表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

悪魔との契約

作者: 森 go太
掲載日:2026/05/04

 悪魔様。私に力をください。

 私の中の化物を飼い慣らす力をください。

 それは常に蠢いていて、今にも私の心を食い破らんと、私の内臓を散らかし回っています。もう限界です。悪魔様との契約は最後の手段でした。分かっています。それ以外の全てを悪魔様に捧げることになるのは分かっています。しかしそれでも私はこの怪物を飼い慣らさないと、全て壊れてしまいます。私は人では無いナニカになって、周囲の人を巻き込み、何もかも終わりにしてしまいます。全てが終わった後に残るのは闇。無限の闇です。私は何も感じられない無限地獄の中、ただただぼんやりと意識のみが宙に浮き、世界を破滅に陥れた災厄として、永遠に彷徨い続けるのです。そうなる前に、私はこの化物を飼い慣らさなければいけません。こうなるまでに、色々試しました。しかし駄目でした。何をやっても化物は、全てを取り込んで増幅し続け、とうとう私の力では、手の付けられない状態にまで膨れ上がってしまいました。もう悪魔様に頼るしかないのです。どうかお願いします。

 悪魔様。

 私に力をくださいーー


 そう言って彼は、自分の指を噛み、乾き切った地面に血を垂らした。血はみるみる地面に吸い込まれていき、やがてその指から水分が無くなって、ミイラのように干からびていく。程なくしてそれは全身にまで移行し、やがて彼の体内の水分は一滴残らず吸い取られた。灼熱の地面に乾き切った彼の身体が倒れ込み、熱で焼かれて焦げ臭い匂いと共に煙を発する。その煙が、天まで達した時ーー


 悪魔との契約は、成立した。


 朝、いつも通り目を覚ました。

 何の変哲もない、平日の朝。歯を磨いて、仕事に行く支度をする。心なしか今日はいつもより、身体がすっきりしている気がした。

 今日は良い仕事ができそうだーー

 そう思いながら、ドアを開ける。

 すると、世界がとても美しくて、

 思わず吐きそうになってしまった。

 ああ、我が悪魔様。


 彼の背後には、飼い慣らした蛇の化物がいて、

 むせかえるような悪魔の血の匂いと共に、

 艶めかしい妖気を漂わせていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 森 go太さん、こんにちは。 「悪魔との契約」拝読致しました。  そうきたかー  頼む相手を間違えてるような気もするけど、他には、いないらしい。  指を噛んで血を流すって、どんだけ追い込まれてる…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ