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どこかにある大樹
世界のどこかにその大樹はある。
そこは真っ暗で他に何もない、何のために存在しているのか分からない空間だ。
大樹は青白い結晶のような葉を茂らせ、大きく枝を広げている。
葉からは優しい光が出ていて、周囲を照らしていた。
私が見つけていなかったら、誰にも気付いてもらえなかったのかな?それはどんなに寂しいことなのだろうか?
・・・いや、そう思うのは私が人間で心があるからなのかもしれない。世界の一部に過ぎないのはこの木も私も同じだ。
ユラユラと葉が落ち、時間をかけてゆっくりと溶けるように消えていく。
黒に散らばる落ち葉を踏みながら大樹に歩み寄る。
太い幹は相変わらずヒンヤリしていて気持ちいい。
これを見つけてから毎年、会いに来ている。今年も元気そうでなりよりだ。
私は腰掛けて大樹を見上げ、話しかける。
「久しぶり。今年もよろしくね」
昔からちょっとずつ書いていた自己満足の小説を清書する為に投稿することにしました。
緩い感じで見てくれたら嬉しいです。