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最低以下スタートの僕、異世界で“俺”を貫く〜気付けば伝説の英雄に〜  作者: マークされた場所
第1章 能力覚醒編

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第21.5話 ギルドへの報告

今回の21.5話はカクヨムと話数を合わせただけなので特に深い意味はありません

リュミエール町へ続く道を下るにつれて、夜の色が変わっていく。


森の闇とは違う、柔らかな暗さ。

点々と並ぶ街灯が、オレンジ色の光を落としていた。



その光源を見て、僕はふと思う


(……電気じゃないよなこれ)


街灯の根元には、金属でもガラスでもない、不思議な石がはめ込まれている。

洞窟で見たことのある、ほのかに発光する鉱石に似ていた。


(魔力で光ってる石……って感じか)


文明は違う。

けれど、夜を照らしたいという感覚は同じらしい。



僕は《ライト》の魔法を解除した

もう、この町では必要ない



通りには人影がまばらにあった

すでに遅い時間帯なのだろう

店の多くは戸を閉めているが、

酒場らしき建物だけは賑やかな声が漏れている



「この時間でも、結構人はいるんだな」



僕が呟くと、フェルクが肩をすくめた



「だって港町だからな飲兵衛多いし、

夜のほうが動くやつも多いんだよ」


(飲兵衛って……)


確かに、潮とお酒の匂いが微かに混じっている

何処の世界でもお酒は共通なのかもしれない

まあ、飲んだことないんだけど


街並みを眺めながら歩いているうちに、目的地は自然と見えてきた


石造りの大きな建物

正面には、剣と盾を組み合わせた紋章


ギルドだ



気づけば、全員がその前で足を止めていた

ヴェインが口を開く



「まずは報告だな」



扉の向こうから、ガヤガヤと人の気配が伝わってくる

シアが一歩前に出て、振り返った



「私から話す」



扉を押し開けると、熱気とざわめきが一気に流れ込んできた

酒と金属の匂いが混じった空気

壁際には武器を立てかけた討伐士たちが陣取り、中央のテーブルでは何組かが杯を傾けている


「コツ」


その中に、シアが足を踏み出すと同時に

一瞬だけ、空気が静まる


視線が集まり、囁きが走る


だが、それもほんの数秒だった

すぐに誰かが笑い声を上げ、ギルドは元の騒がしさを取り戻す



(おお……やっぱ有名なんだなヴェイルブレイド)


僕は内心でそう思いながら、周囲を見回した

颯真たちはそのまま、人の流れを縫うようにしてカウンターへ向かう


カウンターの向こうにいた受付嬢が、こちらに気づいて背筋を伸ばした

淡い色の髪を後ろでまとめ、仕事用の落ち着いた表情を浮かべる

受付嬢は軽く会釈をしてから、口を開いた



「ヴァレンシアさん、どのようなご用件でしょうか?」



シアは一歩前に出る



「エルドリックが、この街の近郊に現れたわ」



その一言で、受付嬢の表情が凍りついた



「……確認させてください。

“世界維持教団”の、あのエルドリック、ですか?」



「そうよ。間違いない」



周囲のざわめきが、じわりと変質する。



近くにいた討伐士が、会話を止めてこちらを見た

別のテーブルでは、”誰かが小さく舌打ちをする”



受付嬢は一度だけ深く息を吸い、すぐに事務的な声に戻した



「詳細をお聞かせください

記録を取ります」



「わかった——」



シアは続ける


さっきヴェインに説明したように

エルドリックとの遭遇。

木のドラゴンと樹鬼。


「私たちは現地で交戦し、撤退させた。

ただし、完全な排除には至っていない」



しばらくしてメモをしていた受付嬢の手が、止まった



「……承知しました。

この件は、直ちにギルドマスターに報告します」



詳細な報告を終えると、受付嬢は深く一礼した


「本日はありがとうございました

対応については、こちらで責任をもって進めます」


それ以上、余計な言葉はなかった

この件の重さを、全員が理解しているからだ。



颯真たちはギルドを後にした


ーーーー


扉を閉めると、さっきまでの熱気が嘘のように、夜の空気が肌に触れる。

ヴェインが歩きながら言う。


「さて……腹は減ってるか?」


「まあ、はい」


「俺たちの仲間が、近くの酒場にいる。

せっかくだ、そこで食おう」


フェルクが真っ先に頷く。


「賛成!オレ、も腹ペコだ!」


グレインも笑いながら肩をすくめた。


「今日は生きて帰れた祝いだな」


僕は頷いた。

そうして、再び街を歩き出す。

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