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カミコ  作者: しょうた
プロローグ
1/1

始まりの狼煙

つたない文章で読みにくいかと思いますが、読んでいただけると幸いです!


次の話は二月以降を予定しております。

(二月までやることがパンパンすぎてかけない・・・)

                   ◇のあ◇                

               


「の...!のあ...!死ぬな...!」



 真っ暗闇の奥から聞こえてくる声。昔の記憶がかすかにフラッシュバックする。

 


 俺の家族はどこ・・・?



 大きな歓声とともに俺は目を覚ました。

 目の前では高校生二人が屋内で戦闘訓練をしている光景がスクリーンに映し出されている。おそらく熱い戦いが繰り広げられていたのであろう。俺はその歓声の声で目を覚ましてしまった。もう少し寝ていたかったんだけど・・・


 今行われているこの戦闘訓練は日によって形態が変わる。主に人数や場所、勝利条件などである。今回は一対一のタイマン。ビルのワンフロアでの戦闘。ビルの中のものを駆使して相手を行動不能にした方が勝利となる。当たり前だが訓練で相手の命を奪うことは許されていない。だから今回の訓練ではいかに命を奪わず行動不能にできるかが試される。


 そして、今現在行われている試合では、俺の幼馴染の二人が戦っている。名前は”黒町くろまちゆうき”と”時雨ときさめさち”である。この二人、実は学校の歴史で見ても群を抜いて強く、それこそ二人が戦うというだけで多学年の生徒が授業をさぼって見に来てしまうほどである。


そんな俺らが通っている高校は”迦信かしん高校”はエクスエのトップ校で、進学校として勉学と戦闘に力を入れているが全国の力自慢たちの入学が毎年多発しているため倍率は3桁に達している。俺たちはこの高校の2年生をしている。偏差値は進学校ということもあり一応70越えとなっている。真実は定かではないが。。。

 俺はというと、過去一度も勉強では右に出た者はおらず、受験は筆記満点で合格した。一方でゆうきはというとそうもいかず、中学では下の上くらいの成績で、偏差値70のこの高校に入れるような脳みそは持っていないのだが、この迦信高校は実技の成績が筆記の点数プラスされることとなっており。運動神経のいいゆうきは実技順位1位で合格ラインぎりぎりで受かったのだ。なんやかんやありながらもまだ、この高校に通い続けている。



 二人の戦いは白熱していた。俺の目にはさちの方がやや優勢に見える。さちは小回りが良く利くから、障害物が多い今回のような場所では申し分なく実力を発揮できている。対してゆうきは完全なごり押しタイプ。パワータイプのため、大振りでの力押し勝ちを得意としている。あとは頭を使うことが得意ではないらしいから考えなくても戦える開けた場所が好きらしい。考えなくてもいい場所なんてないのにな、脳筋でないことを自称しているが、完全なる脳筋である。


 さちは得意の小回りを生かし室内を縦横無尽に飛びまわり、ゆうきの死角に入ったところで拘束しようと試みる。だがゆうきも簡単にはつかまらず、近づこうとしたところを狙うカウンターの姿勢をとっている。ただ攻めの姿勢も忘れてはいない、そんな間合いで戦っていた。


 二人の戦いは授業時間いっぱいまで続き、戦闘が始まってから展開が動くことはほとんどなかった。そう思ったのも束の間、さちの集中が切れたのか障害物にぶつかり足を引っかけた。その隙を見逃さなかったゆうきは一気に距離を詰めさちを捕らえようとした。その様子を見てクラスメイトや教師の皆がゆうきの勝ちを確信した。カメラワークの影響で一番大事な場面の映像が見切れてしまった。ようやく戦況を確認できるようになり、俺らは戦いの終末を確認する。画面を見た全員は目を疑った。画面には攻め入ったはずのゆうきが拘束されている画面が映し出されていた。皆がポカーンと口を開いて呆然としていた。


 戦闘を終えた二人が帰ってきて授業の振り返りが始まった。



「みんなお疲れ様!本日の戦闘訓練の振り返りだ!皆自分の実力を出そうと精一杯やろうとしていたな!その中で実際に実力を出し切れたものと出し切れなかったものがいると思うが、なにがいけなかったのかを考えるのが一番大切だ!今回たまたまうまくいったものもいるだろう!だがそれを次は狙ってできるようになれ!次に生かせるよう家での振り返りも忘れぬように!解散!」



 先生は時間が迫っていることもあり手短に振り返りをした。

 振り返りが終わり俺らは更衣室で着替えていた。クラスメイトの話題は今日の戦闘訓練の話でもちきりのようだ。それも最後のあのシーン。何が起こったのかわからない生徒がほとんどで、ゆうきに事の真相を問いただしていた。

 ゆうきはみんなに真実を伝えていた。事の真相はこうだ。

 

 あの時、ゆうきは確実にさちの隙をついていた。だがあれはさちがわざと見せた隙。ゆうきを誘き出して反撃しようとしただけだった。授業の終わりが迫っており、ゆうきの方が焦りさちの罠にまんまと引っかかってしまったのだった。今までの戦績で見ても、現時点ではさちの方が三歩ほどリードしているところだ。だが実力差自体はさほど差は開いてないようにも見えるため、あとは集中力の問題なのだろう。ゆうきはもう少し忍耐力が付けばさちに勝てそうなのだが、それはまだまだ先になりそうだ。



 一日の授業も終わり、帰りのHRの前の空き時間にゆうきが話しかけてきた。



「のあー、お前は今日どうだったんだ?俺ちょうど準備してて見れなかったんだよー。」

「ん?あー、俺はなにもできなかったよ。体を動かす前にいつの間にか確保されていたよ。自分でも呆れた。いつも通りと言えばそうだが、成長がなさすぎるからな。」

「そうかー。じゃあ一人反省会でもしてみろよ!お前家では数学の勉強はしてても、戦闘訓練の勉強はしてないだろ」

「別に俺も何もしてないわけじゃないぜ?それこそ反省会はするし、頭で戦闘シミュレーションをしてから訓練に励んではいるけど、いかんせん頭に身体が追いついてないんだよ。」

「だから何回も筋トレしろよっていてんじゃん!!!なんでしないんだよ!!!」

「いやーそれはさー、」

「おーい、帰りのホームルーム始めるぞー!席につけよー。」



 ゆうきに詰められている最中、担任の教師が教室に入るやいなや席にすわることを促したことで、ゆうきはバツの悪そうに自分の席に戻っていった。先生・・・!!ナイスタイミング!俺は心の中でそう思いながら親指を立てた。


 帰宅のあいさつをすました後、俺は全速力で教室の後方の扉に向かって歩みを進めていた。なぜならさっきのゆうきの問い詰めを避けるためである。だがこの行為自体は全くの無駄である。ただそれでも俺はすこしでもゆうきから逃げたいのである。少し時間が空けばこの行為に意味が生まれるかもしてない。だからこそ俺は一歩一歩力強くそして俊敏に歩みを進めていた。俺は誰よりも早く教室の扉に手をかけ、戸を左にスライドさせた。



「よっ!のあ!一緒に帰ろ!」



 そこにはいま二番目に求めてない時雨ときさめさちの姿があった。思わず嫌そうな顔をしてしまい慌てて口角を引き上げたのだが、その努力もむなしく今度はさちが不服そうな顔をしていた。



「なに?私と一緒に帰るのそんなに不満?」

「いや、あの、ごめん!そうじゃないんだ!とりあえずいま急いでるんだ!ごめん!」

「はぁぁぁぁ!?ちょっと待ちなさいよ!」



 俺は勝ち目のない鬼ごっこを自ら開催してしまった。なんとかして校門の外までは逃げれたものの、その後すぐに追いつかれてしまった。



「ねぇ!なんで私から逃げるのよ!嫌いならはっきり言えばいいじゃん!ねえ!何か言いなよ!」

「わかった。わかった。話すから手を放してくれ!」



 俺がそう言うとさちは素直に手を放してくれた。


 俺は帰路につきながら、本当はさちからではなくゆうきから逃げていることを説明した。説明を聞いたさちも納得したのかさっきのことは許してくれたようだった。

 そこから俺らは世間話をしながら、歩くには少し遠い俺らの地元を目指し歩みを進めていた。



「待ちやがれー!馬鹿野郎どもー!」



 突然遠くからそんな怒号が聞こえてきたかと思えば、その声の発信源がとてつもない速さでこちらへ向かってきていて、発信源の正体がゆうきであることが分かった。

 やべ。と声を漏らしながら、走って逃げようとしたがこちらでもあっけなく捕まってしまい尋問を受けることとなった。

 俺はゆうきにも同じ話をして、なんとか許してもらえるようゆうきをなだめていた。



「お前なー!俺はそんなめんどくさい男じゃないぞ!ひっどいやつだなー!」

「いやいや、あんたはめんどくさい男でしょ」



 否定されると思ってなかったのか、さちの方を見ながら口を開いて固まっていた。



「あ、いや、ごめん。言い過ぎた。」

「え、あ、いや、全然ダイジョブ。気にしてな・・・」



 ゆうきの言葉をかき消すように街中にサイレンの音が響き渡った。



『緊急避難警報!緊急避難警報!本国の領域内に敵対反応を感知!市民の皆さんは直ちに避難所避難してください!』



 サイレン音のすぐあと、避難警報のアナウンスが繰り返し放送された。

 俺らは唐突な警報に戸惑っていると、前方から煙が吹き上がっているのを確認した。

 確認すると同時に爆発音が俺らの鼓膜を振動させた。

 混乱。不安。恐怖。

 そんな感情が一気に湧いてくる中で俺はなぜか、自分の中でなにかが始まったのを感じた。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

添削、アドバイスなどなどよろしくお願いします!

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