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明日のきみと、昨日のぼく。
「嫌です」
きっぱと、言い放つ姿に、僕は感動すら覚えてしまった。
そうだ。ずっとずうっと、本当は分かっていたのだ。
僕も、こういうふうに答えればよかったし、こういうふうに、生きれば良かったのだ。
雲は、ずうっと上の方にあったし、ずうっと下の方にあった。そして、僕と並ぶ位置にもあった。
左手を見ると、小さな女の子の手を、僕はしっかりと握っていた。
温かくもなく、冷たくもなく。 あまり、温度は感じなかったから、段々、その手を繋いでいる事すらも忘れそうになった。
向こうの方には、オレンジ色だとか、淡いパープルの球体がぽっかりと浮かんでいて、
小さかったり、大きかったり、
ソーダ水の泡の中にいるみたいだった。
上を見上げてみれば、そこにはらせん階段が続いていて、
下を見ればやっぱり、らせん階段が続いている。
……そもそも。どうして僕は、この場所にいるのだろう?