懺悔って俺何かしたっけ?
今のは何だったんだろう。
抱っこしたリルがむずかったのでイイコイイコなんてした俺はみんなからわずかに遅れて門をくぐったのだが、俺が一歩足を敷地に踏み入れた時だけ門が光った。
もしかして俺攻撃された?
ルルやジョンたちは出てきた爺さんとにこやかに話をしているし誰も気にした様子はない、ふむ、ルルたちは単純に気が付いてないだけなのか。
黒い服を着た爺さんはにこやかに話をしながらも俺だけに強烈な殺気を俺に向けてくる。
やめろよ、俺にピタッとくっついてるリル様が怯えてるじゃないか。
しかしこの殺気はどこか懐かしい。
台所であの黒っぽいあいつを見つけた時の……ぉお?
いきなり殺気が途切れた。
どうしたんだろ、逆に気になる。
「ト~ムちん、全然聞いてなかったでしょ、もぅ」
ぷっと膨れたルルはかわいいが、聞いてなかったって……俺殺し合いのアイドリング中でしたから。
イテッ、耳引っ張んなよ。
「ここ十字教の新しい宗派の教会なんだって。神父様じゃなくって牧師様って、ねぇ聞いてる」 聞いてます。
「聞いてるだろ、これ以上ないってくらい真面目に」 聞いてます。
「聞いてなくても別にいいけど」 いいのかよっ!
「かわいいって思ってくれれば」 また心読みやがった!
そんなこんなで打ち合わせが済み、結婚前の懺悔とやらで今爺さん牧師とルルが二人っきりで小部屋にこもっている。
出てきたルルと入れ替わりに入ろうとすると俺じゃなくてジョンの名が呼ばれ俺より先に小部屋に入っていった。
なんか釈然とせんな。
地球での懺悔室って確か公衆電話のボックスほどの狭い空間でお互いに相手が見えないようになっていたはずだがここのは小さな机に椅子二つ、学校で進路指導かなんかで呼び出される相談室みたいな小部屋だった。
「何でもお話しください、神と私が聞きましょう」
懺悔と言われても別に悪いことをしたわけじゃなし、あ、人は殺してるか。
俺を召還した奴はぶっ殺したっけかな。
別に懺悔しなきゃならんことでもないし、おっと俺ってすっかり悪魔。
「ルルがいろいろしゃべったと思うんで俺からはなにもない」
「ここは心に溜まった澱を吐き出すところです。過去や現況を報告する場ではありません。懺悔というものは……」
「いいよ俺はあんたの言う神を信じてない。ここには第3階位の天使のことが聞きたかっただけなんだが……」
最後までしゃべれなかった。
誰もいないはずの背後から光り輝く矛が突き出されて俺を貫く。
「あなたは悪魔、ですよね。あなたの後ろにいるのがその第3階位の天使、です」




