二人は溶け合った、ってそのまんまです
いきなり人生の節目となった今日、日が暮れると我が家の女帝、リル様はすぐにお休みになった。
いつもと同じく抱っこされていただけだが疲れたのだろうか、多少大きな物音をたてても目をお覚ましにならない。
……ということで……俺とリルは一つになった。
……一つになってしまったんだよ、くっそこんにゃろ!
夜のルルのバンシータイプの方、それじゃぁいただきますと抱こうとしたら一つに溶け合ってしまった。
俺は霊的な物でも実体のように触ったりできる。
つまりにゃんにゃんしたりするつもりだったんだ。
それでルルの後ろから抱きついたらずぼっとルルが俺にめり込んでしまった。
俺とルルの心が繋がってるのをすっかり忘れてたんだよな。
いやぁ参った。
文字どおり一心同体ってやつになってしまって分離するのに朝までかかってしまった。
記憶や意思も混ざってしまってスケベ心なんぞも全部筒抜け、いつものことか、になってしまってえらいこっちゃ……。
瞑想しながら自分の心を見つめ、これは俺これはルルのと仕分けして無事に分離に成功。
バンシールルが実体化して、そのまま寝ているソニアのほうに……やり直しっ!
ちょっとした思い付きで俺のスケベ心の一部をルルのほうに残したらあんな邪悪な笑みを浮かべて。
お、俺がスケベすぎるんじゃないぞっ!
元々ルルが純真すぎて免疫がなかっただけだからな。
もちろん言い訳をしてるのはジト目で俺を睨むルルにだ。
ちょっとしくじったが俺はただでは起きない。
光属性魔法を覚えた。
すごかろう。
俺が前いたあの地獄の世界にいろんな奴が住んでいたけど光属性だけはいなかったと思う。
なんか俺ってしてることと言いなんか悪魔のイメージと離れて行ってるような気がする。
ん?
俺が悪魔だってのは俺を召喚したあいつが言っただけじゃないか。
そもそも悪魔ってなんだ?
わからん。
ついでに天使ってなんだ?
もっとわからん。
真面目に考えてるんだぞ、まだジト目で俺を見てるルルをごまかそうと真面目ぶって考えてるふりしてるんじゃねえぞ。




