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第9話 拷問

「ひぃ……うう゛……」

「ずいぶん情けない姿になったなガオラン」


 死の拷問吏(デッドトーメンター)の激しい拷問を受けたガオランは、力なく鎖にぶら下がっている。

 床には彼が流した血が水溜まりを作っている。これだけの血を流せばショック死を起こしても不思議ではない。

 しかし死の拷問吏(デッドトーメンター)は拷問のプロ。死なないギリギリを攻め、最大の苦痛を与えることがなによりも得意であった。


「欲しかった情報は全て貰えたか。ご苦労だったな死の拷問吏(デッドトーメンター)

「いえいえ♡ しかしあまりいい情報は得られませんでしたね」


 ガオランは持っていた情報を全て明かした。

 最初こそ情報を全て出し渋り、自分を解放することを条件に話すと交渉する場面もあった。

 しかし死の拷問吏(デッドトーメンター)はそれを拒否、彼をネチネチと責め続け、喋るまでいじめ抜いた。


 結果ガオランはかつての仲間たちについて知っていることを全て話した。しかしそれらの情報のほとんどは既にクロウも把握していることであった。


「まあ最初からあまり期待はしていなかった。ガオランは昔からパーティでも好かれていなかったからな」


 ガオランは昔から性欲が高く、女性のパーティメンバーに頻繁に近づいて手を出そうとしていた。しかし勇者アレスというイケメンで女性に優しい男がいたことで、ガサツで顔面偏差値もそれほど高くないガオランは相手にされなかった。


 そんなことでパーティでも浮いていたガオランは、仲間がそれぞれ別の道を行った後は密に連絡を取ることができなくなっていた。

 そのため彼は竜の尻尾(ドラゴンテイル)のメンバーについて、深くは知っていなかった。


「尋問はこれくらいでいいだろう。死の拷問吏(デッドトーメンター)は一旦下がってくれ」

「かしこまりましたクロウ様♡」


 クロウは息も絶え絶えのガオランに近づく。すると、


「ぜえ……ぜえ……クロウ……お前だけは……許さねえ……絶対ぜっだいに……殺してやる゛……!」

「へえ、まだ折れてなかったか」


 満身創痍ながらもガオランの心はまだ折れていなかった。

 クロウへの憎しみだけを心の支えにすることで、彼は拷問になんとか耐えていたのだ。


 それを知ったクロウは楽しそうに笑みを浮かべる。


「てめえ、なにがおかしい……!」

「俺は二年間、お前らに復讐することだけを考えて生きてきた。せっかくその時間がやってきたんだこの程度(・・・・)で終わったらもったいないだろ?」


 クロウはそう言うと、指をパチリと鳴らす。

 するとそれを合図に一体のアンデッドが中に入ってくる。

 骨の騎士(ボーンナイト)。鎧を装着した大柄のスケルトンだ。スケルトンはアンデッドの中では下位に位置するモンスターであるが、骨の騎士(ボーンナイト)はスケルトンの中でも上位種であり、竜とも渡り合える能力を有している。

 数体いれば都市を落とすこともできるそのモンスターを、クロウは多数使役していた。


 普段は剣と盾を装備している骨の騎士(ボーンナイト)であったが、今日に限っては違うもの(・・)を持っていた。

 それを見たガオランは驚き目を見開く。


「そ、そんな馬鹿な……!」


 骨の騎士(ボーンナイト)が持っていたのは、ガオランを守護まもっていた天使、ミリエル・アークレイであった。

 ミリエルはクロウに敗北し、ボロボロの状態になっていた。服は破れ天使の輪は無惨に砕かれている。

 自分と別れて以降ミリエルと会っていなかったガオランは、満身創痍の状態のミリエルを見て愕然とする。


「そんな、ミリエル様がやられるなんて、ありえねえ、ありえねえ……」


 茫然自失とするガオラン。

 ガオランは初めて自分の前に降臨したミリエルを見た時、生まれて初めて『感動』という感情を覚えた。その神々しさに胸を打たれ、その美貌に惚れて心酔した。


 そんな天使が自分を守護してくれている。

 今は神の命令で付いてくれているだけだが、もしかしたらその内自分を主人としてくれるかもしれない。ガオランは毎日ミリエルが自分に奉仕してくれるかもしれないという妄想で自分を慰めていた。


 そのミリエルが汚れた状態で、雑に扱われているのを見たガオランは激しく怒り……そして興奮・・し、彼の股間を強く怒張させた。


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― 新着の感想 ―
Oh・・・・・・NTR性癖持ちだったか
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