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第1話 目覚め

「んん……」


 まどろみの中、俺は目を覚ます。

 豪華なベッドにふかふかの布団。冒険者をしていた頃には考えられないほど、俺は恵まれた環境で暮らしている。


 俺は復讐ができればそれでいい。豪華な暮らしなどしなくてもいいのだが……俺を慕う配下たちはそれが許せないらしく、こうやって贅沢な暮らしを送らせてくれている。


「今日はなにをするかな……」


 今日やることを考え、まだ本調子じゃない脳を強制的に働かせる。

 先日、俺はついに一人目の復讐を果たした。


 拳闘士ガオラン。ボールットで相変わらず下衆な生活を送っていたあいつを捕まえ、地下室で凄惨な拷問を加えた。

 あいつのついでに天使ミリエルを捕まえることができたのは大きな収穫だった。そのおかげで天使のことを詳しく知ることができ、更に神の戦力を削ぐことにも成功した。


 更になんと言っても、ミリエルを使ったおかげでガオランを最大限苦しめることができたのが最高だった。ずっと憧れ続けていたミリエルを目の前で汚したことで、あいつの精神は完全にすり潰された。

 今でもたまに従順な配下しもべとなったミリエルをあいつに見せに行ってあげている。度重なる実験でどんな痛みでも反応しなくなったガオランだが、ミリエルを犯しているのを見せる時だけは反応を見せてくれる。


 これだけでミリエルを捕獲した甲斐があったというものだ。


「次の目標はエルザ。あいつのことを調べるのを優先し……ん?」


 俺は布団の中がもぞもぞと動いていることに気づき、布団をめくって中を覗く。

 するとそこには専属メイドのアリシアの姿があった。彼女は起きており、バッチリと目が合う。


「おはようございます、クロウ様。よい朝ですね」

「あ、ああ……」


 イーサ・フェルディナに太陽の光は差さない。

 空を覆う瘴気が妨げとなっているからだ。


 しかし外の時間と連動して中を明るくしたり暗くしたりしているので、外の世界とほとんど変わりなく過ごすことができるのだ。


「……おかしいな。俺は昨日一人で寝たと思うんだが」

「はい。しかし最近クロウ様はお疲れと思いまして、少しでも癒せればと思いまして……」


 アリシアは上目遣いでそう言うと、俺の体にその大きな胸を押しつけてくる。

 俺の体の上で何度も形を変えるアリシアの胸。朝からこんなことをされたら俺も色々とイライラさせられる。


 俺は彼女の背中の方に手を回すと、その大きなお尻をギュッと思いきりつねる。


「い゛……っ!♡」


 するとアリシアの体がびくんと大きく跳ね、甘い声を漏らす。

 呼吸が乱れ、媚びるような表情を俺に向けてくる。


「クロウ……さま♡ はあ……なに……を……♡」

「お前から誘って来たんじゃないか。こうして欲しかったんだろ?」


 もう一度強くつねると、アリシアは「お゛ぉっ♡」と獣のような声を出す。

 普段は冷静沈着でクールなアリシアのこんな表情を知っているのは俺だけ。乱れた彼女を見ると優越感を感じる。


「舌を出せ。奉仕しろ」

「は、はい……♡」


 アリシアはすがるように俺に抱きつくと、何度もキスをしてくる。

 最初は胸、そしてそこから首、頬と徐々に上がってきて、最後に口にキスをして舌を絡めてくる。


 俺以外とこういったことはしたことないと言っていたが、本当かと疑うほど上手すぎる。

 まあ一番最初はぎこちない部分があったから努力したんだろう。成長曲線が高すぎる。


「んちゅ、れろ……っ♡ ふう……ご奉仕させていただきありがとうございます」


 数分間唇を重ねていたアリシアは、満足したように顔を離す。

 しかしまだ完全に満足はしていないようで、俺の手を握ってにぎにぎしてくる。こんな風にいじらしい甘え方をされたら起きる気も失せてしまう。


 俺はアリシアの腕をつかむと、体勢を入れ替えベッドに押し倒す。


「クロウ様……?」

「まだ起きてなくても大丈夫だろう。使わせてもらうぞ」

「っ!! はい……♡ 満足するまで存分にお使いくださいませ」


 こうして俺たちはいつもより起きる時間を大幅に遅らせ、配下たちに生暖かい目で見られてしまうのだった。

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