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任務

そんなこんなで入学から一ヶ月が過ぎた。

剣術は上場だ。

読み書き、算術と言った生活に必要なものも身についている。

歴史や公民と言った部分は散々だが。

昔は何やら将来役に立たない学問を強制的に学ばされた挙句、テストに出されたようだが、今の学校は将来必要になることだけを取り扱っている。

この学校に限っては剣術が忙しいという理由もあるが。


そんなある日、初めて出たといっても過言ではない座学の宿題を剣術の合間に終わらせ、寮へ帰ると、白髪のノッポが机に齧り付いていた。

比喩だからね?もちろん。

久米劉玄その人である。そいつが頭を抱えて、

「くそぉ、分からない。この僕が。」

などと言いながら座学の宿題を穴が開くように見ていた。これに関しては本当に穴が空きそうだった。

そんなに難しい覚えは無かったが、、、と思いながら除いてみると、なんと白紙である。

え?こいつ高身長メガネでもしかしてバカなの?

そんなことはないはず、と考えながら後ろをウロウロしていたら、

「おい剣持!気が散るんだよ!お前は終わったんだろうな?」

なんて偉そうに言ってきた。

そこで俺はつい先ほど終わらせた宿題を見せる。

やっぱり人間、挫折がないと成長できないモンだよ。

「いやーゴメンネー。ま・さ・かまだ終わってないとは思わなくてさー。」

と軽く煽っていると、

「…も……うぉしぇ……」

とぼそぼそ聞こえてきたので、

「え?なんて?聞こえないなー?」

と言ったら

「剣持!僕に勉強を教えてくれ!」

と普段の隣以上の大声で言ってきた。

ここ寮だから。隣にも人いるから。

慌てて耳を庇いながら、

「タダで?」

と聞くと、

「飯、ぐらいなら作ってやらんでもない」

と言ってきた。

「いや、食堂あるからいらんよ」

「僕は飯を作る。お前は勉強を教える。いいな?」

「え?でm…」

「いいな!?」

「……まぁ。」

丸め込まれてしまった。

というわけで勉強を教えるが、こいつはとにかく飲み込みが悪い。

俺のような平民からしたら、「なんで分からないの?」ってレベルだ。

見た目ガリ勉なのに。見た目ガリ勉なのに。

色々あったが30分ぐらいでなんとか終わった。

俺はこれ10分もかからなかったのに。


それからしばらくして、ゲームを楽しんでいると、

「飯ができたぞ、剣持」

という声が聞こえた。

さてどんなものかこの俺が見てやろうじゃないか。

食器の上にはハンバーグがある。

なんの変哲もない普通のハンバーグだ。

おそるおそる口に入れてみると、、、


飛び出す肉汁、ソースが絡み合って抜群のハーモニーだ。

一言で言うと、うまい。お店で出せるレベル。ってかそれをも凌駕している。

こいつがこんな料理上手だったとは…

驚いた顔で劉玄を見やると、ニンマリしてやがった。

この顔見ると無性に手を出したくなるんだよな。


そのあとは普通に大浴場に行って歯を磨いて寝た。


翌日。俺と隣は覇道の元に呼ばれた。

理由は知らん。もし職員室の前にメスのゴリラの写真とバナナ置いて、「キャーはどうせんせいかっこいー」って書いたのが俺だとバレてたら俺はもう日を見ることはないだろう。

やってみたかったのだ。くだらないことを。

その時隣がメスのゴリラの写真を持ってたから仕方ないじゃん!


それで本題だが。

「お前たちには任務に出てもらう!心配するな!?同学年の魔女2人と準2級剣士と魔女が一人ずつ付くぞ!」

「ってことは先生!ついに女性と巡り会えるってことですね!?」

隣…お前ってやつは…

まあ俺も楽しみだけどね。

「でもなんで俺たちなんですか?」

「それはなぁ!お前らなら実力的にも問題ないと判断したからだ!」

ここでこの筋肉だるまの言うことを信じる奴はバカだ。

ちょっとこいつの脳内を覗いてみよう。


(ついさっきの覇道)


ん!?総司令から任務だと!?

一年を2人向かわせろか!

くじ引きでもして決めるぞ!ありゃぁぁ!


(ついさっきの覇道終了)


ホラ、これである。この教師、クラスでは厳格を気取っているがその実かなりのアホである。

バカでは無くアホ。この違いが分かるだろうか?

簡単に言えば人間性に問題がある奴のことだ。


そしてここにはアホではないバカもいる。

「しゃあ!先生が言うなら間違いないぜ!」

そう、隣である。こいつは単純に頭が悪い。


俺は常人だ。いや、信じてくれ。頼む。

まあ、やる気があるのはいいことだと思い直し、俺たちは集合場所へ向かった。

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