな・・・私が指揮をとると大丈夫!うん、大丈夫?だと思う!)


湖都音「うんうん、よく調べてるよね、さすが咲千!」

にこにこ。笑顔。

(少し、めんどくさい・・・色々。あーあ、だめだめ、楽しまないと!)


湖都音「ねっ、良かったね、愛美、京料理食べたかったよね」


愛美「う、うん」下を向く。

(かなり限界ですが、由梨!)


荷物をホテルに預けた四人は、またバスに乗り嵐山へ向かった。


愛美「ねえ、人力車が出てるよ、乗らない?ちょっとイケメンのお兄さんだしね!」


由梨「いくらするの?」


愛美「直接聞けばいいじゃない?そんなの!」キツイ口調の愛美。

(やったー!言ってやった!)


キョトンとする由梨。


咲千と湖都音。心で呟く。

(面倒くさくならないでよ、お願いね)


人力車を引くお兄さんに、愛美は声をかけた。


愛美「あのー、すみません!これ何処まで行って帰ってくるんですか?あっ、それと値段はいくらかかるんですか?」


イケメンのお兄さんが愛想よく答えてくれた。

二人で乗ると少し安くなるとの事。


愛美「渡月橋へ戻ってくるんだし、約十二分間くらいだよ、ねえ、乗ろうよ」


由梨(歩けばいいのに!なんで人力車?よくわからないなぁー!)


また、咲千と由梨、愛美と湖都音で別れて乗った。


人力車の中。

愛美「ねえ、言ってやったわよ!」

(かなり、必死です)


湖都音「あ、あっ、うん」


愛美「私が皆を代表して言ってあげたんだよ」


湖都音「・・・・・ありがとうね」

(代表しなくても、別に言ってくれなくても・・・でも少しだけど、心の奥に詰まっていたものがとれたような・・・・・)


咲千と由梨の人力車。


由梨「ねえ、咲千、愛美って何か怒ってるのかな?」


咲千「えっ、いや、そんな風には見えないけど・・・」

(ごめんね、由梨。面倒くさくなるのは嫌だから言わない!)


由梨「なんかさぁ~、妙に突っかからなかった?」


咲千「だったっけ?」

(だから、もういいよ、私は言わないって!)


由梨「なんだかさぁ、こっちが一生懸命、計画してあげててさぁ、これだって歩いて行くって決めてたのに、みんなでね、わいわい話しながら歩きたかっただけなのに」


咲千「そうなんだ!私も、その気持ちよくわかる!歩くのもいいよね。でも人力車も風情があるからいいかもね・・・・・」

(別にどっちでもいいんじゃないかな?やれやれ)


由梨「やっぱり言うね、こういった乗り物は好きじゃないから、これからのプランは私が先頭きるね!」


咲千(・・・・・・あーあ!もうどっちだっていいってんのに!二人とも!私に従えばうまくいくんだから!)


二つの人力車から、四人は降りた。


由梨「ねえ、愛美!やっぱりね、今からはこういった乗り物は使わないようにしようよ、せっかく来たんだから、自分達の足で歩いて楽しもうよ!」


愛美「えっ、うん・・・・・わかった」

(なんで?別にいいじゃない!と思うばかりで、反発することはできないよ、弱いなぁ~わたし)


湖都音「あっ、でもね、楽しかったよね~、私みたいな重たいのよく引っ張るよ、お兄さん達!」

(やめてよ、やめてよ、お願い!喧嘩だけはよしてー)


湖都音(うわっ、愛美、目がうるうるしてるよ、どうしよう)


由梨「さあ、行こう!時間勿体ないからね!」

スタスタト歩き始めた。


湖都音「愛美、大丈夫?」


愛美「うん、ごめんね、大丈夫だよ。でもねもう帰りたい気分だよ」


湖都音は焦った。

(いつも、愛美は自分の思いと違っても我慢するんだよね。それに、由梨は、由梨で、暖かい気持ちがある子なんだよね、何かがすれ違ってるだけなんだよ!うん、きっと)


表情はいたって笑顔の湖都音。でも、心は混乱しかけています。


湖都音「あのね、多分ね、由梨は皆が大好きでね、そして、計画をいっぱいしてね、色々楽しみにしててね、そして、多分、歩きたかったのかなぁ?」

(何言ってんだろう、わ、た、し)


愛美「うんうん、解ってる、ありがとうね」


湖都音(あれあれ、あれで解ってくれたんだ、良かった)


咲千(見ない聞かない、面倒くさくならないでって!)


数メートル前を早歩きで行く由梨。


由梨「早くったら!」

(もう~、京都までせっかく来たんだから、みんな沢山見ようよ~)


とぼとぼ歩いていた三人は由梨の言葉に脳が敏感に反応をして、走って由梨の所まで行く。


由梨「ねえ、ここのお土産やさんね、良いもの置いてるんだ~」


咲千「うんうん?それで、何、良い物って何?」


由梨「じゃ~ん!これだよ」


愛美「うそっ!」ポカンと口を開ける。


湖都音「それ、おばあちゃん所で見たことあるよ」


由梨「そうなんだ、前にね愛美が言ってたでしょ!おばあちゃんに宅にあったのが無くなって、何処かに売ってないかなぁ?ってね」


愛美「由梨・・・・・・そう、片方に肩叩き、そして片方に背中かき」


由梨「でねっ、京都のガイドブックに載ってたんだ、だから、ここまで来るの秘密にしててね、うふっ!」


愛美「あ、ありがとうね、由梨」

(いいとこあるんだ、いや計算?いやいや、この場は、由梨の優しさを素直に受け取るものだよね、私も心が狭いな~)


咲千「やられたぁ~、さすが由梨!イカスね!」

(はぁ~、その役、私もしたかったなぁ~!)


湖都音「本当に良かったね、愛美!」

(ふぅ~、これで、この旅は楽しくなるよ!うんうん、良かった、でも、そんなに愛美のこと思ってるなら、少しきつく当たるの止めればいいのに・・・・)


由梨「ねっ!ねえったら!湖都音、聞いてる?!」


湖都音「う、うん?」

(ひゃ~、聞いてなかったよ)


由梨「いつもなんだから、湖都音は、心ここにあらず。だよね」

(でも、湖都音は天然だから、呆けてるのが妙に面白いんだよね、少し悔しいけど!)


咲千「じゃあ行こっか!」


愛美「ねえ、湖都音、私ね、さっきみたいなことがあっても、普段のことがあるでしょ、だから、なかなか素直に由梨の言葉が受け止められなくてね……いやっ、さっき由梨がしてくれたことはありがたく思ってるよ」慌てて、手を横に振る。


湖都音「う~ん、解るような解らないような・・・・でも・・・・・由梨って、人の悪口言わないし、って言うかあまり聞いたこと無い?かな?」

(まじ、どう答えていいの~、解らないよ~、答えになってないよ!誰か助けて~、私だって、結構傷ついてることあるけど、一緒には由梨の事言えないよ・・・・二人で言うと悪口になっちゃうからね、その後、もっと面倒なことがおきそうだからね!でも、本当は少しだけ文句言いたいよ・・・・でもやっぱり、だめ!もめ事、苦手~!)


愛美「そのぶん、ド!ストレート!ノックアウト!が来ちゃうんだろうね、素直って言えば素直なんだよね」


由梨「ねえ、誰か言ってなかった?京料理食べたいって?」


愛美「それ、わたし・・・・」

(覚えてくれてたんだ)


咲千「はい!ありますよ~、ここ、これこれ、ねっ、美味しそうでしょ!」


愛美「うわ~、素敵!」


由梨「んじゃ、行こっか!でも、私は飲み物だけにしておくよ」


湖都音「えっ?食べないの?」

(でたー!でたー!みんなどうするんだろう?私は食べたいよ~)


愛美「食べないのに行くの?」


由梨「別にいいじゃない、私は夜までお腹をすかせておくのよ、愛美は食べれば?」


し~ん!


湖都音(さてさて、どうするの~、こんな時、あれ?あの人力車のお兄さん、また走ってる。体力もつのかなぁ?何回走るんだろう?あれ?よく見ればあのお兄さん、芸能人の、あれ誰だっけ?それにしてもよく似てるなぁ~)


愛美「ねっ、それでいいよね!」


湖都音「・・・・・えっ?」

(また聞いてなかった、へこむ)

愛美「いいから!湖都音、行くよ!」


湖都音の手をぐいぐい引っ張る愛美。


湖都音「えー、どうしたの?由梨と咲千は?」


愛美「もう~、我慢できない!さっきから、ヘンテコなことばかり言って!普通ね、四人で来たんだから、気を使うとかないのかなぁ!由梨は!」


湖都音「どうしたの?どうするの?」


愛美「結局ね、咲千もね、由梨に気を使っちゃって、やっぱり飲み物だけにしよっかって!お昼ご飯ちゃんと食べなきゃね!」


湖都音「・・・・・・」

(どっちでも良かった。この気まずい事がおこらなければ)


どんっ!


湖都音「いたっ!」


何かにぶつかった、そして、それは物では無く、あきらかに感触が人のような感じだった。


(じん)「あっ、すみません!大丈夫ですか?」


湖都音「えっ、いえいえ、大丈夫です」


仁「本当に、ですか?俺、凄く痛いんですけど、とっ、言うことは、そちらも痛いのでは?」


湖都音(はぁ?いいっていってんのに、何??この人?)


愛美「あー、大丈夫ですよ、そちらはお怪我はなかったですか?」


湖都音(誰?あなたは?愛美に誰か乗り移ってる~、ひぇ~もう愛美じゃなくなってる。またもやでたー!)


この場面で、四人の男子グループとの出逢い。


仁「いやっ、俺は大丈夫ですよ」


愛美「それは良かったわ、あのー、もしかして、大学生の方ですかぁ??春休み旅行とか?」


仁「ああ・・・・そうです!俺たち四人で旅行に来てるんですよ」


愛美「そうなんですか?実は私達も四人で来てるんですよ~」


謙斗「へぇ~、偶然、人数の一致!それなら今夜カラオケとか行きませんか?」


仁「さっそくナンパかよー、早いな!さすが謙斗」


湖都音「・・・・・」(うそっ!めんどうだ!実にめんどうだ!知らない人だよー)


由梨「行ってもいいよ!湖都音と咲千もいいでしょ!」

(面白そうじゃない!)


湖都音「あれ?いつの間に来てたの??」


由梨「だって、せっかく四人で来たのよ、別々の行動なんてできないでしょ!」


咲千(えっ?ちょっと、勝手に決めちゃうの?男子との合流)


湖都音「・・・・・・・・・・・・・・・」


咲千「どっちでもいいけど、早めにきりあげれるのなら」

(そうそう、これだけは言っておかないと!女子会できないでしょ!)


愛美「そうと決まったら、観光も一緒にしないかなぁ?」


湖都音「えー!それは・・・・・・」


由梨「いいじゃん!」


湖都音「・・・・解った・・・・よ」


咲千(こんなときだけは、愛美と由梨は意気投合なんだ)


仁「あっ、紹介します、俺、(じん)そして、こいつが謙斗(けんと)そして、こっちが、広秀(ひろひで)、そして、こいつが(きよ)よろしく!」


愛美「あっ、それじゃあ---」


由梨「はい!私は由梨、そして、こっちが愛美、そして、こっちが咲千、そして、湖都音、よろしくね」


愛美(ぷぅ~!由梨のばかっ!私が見つけたのよ!)


そして、八人は嵐山からバスに乗り、京都市内へと、観光を兼ねて移動する。


清水寺で観光をすることになった。


広秀「この坂、結構きついなぁ」


清「こんなのしれてるよ!野球の練習に比べりゃあな」


仁「そうだよな!」

(でたぁ~、プチ自慢!)


広秀「あれ?謙斗?」


仁「さすが、ゲットしてますよ!」

(謙斗のようになれたらなぁ、あー、あの強引さが欲しい!俺にも)


広秀(女子いたら、気いつかうなぁ~、でもまあ、俺は絶対、自分からなんて誘うの無理だから、思い直せばよくやったよ!謙斗)


清(男臭いより楽しいぜ!)


清水寺に到着した。


相変わらず、由梨と謙斗は二人ではしゃいでいた。


愛美「ねえ、由梨って自己中満開だよね、今まで、あんなに偉そうに言ってたのに、ほら、見て、あの楽しそうな顔」


湖都音「う、うん、自己中ではないような・・・・でも楽しそうなの良かったよ」

(でも、勝手に男子との合流を決めた、愛美、あなたも由梨と同じくらい自己中です!いけない!私、こんなこと思うの性格悪いかも・・・・・・)



咲千「ねえねえ、皆で写真録ろっか?」


清「シャッター押しますよ」


仁(でたぁ~、プチプチかっこつけ!この一言が遅れるからだめなんだよなー俺は)


清「はい、ポーズ!いや、違う!はい、チーズ!」

この言葉のおかけで、皆は口を大きく開けて笑った写真ができた。


だが、しかし、清は笑ってはいなかった。それは、何故笑われているのか、解るような解らないような感じだったからだ。決して、クールにしているつもりもなかった。


ズデッ!湖都音が転けた。

湖都音「痛い!」


仁「大丈夫?ですか?」


湖都音「あ、えっ、うん、大丈夫です!いたーいよー、愛美ー」


愛美「大丈夫?また転けたの?怪我はしてない?大丈夫?」


湖都音(やっぱり、愛美は優しいなぁ)


清と仁が笑っていた。その時、広秀は看板に乗っているお寺の説明を食い入るように読んでいた。


無事、清水寺の観光も終わり、バスへ戻った。六人と、離れて歩く二人。


宿泊するホテルまで一緒だった!なんていう偶然はなかった。


由梨「それじゃあ、またあとでね」

(わくわくだわ!)


謙斗「うん、んじゃ、また後で」手を振る。

(可愛い!ゲットするぞー!)



四人の女子は、ホテルでチェックインを済ます。


各シングルだったので、部屋へそれぞれ荷物を置きにいく。


由梨「それじゃあ、一時間後ね」


湖都音「うん、また後でねー」


ルームチャージで、一人二万円もするのだから、決して安くはない。ただ、女子専用ルームで、女子にとっては至れり尽くせりの部屋だった。



湖都音「また後でね、愛美」


愛美「ねえ、少ししたらそっちの部屋に行ってもいい?」


湖都音「えっ、うん・・・・・いいよ」

(ふぁ~、一人になりたかったのにー)


湖都音「一人の時間ないと死んじゃう~」

ベッドに手を広げ仰向けに転がる。


トントン。三十分後。


湖都音「ふぅ~、はーい!」

少しダルそうに返事をする。


いそいそと湖都音の部屋へ入る愛美。


愛美「ねえねえ、ドキドキするよね、結構イケメン揃い!」


湖都音(バッチリメイク!さすが!でも、私は愛美のメイクの方が怖くてドキドキするよ!)


愛美「湖都音はどの人がいい?」


湖都音「えっ?ごめんね、顔を覚えてないよ」


愛美「まじ!そうなんだよねー、湖都音って、名前も覚えてないでしょ?」


湖都音「ピンポ~ン!!」


愛美「行こっか?あれ?湖都音、着替えやメーク直しは大丈夫?」


湖都音「うん、このまま・・・・ねえ、まだ、二十分もあるよ」


愛美「また由梨から愚痴言われるのやだからねー」


湖都音「う、うん。解った」


二人はロビーへ向かう。


愛美「うそー!ねえ、湖都音、由梨がもうロビーの椅子に腰かけてる」


湖都音「うそっ!はやっ!」

(時間にはきちんとしてるんだよね、私以外、見習わないと!)


由梨「あっ、来た来た~」


愛美(色タイツにミニスカート?さすが、由梨)


咲千「おまたせ~、ごめんね、待った?うん、でもまだ十分残ってるよ」

さっきのままの服装だった。化粧直しもしていない咲千。


由梨「今度は誰も遅れなかったね」


愛美(一言多いんだよ~)


咲千「結局、お昼御飯行きそびれたからお腹すいたね」


愛美「あっ、忘れてた・・・・」


湖都音「食べてから、待ち合わせの所へ行っても、時間は充分あるから大丈夫だよね」

(花より団子!腹が減っては戦は出来ぬ!)


由梨「うん、食べに行こ」


愛美(素直じゃん)


四人は、咲千が調べていた、市内で京料理を食べれる所へ入った。


それから、いよいよ、男子グループと合流。


愛美「あ~、もう来てるよ~」


由梨「ねえ、愛美、化粧濃くない?」


愛美「へっ?」


由梨「まあ、いっけど」


愛美「足に色はついていないけどね」

(カチッーン!貴方の色タイツよりはましだと思いますが、あっかんべーだ!)


咲千(いい加減怒るよ!お二人さん!)

少し機嫌が悪くなる。咲千。


食事を済ませた四人。お腹もいっぱいになったので、誰ものイライラが収まった。


湖都音「ここかなぁ?」

(気が重いなぁ~)


由梨「ここだね!あっ、いたいた」


仁「こんばんは」


一緒にいた、謙斗、広秀、清が頭を下げる。


少しクールに装う清。

にこにこしている広秀。


由梨「じゃあ、入ろっか」


ぞろぞろと、由梨の後ろをついていく七人だった。


カラオケルームにて。


仁「じゃあ、改めて自己紹介しよっか」


清(面白そうだけど、まだ、はしゃげない!回りの様子を観察した後だな!)


広秀(早く俺の美声を聞かせたいなぁ)


謙斗「あっ、それじゃあ、俺からー!大学二年で、経済を学んでいる謙斗と申します!それと、サッカー少年、いや、違う、サーカー青年です!ヨロシク!」


仁「おい、次いけよ」広秀をつつく。


広秀「えっ、まだ、歌入れてないぞ!」


全員でどっと笑った。


仁「はい、こういうやつです!」


広秀「えっ?そっか、自己紹介ね!えっと、俺は大学二年で、教育学部です!スポーツは高校までバレーボール部でした!以上」


仁「清、言えよ!」


清「あっ、ねっ!俺は同じく大学二年生、スポーツは野球、よろしく!」

(こんなのでいいのか!極ったか!?)


仁「でっ、俺は同じく、大学二年、専攻は、大したことないからここでは告げません!スポーツは、清と同じ野球です!」


パチパチと、女子四人は拍手した。


由梨「あっわ、それじゃあ、女子いきますね、まず、私から、私は今度大学へ進学します。スポーツはバスケットをしてました。それじゃあ、次は咲千ね」


愛美(ほら、でた、でた一番のりの由梨)


咲千「えっと、えっと、えー、私は専門学校へ行きまーす。よろしく!ねっ」


由梨「次は・・・・愛美」


愛美「えっ、あ、うん。私は大学へ行きます。スポーツはしてません。でも、ブラスバンド部で、フルートをしていました」


由梨「ほらっ、湖都音だよ」


湖都音「あっ、うん。えーっと、私は専門学校です。スポーツはバスケ好きです!」


謙斗「湖都音さん、好きって言うか、バスケットしてたの?」


湖都音「うん、いや、はい、してました。三年間ですが・・・・」


謙斗「サッカー同様、バスケも走りまくりだよね」


湖都音「うんうん」頭を上下に振る。


由梨「私はちなみに、バスケのキャプテンでした!」


謙斗「へぇー、すごいんだ」


由梨「それほどでもないけどね」


愛美(しらーーー)


仁「それじゃあ、カラオケに来てるので、歌いますか!おいっ、誰か歌入れろよ!」


清「女子からでいいんじゃねぇ?」

足を組みクールに話す。


由梨「私、行きまーす!」


愛美「ねぇ、すごいよね、由梨って」


由梨は少し、ほんの少し音痴だった。だが、のりのりだった。


由梨に続いて男子も歌い始めた。


クールに決めている、いや、決めているつもりはない。清が、知らない間に、しっかりと自分の歌を入れていた。

生真面目な歌い方が特徴があった。


仁は、音程がっきっちりあっていた。

咲千は、しっかり、まじめに歌っていた。

謙斗は、センスのいいのりのりだった。

広秀は、バランスがとれた美声だった。

湖都音は、少し自信のなさに、歌詞が遅れていた。


三時間が過ぎた。切り出したのは、咲千だった。


咲千「そろそろお開きにしよっか?」

仁「だねっ、それじゃあ、ラインとか交換する?かな?」

由梨「交換するのはいいけど、ブロックしちゃうかもね」

一瞬引い空気が、すぐに戻った。そう、謙斗の笑い声でだ。


謙斗「面白い!いいねぇー由梨さん」


由梨、真っ赤になったが、嬉しそうだった。


愛美(ほらねっ、笑われたでしょ、由梨)


それぞれにラインの交換をして、その場で解散した。


そして、女子達はホテルに帰り、お風呂に入り、そして、由梨は一番に寝てしまった。


なので、一つの部屋に、皆で集まることはなかった。


京都旅行。次の日


トントン!


愛美「湖都音ー、開けて!起きてるー?、早く仕度しないとまた叱られちゃうよ!」


湖都音「おきてるー、でもね、まだちょっと・・・・・先に行ってー、すぐ降りるから」


愛美「解ったー」


ロビーに行くと、やはり由梨と咲千はもう来ていた。


由梨「あれ?湖都音は?」


愛美「うん、もう来るよ」


咲千「まだ、早いから大丈夫だよ」


由梨、湖都音が来ないことが気にならないのではなく、謙斗にラインをしていたのだ。


湖都音「ごめーん、ごめんね」


咲千「大丈夫だよー」


愛美「ねえ、由梨、揃ったよ!行くよ」


由梨「う、うん」急いで携帯をしまった。


結局、交通に時間がかかってしまうので、全員一致で、三時間の観光京都周遊バスに乗った。

なので、もめ事なく時間は進んでいった。


観光も終わり、駅に到着した。後は東京へ帰るのみだった。


今度は、四人の新幹線の席は、三人掛けと、通路を挟み、一人が横一列に座った。


湖都音が通路を挟み一人で座った。


愛美「楽しかったね」

(色々あったけど、思い起こせば由梨もちゃんと、私の事、考えてくれてたりして楽しかったなぁ)

湖都音「うん、うん、すっごく」

(疲れた~!でも、これって、いい思い出になるんだろうなぁ)

咲千「ねー、景色、情緒に感動だったよね」

(やっぱり京都はいいね!)

由梨「・・・・・・・・・・」


愛美「ねえ、由梨は?どうだった?」

由梨はスマートフォンを片手に、誰かにラインをしていた。


由梨「えっ、何が?」

咲千「由梨、珍しい、スマートフォンに夢中になるなんて!」

由梨「あっ、ごめんね、実はね謙斗っていたでしょ!あの人と、昨夜からずっとラインしてんのよ」


咲千「えー、うそー、早くもラブってんの?」


由梨「そんなんじゃないよー」

かなり、嬉しそうな由梨。


愛美、湖都音は、横目で由梨を見ていた。

そう、何も言わずに見ていた。


楽しい旅行も締めがよかった。のか、悪かったのか?

それは読んで下さった方の判断にお任せ致します。


【登場人物】

愛美 血液型 A型

咲千 O型

由梨 B型

湖都音 AB型


仁 A型

清 O型

謙斗 B型

広秀 AB型


あくまでも、フィクションです!

























































































昼は暖かく、夜は涼しい日がきて、とっても過ごしやすいですよね。

でも、こんな季節の変わり目は、風邪をひきやすいので、皆様、どうか風邪などひかないように気を付けて過ごしてくださいね。

クシュン(>ω<)/。・゜゜・はい、実に現在進行形で風邪にかかっています。


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