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クムパプユアネ_World:M  作者: 浮巣つぬ
明け暮れ
25/49

19

 自称神様が倒されて数日が経ちました。

 私、千疋南君は車に揺られています。

 外の景色はすっかり温暖なケレーディアに戻っていました。

 あの後、雪はすぐに解けて翌日には元通り。リーレイさんは怒っていました。

 私は戦いの後片付けを手伝ったり、紗倉見から頂いた追加のお仕事をする日々を送っています。

 最初の自称神様が倒されたニュースはすぐに世界中に伝えられました。

 明け暮れのみんなからもメッセージが届いて嬉しかったり・・・何もしていないので恥ずかしくなったりしたのは秘密です。

 海帆からは何もありませんでした・・・。まぁ、当たり前ですね。

 結果として何もなかった訳です。これなら経験を積ませるために連れてきた方が良かったと思います。・・・終わってからなら何とでも言えますね。

 今日は一日中、初日と同じように木々島夫妻の運転であちらこちらを巡っています。

 声かけの時は作り笑顔で誤魔化していますが、あまり晴れやかな気分ではありません。

 塔莎帝。帰ったらそれの討伐です。年を越してから色々とあり過ぎて疲れました。

 それが終わったら休みをもらって海帆と温泉でも行きましょうか。まだまだ先のことになるでしょうが・・・。

 ため息が漏れます。

 それを聞いていた木々島の奥さんが話しかけてくれました。

「公認魔導師って大変よね。無茶振りばかりで」

「はい。本当に困ってしまいます」

 奥さんが飴をくれてお礼をしました。

「今の明け暮れは大人し過ぎるんだ。もっと強気でいかないと偉そうにしている馬鹿共に舐められるぞ」

 木々島さんは口数が少ないですが、少し過激な方です。公認魔導師は国の上位の強さを持つ魔導師。引退した人も好戦的な人が多い気がします。

「そうですね。少しくらいは強く言い返してもいいかもですね」

 奥さんは呆れた顔をしていました。

「変なこと吹き込まないの」

 奥さんがこちらを向きます。

「この人ったら現役の時にムカついた議員を焼いたのよ。本当にあの時は終わったと思ったわ。真似はしないでね」

「そんなこともあったな」

 ハッハハと笑っています。

 気持ちは分かりますが、私には真似できませんね。


 あの戦いの後、クレマチスさんとガーネットさんはすぐにいなくなっていました。ケレーディア先生曰く、いつもそんな感じなんだとか。それを聞いて、なぜか納得してしまいました。面倒なことから逃げたのでしょう。

 そんな二人に関係する対応はリーラーさんとアリッサさんがやっていました。そんな二人も一通りの仕事を片付けて既に帰国したみたいです。

 挨拶くらいはしたかったのですが、忙しいのでしょう。仕方ありません。

 リーレイさんとは何度か仕事で同じ現場になりましたが、特に何もありませんでした。

 この後に会う予定もありません。このままさようならになるでしょう。

 ケレーディア先生とルミナさん、後はカプレさんですね。

 カプレさんとは会っていません。私の中では怒られて引きずられていった女性になりました。

 ケレーディア先生とルミナさんとは何度か食事をしました。

 私はルミナさんのことが心配でした。

 自称神様はルミナさんのお兄さんだと聞いていましたし、自分が狙われているのは心が落ち着かないでしょう。

 でも、会ってみると相変わらずの変人で元気な様子。心配して損した気分です。それにケレーディア先生もいるので大丈夫でしょう。

 ケレーディア先生とは世界機関の仕事中、ずっと一緒に行動していました。

 やっぱり頼もしいです。大人って感じがします。私も先生くらいの年齢になったらこんな風になれるのでしょうか?・・・私ももっとしっかりしないといけませんね。

 さて、最後はミオさん。

 この数日間で一番仲良くなれたのはミオさんでしょう。兵器仲間とは言いたくありませんが近い境遇にいるので気があったのかもしれません。空いている時間に食事や買い物をして友達になりました。

 そして、今日がミオさんの帰国の日。木々島さんにお願いして仕事の合間に時間を設けてもらいました。

 首都、アーユスのとあるホテルに泊まっていて、そこのカフェで待ち合わせです。

 約束の場所に行くと、すぐに見つけました。保護者の女性の方と笑顔で会話しています。

 先に保護者の方が気付いて、その後にミオさんが笑顔で手を振ってくれました。

「こんにちは。南君さん」

「ええ、こんにちは」

 保護者の方にも挨拶をして座ります。

 それと同時に保護者の方は席を立ちました。

「二人でゆっくりしてね。私は離れた所にいるから」

「はい」と、元気よく返事をするミオさん。

「私は一緒でも構いませんよ」

「いいえ・・・そうさせてください」

「はぁ・・・分かりました」

 そして、私達から離れていきます。

 ここ数日、ずっとそうでした。私が来ると離れた位置から見守るのです。まぁ、色々とあるのでしょう。変に探らないのもこの業界で生きていくには必要です。

 私達はケーキのセットを注文して、食べながらお話をしました。

 この数日間のこととか今、流行っている物とか・・・。

 ミオさんは流行り物とかは詳しくないみたいでその話をしていたら、あっという間に時間になってしまいました。もっと色々と話したかったのに・・・。次の仕事の偉い人との面会は果たして必要なのか?と、思ってしまいます。

 ミオさんの帰国の時間も近づいていたので、どっちにしてもここまでですが・・・。

 カフェから出てホテルの玄関までお見送りしてくれるみたいです。

「ユメさん、ありがとうね。本当はもっとゆっくりと話していたかったけど・・・」

「いいえ。時間を作ってくれてありがとうございました。短い間でしたけど、とても楽しかったです」

「ええ、私も。また、遊びましょうね」

 握手をします。ミオさんは返事をせずにただ笑顔でした。

 そして、端末を出します。

「南君さん。一緒に写真を撮りませんか?いつでも思い出せるように」

「いいですよ」

 ミオさんの端末で写真を撮って、それを送ってもらいました。

 それを嬉しそうに見ているミオさん。

「ありがとうございます。また会った時も私と仲良くしてくださいね」

 少し引っかかる言葉ですが、気にしませんでした。

「はい。また、一緒に遊びましょう」

 そう言うとミオさんが抱きついてきました。

「約束ですよ。私、絶対に忘れませんから・・・」

 ミオさんにも色々と不安があるのでしょう。兵器としても一人の人間としても・・・。

 抱き寄せて頭をなでてあげました。

「そうですね。約束です」

 お互い兵器として使われたら次に会えるか分かりません。だから、こんな約束をしたのでしょう。

「本当にありがとうございました。ずっと楽しかったです」

 それから、お互い笑顔で手を振り合って別れました。また、会えること信じて・・・。

 色々と考えていたら時間が経っていました。短めのお話が続くので更新がたくさん出来るかな?とか考えていましたが甘くはありませんでした。誰の話をどのくらい書くか悩んだのですが全員にあったら同じ展開になりそうですし、今さらですが紗倉見勢のお話なのでこれでケレーディアのお話を終わりにすることにしました。ある程度はもう1つの方で書くつもりです。何年後になるかわかりませんが・・・。

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