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悪魔な俺とゾンビな嫁の子育て日誌  作者: ぐでんぐでん
幼年期まで 開拓地
18/28

間違えてますよ

 俺に押さえつけられているのにこの男は余裕を持って俺を殺すと脅しをかけてくる。


「宿にはまだ小さい娘もいるのだろう。おとなしく投降しろ。家族の命だけは助けてやるから」

「ここにいる兵士と同じなら17人程度でうちの嫁を何とかできると思うなよ」


 今は夜、見かけは昼間と変わらないがゾンビになったルルをここの兵士がどうにかできるはずがない。

きっちり数を言い当ててやったら押さえつけた男の動きが止まった。


「ところで、だ。確か報告書の訂正が面倒なんだったな。明日になったら別のやつが書いてくれるさ」

「どういう意味だ?」


 俺の影が揺らぐとそこら中から強烈な破壊音と飛竜や翼竜の雄たけびが上がる。


ギャオオォォォォー、ベキッ、ガッシャン。


 ほかの建物の戸が次々と内側から破られる。

つながれていた鎖を引きちぎって自由になった飛龍たちは一声鳴いて夜空へ。


ホゲ~~~


 隣の厩舎でホゲラの間の抜けた声。

俺は押さえつけていた男を立たせて土を払ってやる。


「えらいことになったなぁ、うちのホゲラは隣の厩舎でおとなしくしてるみたいだからとりあえず関係ないよな。暴力奮ったみたいで悪かったがそもそもそちらが厩舎を間違えて騒ぎを起こしたんだぞ。まあなんだ逃げた飛竜たちを早く追いかけたほうがいいんじゃないかな。俺に手伝えることは無さそうだから帰らせてもらうよ」


 そうは言ったものの男は口を半開きにして固まったままだし、周りにいた兵士たちはどっかへ行ってしまったし、帰って寝るか。


 宿に戻ると入り口付近でにらみ合うゾンビルルと兵士さんたち。

ゾンビルルは自然体で立っているだけだが武器を構えた兵士たちは蒼い顔をして脂汗まで流している。

実戦を重ねてなお生き残っているからわかるのだろう、ゾンビルルの放つ鬼気が。


「ごくろうさんです」


 俺が挨拶したのに兵士たちより少し立派な装備を付けた隊長らしき男はピクリとも動かない。

一応声を掛けても何も言われなかったのでおとがめ無しということにしてゾンビルルの肩を抱いて部屋に戻った。

しかし感覚が鋭すぎるのも困ったもんだ。

あの隊長さん、ドアを閉めたとたんにいろいろ漏らしやがった。

俺は掃除も洗濯もしないから別にいいんだがな。

俺はソニアとバンシールルがリルを挟んで一緒に寝ているでっかいベッドにもぐりこんだ。

ゾンビルルの鬼気にすくんでしまうやつらが俺が張った精神障壁を通り抜けられるわけがない

おやすみ。





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