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おれたちともだちだろ?

ついに時間は11時45分。

約束の正午まであと少しとなった。


飯は済ませた。点滴も刺した。

トイレも済ませた。オムツもはいた。

仲間からの待ち合わせも連絡はもらった。


<最初の町。あれば東門。なければ西門。それもなければふんどし一つでおまえ等を待つ。>


さすがギルマス。ひどい。

男前過ぎる女性として尊敬してる。あたまおかしいけど。


<お前らチュートリアルはどうするの?>


<んなもんすっ飛ばしでしょ?僕達四人で狩りしてる方が美味いし>


<でもVRなんて初めてだし動かしかたは見といた方が良くない?>


<ちなみに旨味成分ないから俺はご遠慮>


<真央はそれでいいかもしれないけど、んー>


<やかましい!考えるな!感じろよ!>


<<<流石の男前感>>>


これはヘッドギアに付属してるチャット機能で、PCでいうとチャット画面を別枠で開いてるが、声で通信できる物となる。ただしマルチタスクは鑑賞しあうので出来ないという不便なのかどうなのか……とりあえずもう使われることはないだろう。


さて、正午だ。

いざ、行かん!


<ようこそ、新世界へ!チュートリアルは受けますか?>


「受けません」


<では、早速街へどうぞ!>


おおう、ふわりとした感覚が起き、暗転。

すると目の前には綺麗な街並みがってマジですげェ……。

これ本当にポリゴンなの?

っていうかあの武器屋のおっちゃん肉入り(プレイヤーキャラ)じゃないんだよね?


ってこんな事してる場合じゃない。

東門……はない。西門……ッチ。あった。

南にもあるな。ある程度のプレイヤーがそっちに流れていくことを察するに、初心者用の狩り場は南か。

流石ギルマスの勘だな。こんだけのプレイヤーが居て全員そっちに行ったら狩りになんてならねーだろ。


そして西門を出ると、モンスターが居た。

初めだからか、やたらと凶暴です!と主張してる目と羽のトゲトゲしさを持ったダチョウだ。


まだメンバーは来てないみたいだし、先に狩るとしよう。


まずは装備を確認して<初心者用の魔銃><初心者用ガントレット><ボロの服><初心者用グリーヴ>を装着する。

ちなみに格闘術と取っていると、殴ればガントレット、蹴ればグリーヴの防御力とSTRで攻撃力が算出されるらしい。硬いもので殴れば痛いってことだ。


装備もオッケーなので、いざ、ガン=カタ!


まずは魔銃で撃つ。

っていうかぶっちゃけ初期なのでスキルがない。

撃つ、殴る、蹴る。これしかない。


顔に当たり、HPを10%程度削る。


感覚としては自分の視界の左上にHPバーと敵の頭の上にHPバーって感じで見やすい。


近付いて来たので、横回避しながらズレてかわして蹴りを叩き込む。

これで約15%削れている。

ふむ。割と自分の感覚で動けて面白い。


何度もイメージしたさ……!幼い頃から銃を持って格闘する主人公に憧れたさ!

今、俺は、ヒーローになってぶふぅっ!


敵のHPが残り10%になったところで前蹴りをかわしたが嘴でつつかれて死んだ。

そういえば君首長かったね。


こうして俺の初戦闘は負け戦で幕を開けた。


「いやー、途中まで凄かったんだけどさ」


「見てたんなら助けろよ!」


「ソロ出来るならそれが一番美味いだろ?」


「死に戻りが一番効率悪ィンだよ!」


戻ってきたら全員揃ってました。

さらに言うならダチョウのHPが50%切った時点で全員で観戦してたらしい。


「奪ってないから早く殺してきちゃえば?」


残り10%だろ?

ヘッドショットでダチョウは光の粒となって消える。


「さすが……FPSやらサバゲーでハンドガン高レートの伝説は違うわね」


「まずは自己紹介でもすっか。こうやって顔合わせるのは初めてな訳だしな」


何だかんだ声と性格は知ってても他は全くだしなあ。


「言い出しっぺからいくか。今回私はビルドはウォーリアかな?斧メインの近接バリバリで一応武器防御っつーパリィ系っぽいのも取ってる。基本火力降りで殴り合い出来るよう防御力もあげてる。キャラ名はシンカ。ぶっちゃけ本名」


赤髪ロングでサラサラストレート身長は恐らく俺より10センチ低いくらいだから165ってところかな。

スタイルのいいお姉様タイプな感じだな。

確かに考えるな!感じろよ!とか言いそう。

これが四人しかいないうちのギルマスでってまだギルド作れてないんだけど。一応色んなゲームを一緒にやっててまとめ役をやってる。


「僕行くかな。マジシャンビルドで紙装甲。一撃一殺目指してて、回避系、防御系一切取ってない。残りの5個も別属性とかで埋めるから火力しか見えない。名前はざーど。ぶっちゃけめんどくさくてウィザードからウィ取っただけ」


これがうちのアタッカー。どんなゲームやっても高火力だけをひたすら目指してる。

単発のダメージだけを追ってる頭おかしい人種なので良くタゲ取って死んでる所を見る。

頭良さそうな短髪にメガネ。あっ……メガネもこれ顔に入るんすね……初期装備にないし……。

身長は180センチくらいで、八重歯が光るお兄さんタイプかな。あとイケメン。殺すぞ。


「俺言っとくわ。大トリやだし。ビルドはガン=カタ目指して魔銃と格闘術で回避系取ってる。ステはI=Aで他降ってない。名前は真央。本名。以上かな」


俺は結構ソロ気質かも。

一人で好きな目指したいもの目指してる感じ。さっきのFPSの話もただ使いたい銃がマグナムのあのリボルバー感いいよね!ってだけだし……。

175センチのある程度筋肉質。でも大学のころから引きこもったから肌の色が……。あとは俺だけ獣人……。


「レディーファーストとか無かったわけ?」


「譲って経験値もらえンならそーしてやるよ」


「デスペナでも受けてみる?」


「あ?レベル上がった俺との差埋められンのかよちんちくりん」


これが我らが抱えるお嬢様ロリ。ただし俺とはいつもこんな感じ。


「まあいいわ。私はヒーラービルド。杖と回復術。攻撃系は一切持ってない代わりに防御系を固めたから守られなくてもガンガン行くわ。名前はアマティ。私が初めて買ったヴァイオリンの名前から貰いました」


さっきも言ったとおり、ロリ。つるぺたロリの金髪ゆるふわでお嬢様だ。

ヴァイオリンのアマティなんてロリが買える値段じゃない。大人でさえキツい値段だ。そこそこの新車なら3,4台は買えるはず……。

ちなみに罵り合ってるけど仲は別に悪くない。

基本この子がヒーラーをやることが多い。かなり上手いので、ある程度タンクが絶対必要なMMOでない限りはこの子がいて俺らは好きにしてて問題なかった。


以上四人が俺の仲間である。


「ほんで、真央はなんでそんな地雷ビルドなの?」


「正直レベル上がってもヒーラーの私も殺せないわね」


「防御と分けた私の方が火力あると思う」


えっ……ガン=カタあかんのん……


「いや確かにヘッドショットはダメージ高いけど、クローズの時の情報見てなかったの?」


キョトンとした顔でざーどが問いかける。


「いや、見たけど悪くなくね?欠点さえ補えばいいンだろ?」


「魔銃はINT依存。同じくINTの魔法と比べると、火力は低く、範囲火力がない。魅力的なのは連射性と低消費MPによる継続火力……だね」


確かめるようにギルマスが言うが、問題はない。

範囲は性質上捨てて、低い火力は手数を増やして補う。これで良いはずだ。


「それで格闘術つっこんだんだろー?」


「まっこと愚かの極みですわね」


「ああン?」


「まーまー真央ちゃん。いい?そのサイトは公式の認可が降りたもので、火力を比べたのは、同じ条件化の単発魔法と単発攻撃だよ」


自分で見てほしいとの要望から、ネットに情報を書き込むことを運営は禁止した。

ただし、このサイトだけは公式認可の下で、一度運営に案を出し、修正されてからその条件で結果を出す。


忘れていた。

同じ条件でやっては意味がない。


「理解できた?」


「あァ理解出来たよクソ運営が!」


ちなみにギルマスは頭使うのが苦手な子宮と直感で生きてる人種なので、既に話の途中からダチョウ数えてる。


「ちなみにクローズやってた人から話聞いたか?」


「剣使ってた人だから微妙だけど、火力低いわ範囲ないわすぐ死ぬわで途中から息してなかったって」


「ぷぎゃーですわ」


つまり、同じ条件ってことはステータスは一緒。

スキルは銃と炎属性の魔法。単発で初期なので、ファイヤーボールと一回撃つ。

これの何が問題かっていうと、PTにしろソロにしろ、さっきのダチョウ見たくモンスターは襲ってくる。

魔銃には距離補正の離れるほど威力減衰があるから、安全距離を保つなら威力は更に下がる。上に威力はないし防御魔法もない。

じゃあ他のステータスをどうするのか、だ。

魔銃は結局中近距離だから対近接も必要なのに、一撃で死ぬ。じゃクソゲー。かと言ってINT振り分けたら火力ひっく。ぶっさ。ぶっちゃけ魔法で良くねでFA。


PTで生きる道なんてなかったんです。


「あと言いにくいんだけど格闘術……」


「クローズ段階だけど、防御力って全部位合算しても攻撃力に及ばないわよ。÷3。プラスして、この場合はマイナスしてかしら?まあいいわ。鎧部位が防御力一番高いわ。ああ、あと防御力高いってことは重装備だから重みで動き悪くなるわよ」


「真央は回避か攻撃力どっちを取るんだってことだな!」


ギルマス生き生きと今入ってこないで。

いくらアマティの説明が分かりやすくてもやめて。

心が痛い。


「作り直すの?ソロ?それとも寄生するの?パラサイトかぁ……」


くそっ……優しいお兄さんタイプの見た目でSとか何乙女心くすぐってんだよ……!


「えっと、レベル上がった差埋めれるの……だっけ?」


あう……あう……


「どっちにしろもー狩りいくよー待てないよー」


「おれたちともだちだろ?」


そっぽ向くんじゃねえよ……!

もういい……!さっきのレベルアップの5ポイントをs2i3でふろう。もうこのまま生きよう。


「お前ら絶対一回ずつ殺すからな!覚えとけ!」


俺は狩りにでる。ソロで……。


「今回も焚き付けてみたけどあれでいいの?」


「おう!あいつはあの方が燃えるからな!」


「ほんっとシンカは考えてるようで考えてないわよね」


「おう!」



案の定ソロな真央。

ちなみに獣人もタイプは羊で見た目的には結構悪魔系!

でも地雷!PT的には悪魔かもね!

頑張れ真央!負けるな真央!


次回!

「ひとりでできるもん」

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