徴兵3人はやっぱりオレたち3人!
麻薬寄生植物ソムヌスとの戦いが始まります
村外れの森の入り口に、ウーヌスの小さな家は建っていた。
「おふれは何だった?」
ウーヌスは昼メシを作る手を止めず聞いた。
ウーヌスの背中は大きい。昔どこかで剣士だったらしく、息子のデュオと孫のトリーにも剣を教えていた。
昔剣士だったと言っても今は60才を超えて、伸びた黒髪は白髪混じりでボサボサだ。
デュオは頭の布を外しながらこたえた。
「村から3人兵士を出せってさ。」
ウーヌスは息子の顔を見た。
デュオは、どうってことない顔をして肩をすくめて見せたがウーヌスとは目を合わせなかった。
それでウーヌスは悟った。
「俺たち3人ってことなんだな?」
「俺とオヤジは良いとして、トリーはどうかな。村育ちだし15になったばかりだし。」
「トリーの剣の腕は確かだ。」
そこではじめて父子は目を合わせた。
お互いの瞳の中に諦めと決意が見えた。
村人は皆、親切でいい奴らだった。
先祖代々の畑と墓を引き継いで生きてきた奴らだ。畑と離れて暮らしたことのない奴らだ。
その点、俺たち3人は流れ着いたよそ者で、この村に畑も先祖の墓も無い。
「メシ!」トリーが元気に部屋に飛び込んできた。
ウーヌスとデュオがジッと見つめてくるので、隠し事のどれかがバレたのかと、トリーの黄金の猫目が泳いだ。
麻薬寄生植物ソムヌスとの戦いは続きます