9話
今日から1日1話皆様ぜひお楽しみください!!
「以上でデバイスの大まかな説明は以上だ! 明日からはいよいよ実践に向けて倫理的歯車の使い方を説明する! あと校舎入口に寮の部屋割りを貼ってるから見るように! くれぐれも間違って他人の部屋に無断で入らないように!」
そう言って先生は教室を出ていった。
デバイスの使い方はかなり色々あり、正直これを無くしたら生活ができないとすら思える。通信手段に、それにお姉ちゃん…違うな先生が言ってたのは確か…幻想だったな。その幻想と親密に信頼関係を築く事が調律師には必要で、そのためのチップと言う機能、後は支払いもコレで出来るとか、寮の鍵の代わりにもなるとか、学校生活には欠かせないものと認識した。 こんな生活に慣れたら俺村帰れるのか? そんな不安が一瞬頭をよぎった。
それと生活費なのだが、学校はもちろん学費は俺が支払わなくていい。 理由は、将来自国の強化育成に関する先行投資という事で学費は国が出してくれる。 次に生活費だがコレも30日置きに国から支給される。学生とは言え調律師と言うだけである程度生活出来る資金は国から貰えるのだ。その代わり卒業後、人類の為に命懸けでファントムと戦わなければいけない。 それでも、ここまで好待遇と言うことで倫理的歯車になりたい人は多い。俺も国で行われた試験の時かなりの人がいて、違う意味で怖いと思ったしな。
「なぁレイジ、一緒に寮まで行かへん? 途中のお店とかも散策したい思とるんやけど?」
「ん? そうだなこれから生活するし、色々見て回っといた方が良さそうだしな」
「ほな早速校舎前の張り紙見に行かなな♪」
そう言いながら俺を引っ張るユーリ。そんなにはしゃがなくても良いのに…俺は子供っぽいユーリに、思わず笑いそうになった。
(レイが誘惑されてる…入学初日にデートだなんてお姉ちゃん許しませんよ!)
(デートじゃないんだけど……ただ街中を散策するだけたよ?)
(そう? なら良いんだけど…)
全くいきなり何を言い出すんだよ? というより他の人達もこんなに世話焼きなのかな?
「なぁユーリ」
「なんや?」
「ユーリの幻想って白い虎なんだよな?」
「せやで♪ なんでレイジが知っとん?」
「さっきユーリが言ってたじゃないか」
「覚えが無いんやけど…たぶん、いきなりの事で動揺しとったんやろな♪」
そう言ってあまり気にしてなさそうにユーリはケロッとしてた。
「それでどないしたん?」
「いやなんかあると幻想がすぐに話しかけてくるからさ、ユーリも結構色々言われてるのかなって思ってさ」
「話しかけてくる!? え? なんやそれ? この子全く話してこんで?」
「え?」
「レイジの幻想話しかけてくるんか? なぁ、どんなこと話してくるん? てか、ウチそもそもレイジの幻想どんなんか知らんのんやけど!」
ズイッズイと詰め寄ってくるユーリより喋らないって事に俺の思考は持ってかれてた
(なんで話さないんだ?)
(そりゃそうよ。普通の幻想が話すのは明日からだろうしね)
(普通?明日?ならなんで姉さんは喋れるんだよ?)
(それは…今すぐ説明するのは難しいわね。私もまさかすぐに話せるようになるとは、思ってなかったし)
「なぁレイジ聞いとん? デバイス見せてくれへん?」
「え? ちょっユーリ!?」
ユーリは俺の肩を揺さぶりながらお願いしてきた。
「わ! わかったから、落ち着いてくれ!」
俺がそう言ったら揺するのをやめて、目をキラキラさせながら俺のデバイスを直視してた。俺は、デバイスを開くと画面に姉さんが映ってた。俺はそれを確認してからユーリに見せた。
「え? めっちゃ綺麗な人やん! レイジこんな人が好みなんか?」
「ちっ違うから! 俺の幻想は何故か姉さんなんだよ!」
「レイジって、シスコンやったんか…大丈夫やで? ウチその辺は気にせんから」
ユーリは何故か納得するように頷いてた。やばい絶対誤解されてる。俺はユーリに姉さんの事を話す事にした。
「ユーリ姉さんの事で話したいことがあるから、散策中にどこか入って話聞いてくれないか?」
(レ! レイ!? それはデートのお誘いになっちゃうわよ? 好きでもない人に、デートのお誘いはダメなのよ?)
(デートじゃないから、そこは安心してくれ。ユーリに半年前のこと話すだけだから)
「よぅわからんけど、大切な話なら、うちはかまへんよ♪」
「そう言ってくれて助かる」
(あんなに良い子だったレイが、半年で女たらしになってる!? マルコのせいなの!? ねぇレイ! マルコに何を教わったの!)
(頭に響いて頭痛が!)
姉さんは俺を睨みつけながら早口で俺の頭の中を響かせた。あまりの衝撃に俺は頭を抑え叫びそうになった。
「レイジ大丈夫なんか!? 頭痛いんか?」
「大丈夫だから。 それより早く部屋割り見に行こうぜ」
そう言って俺は寮の部屋割りを見に行った。寮は一人部屋らしく、俺は1番奥の角部屋になってた。
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