ジャングルジムが呼び起こす(友だち同士)
濃い、みかん色の太陽。赤くて、黄色くて、橙色の夕焼け。
それを二人で見上げながら。
「ずっと、ずっとこのままでいようね。ずーっと」
ジャングルジムの上で誓ったあの日の約束を、
「うん。絶対に、約束」
決して忘れたわけではないのだけれど。
「破らない?」
「破らない」
「守ってくれる?」
「絶対守る」
それでも、自分はあの日からずっと遠く、あの子のいないまちで生きている。
どうして、あのままでいられなかったのかな?
今でも、ジャングルジムを見るたび、胸の何処かが、しくしく痛む。
END.