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手の平返しの参戦加入

バトルライフ高校。そこは超能力者や武器使い、魔法使いだとか言う珍妙な連中が通う高校だ。


そんな高校に通う俺、今日関レンガは不幸にもバカ転校生、黒日々サクヤと出会ってしまい付き纏われる。


他にもチャイナ姉妹やら足原ルーコ、ハゲ野郎やら足野郎こと足原シュウト、激堂ブンゴと言った連中とも出会い、先日は金髪野郎、田儀ゲミチとか言う奴をぶん殴ってやった。そして次の日。


「……は?」


金髪とのケンカ終了後、俺はこの学校の意味不明な力によって支障ない程度に回復して家に帰った。そこまではいい、問題はコイツの発言だ。


「私が貴方達の部活に入ってあげるわ」


などと、性悪女が手の平をひっくり返すかのようにんなことを言ってきた。何の冗談だ?


「何を企んでやがる性悪女。まさか、俺のケンカっぷりに惚れたか?」


だったらしかたねぇな、と俺が頷いていると。


「何言ってるの? 貴方ってやっぱり愚かでバカな存在よね。昨日のことは凄く感謝しているけれど、貴方が愚かしく腹立たしいバカな不良という印象は何も払拭されてないから」


「んだとこらぁぁぁ!」

「お……落ち着けレンガ!」


俺が駆け出して殴ってやろうと考えると黒日々が後ろから俺の両腕を掴んで静止させる。やっぱこいつには、一度殴ってどちらが立場が上か教えてやらなきゃならねぇ……!


いっそ噛み付いてやろうかと思っていると、性悪女は言う。


「でもね、助けてもらったことには変わりないわ。だから、少しでも貴方達の力になりたいと思っただけ……けして、貴方のような野蛮人の為じゃなく黒日々さんのためだと理解しておいてよね、今日関レンガ」


「テメェはそうやって憎まれ口しか出せねぇのかオイ……!」


「まぁまぁ落ち着けレンガ。反川さん、本当に良いんですか……? 無理して入らなくても……」


黒日々が全て言う前に、性悪女は微笑むような顔をして言った。


「大丈夫よ黒日々さん。私は貴方達となら楽しくやっていける……そう思ったからこそ、部活に入りたいと思ったの、自分の意思でね」


「反川さん……」


黒日々は性悪女の言葉を聞いて、目を潤わしていた。何を感動しようとしてんだこいつ。騙されてんじゃねぇよ。


「けっ、邪魔にならねーようにそこらでお勉強でもしてるんだな。ああ、別に部活に来る必要は皆無だから安心しろ」


「レンガ! どうしてそういう言い方を……!」


黒日々が何かを言い切る前に、再び性悪女が口を挟む。


「安心しなさい今日関レンガ、貴方なんて視界にも映らないほどに小さな存在だから気にかける気なんて更々無いわ」


小馬鹿にするような表情で、性悪女は言った。


「あぁ!? なんだとこの性悪女……!」


「そうやってチンピラのように噛み付くしか出来ないから貴方はいつまでたっても小者なのよ、今日関レンガ。あとその性悪女って言う頭の悪い呼び方は止めてくれないかしら、反川シズネとちゃんと呼んで欲しいわね」


「うっせぇ! テメェみたいな性悪女は性悪女で十分だ!」


「呆れるほど愚かしいわね貴方は」


性悪女はそう言うと溜め息を吐く。こいつ絶対俺を馬鹿にしてやがるな……!


「私の名前は反川シズネ。ほら復唱しなさい、貴方が覚えるまで私の名を呼ばせてあげるわ」


更に腹立たしいことに、余裕の笑みを見せながら性悪女は偉そうに言葉を発する。な……殴る、この女はやっぱ一発ぶん殴らないとならねぇ……! 俺は拳を怒りに任せてグッと握ると、性悪女は更に言い放つ。


「あら、もしかして私を殴ろうとか思ってるのかしら? 口論で負けたから暴力を振るおうなんて、やっぱり野蛮ね」


「んだとぉぉぉ……!」


怒りの沸点が最高潮にまで高まろうとしたとき、黒日々が俺と性悪女の間に割って入る。


「ま……まぁまぁ、二人とも同じ部員の仲間なんだ、仲良くしていこうじゃないか」


そんな黒日々の言葉を聞いて、性悪女と俺は互いに顔を背ける。すると黒日々は笑顔を見せながら俺に言う。


「それにレンガ、反川さんはレンガに対して悪印象しかないわけじゃないよ。ちゃんと反川さんはレンガに対しても感謝しているといるんだ。そ……そうだよね? 反川さん?」


黒日々はまだぎこちない喋り方で性悪女に言うと、性悪女は目をつぶって少し俯きながら、


「……い……一応ね」


とか言った。


「……けっ、だったら最初から言えってんだよ。素直じゃねぇな」


「それをレンガが言うのはどうかとも私は思うが」


「どういう意味だそりゃ」


妙に腹立たしい意味が含まれてるような気がするなオイ。そんな考えを中断させ、性悪女はこちらに対して手を差し出してくる。


「……この手はなんだよ」


「……握手よ。一応、これから一緒に部活をやっていく仲間だし、よろしくね」


性悪女は不本意なのか屈辱的なのかしらねぇが、片目を閉じ、顔を赤らめて言う。……俺としてもコイツと握手すんのはシャクだが、この女がプライドを捨てて握手を求めてきてんだ、ここは俺も大人として握手してやるか。


俺は握手に応じて、手を握って言う。


「……おう、よろしく」


すると、黒日々が異様に目を輝かせて満足げな表情をする。なんか腹立つ。


「さぁ、これでメンバーはあと二人! 頑張っていこう! 反川さん、レンガ!」


そんな嬉しそうな黒日々の声に、性悪女――反川は涼しげに微笑んで、ええ、と言う。まぁ、確かにこれであと二人。そして、激堂、足野郎、足原、チャイナ姉妹と言った連中を叩きのめせる高戦会の挑戦切符を得るのもあと二人。そしてそこで優勝を果たし、黒日々を叩きのめす。それまでが楽しみだぜ……!


思わず拳に力が入りつつも、練習部三人目の部員として、反川シズネが加わった。

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