表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仲間に裏切られ処刑された死霊術師《ネクロマンサー》、アンデッド化していた英雄10000人を蘇生し最強の王国を作り復讐を開始する ~暗翳の玉座に英霊は集う~  作者: 熊乃げん骨
第三章 地上進出

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/45

第5話 リト村の戦い

「死をトドけに来ただト……? 笑わせてくれル! ザコ人間が調子に乗るナ!」


 ハイオークが叫ぶと、手下のオークたちが一斉に襲いかかってくる。

 オークの手には棍棒や剣が握られている。どれも魔法効果のない、ただの武器。あんな物で殴られたところで痛くもないが、服が汚れてしまうな。


深淵穴アビスの中でしか戦っていなかったから、今の俺の力を試すいい機会だ。少し遊んでやろう」


 深淵穴アビスの中には英雄しかいなかった。

 当然俺の修行の相手は全員英雄であり、地上の普通の強さ(レベル)が分からなくなっていた。

 ここにいるオークは普通の人間では勝てない程度の強さのはず。こいつを倒せれば冒険者としてはそこそこ戦えるレベルだ。

 昔の俺ではオークと一対一でも苦戦し、複数いたら勝てなかった。

 その俺がどれだけ強くなれたか……楽しみだ。


召喚サモン骨の騎士(ボーンナイト)


 そう口にすると地面から二体の骨の騎士(ボーンナイト)が出現する。

 オークたちは突如現れた骨の騎士(ボーンナイト)に殴りかかるが、骨の騎士(ボーンナイト)は左手に持った盾でその攻撃を難なく受け止める。

 そして右手に握った剣で、オークの胴体を両断してしまう。


『ブオ……!?』


 なにが起きたのか理解できないまま、地面に上半身を落とすオーク。

 モンスターは冒険者協会によってその強さをランク付けされているが、オークはCランクに位置している。

 一方骨の騎士(ボーンナイト)のランクはA。オークの二段階上だ。


 ランクが一つ違うだけでモンスターの強さは全く違う。二つとなればその差は桁違いだ。残念ながらオークが束になったところで敵わないだろう。


 俺はそんな骨の騎士(ボーンナイト)を三体ほど召喚し、仕事を命じる。


骨の騎士(ボーンナイト)。オークを殲滅しろ。村人は保護し、怪我をしていたら回復薬ポーションで治療しろ」


 俺が骨の騎士(ボーンナイト)たちに回復薬ポーションを投げて渡すと、骨の騎士(ボーンナイト)たちはいそいそとオーク討伐に駆け出していく。

 骨の騎士(ボーンナイト)はアンデッドの中では知恵が回る方だ。ある程度任せていいただろう。


「さて、骨の騎士(ボーンナイト)にばかり任せてないで俺も働くとするか」

「うぐぐ……オマエら、あいつをサッサと殺セ!」


 ハイオークが命じると、仲間が殺されて怯んでいたオークたちが俺に襲いかかってくる。

 骨の騎士(ボーンナイト)がいなければ勝てると思っているのかもしれないが……甘い。


『ブオオッ!』


 オークが棍棒を振り上げ、殴りかかってくる。

 俺はその一撃を片手で受け止める。


『ブ……オオ!?』


 渾身の一撃がいとも素手で受け止められ、オークは驚く。

 自分より小さい生物に攻撃を止めらるなんて考えもしなかっただろう。


「邪魔だ」


 俺は棍棒を受け止めている方とは逆の腕で、オークの腹を小突く。

 するとパァン! という破裂音と共に、オークの腹に風穴が開く。昏倒させるくらいの力でやったはずだが、少し力を入れすぎたみたいだ。ここら辺の加減は慣れとかないとな。


『ブ……オォ……』


 ドスン、とその場に倒れるオーク。

 頑丈な肉体を持つオークだが、さすがに腹に穴を開けられては生きていられないようだ。


 俺は冷たくなっていくオークの横を通り、戦いを見ていたハイオークの方に歩を進める。


「お前に聞きたいことがある。なぜこの村を襲った?」

「な、なんだ急に……」


 俺に質問されたハイオークは目を泳がす。

 どうやら俺の感じた違和感・・・は間違っていなかったみたいだ。


「たとえ小さな村であろうと、オークが人の集落を襲うのは珍しい。なぜなら人は報復をするからだ。村を滅ぼしたとしても、そこを治める領主が討伐隊を出す。そうなれば亜人などひとたまりもない。その程度のこと、ハイオークであるお前なら理解しているはずだ」


 オークやゴブリンが旅人や道に迷った村人などを襲うことはよくあることだ。しかし人の集落を襲うことは滅多にない。

 食料が尽き、飢餓状態になっていたりなどしたらそのようなことをすることもあるだろうが、オークたちはでっぷりと太り食料に困っているようにも見えない。


「それにお前たち、本気で戦っていないだろう。もし本気でやっていたら、この村はもう壊滅している。いたぶり、恐怖を与えているだけに見える。いったい狙いはなんだ?」

「う、ぐぐ……ウルサイ! お前には関係ナイだロ!」


 ハイオークはそう叫ぶと、大きななたを手にして襲いかかってくる。

 俺の頭部めがけてその鉈は振り下ろされるが、それは命中した瞬間にパリン! と音を立てて砕け散ってしまう。

 柄の部分しか残っていない自慢の得物を見て、ハイオークは呆然とする。


「そ、そんナ馬鹿ナ……」

「気が済んだか? では俺の番だ」


 俺は右手を水平に上げ、その人差し指をハイオークのだらしない腹に当てる。


痛覚強化ペインアップ

「な、なにヲ……」

雷撃ライトニング

「ガアアアアアアアァッッ!!!!?????!?!??」


 ハイオークの全身を駆け抜ける魔法の雷撃。

 雷系統の魔法は『痛い』ことで有名だ。しかもハイオークは痛覚強化の魔法で痛みを鋭敏に感じ取るようになっている。

 まるで血管の中を数多の針が流れているように痛むだろう。


「あ、が……っ」

「どうした? 初級魔法の雷撃ライトニングでもうダウンか?」

「こ、こノ……」


 ハイオークは怒りに満ちた顔をしながら立ち上がろうとする。

 俺はすかさず短剣を取り出すと、ハイオークの鎖骨付近にその刃を突き立てる。


「アアアアアアッッ!!!!」

「誰の許可を得て立っているんだ。頭が高いぞ。平伏し、俺に従え。さもなければ、お前は地獄を見ることになるだろう」

「わ、わがっダ! 従うカラこれ以上はやめてクレ!」


 ハイオークは涙を流しながら地面に頭を擦り付け平伏する。

 よし、これで話を聞けそうだな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ