27話
「2人共、今日はここまで! 明後日には遠征が始まるから、明日はゆっくり体を休めるように」
「「ありがとうございます!」」
俺とクリスは、お礼を言うとその場で倒れ込んだ。先生化物すぎだろ!? 俺達も本契約して、毎日稽古つけてもらってたのに、結局1回も勝てなかった……
「2人共遠征から戻ってきたら、また稽古つけてやる。その時には、もう少し先生を楽しませてくれよ?」
汗だくで疲労困憊の俺達と比べ、軽く汗をかいた程度の先生は、俺達にニヤッとした笑みを見せ、そのまま出ていった。
俺達は呼吸を整えながら、今日の反省会を始めた。反省会と言っても、先生と1体1だがら、相手の模擬戦を見て気になった事を、伝え合うって感じだ。
「レイジは、目の能力に頼りすぎだ。もう少し自分でも予測してみたらどうだ?」
クリスは、まだ少し呼吸が乱れてるが早速意見を言ってきた。
「わかってんだけどな……便利過ぎて途中からどうしても能力に頼りっきりになるんだよな……」
本契約を結んだ事で俺の能力は成長していて、正直同じクラスの人相手だと、クリス以外負ける気がしなかった。
「後は、二丁になった時は、まだ動きが安定してないし、剣の時は、動きは速いが、単調な動きに感じるぞ?」
クリスのやつよく見てるな……
俺はだいぶ呼吸が整ったから起き上がり座り込みクリスを見下ろした。
「今まで二丁はやった事ないからな……剣は今までずっと訓練もしてきたけど、まだスピードに体が振り回されてるんだよな……踏み込みからの動作がついていけてないって言うか……」
モードレイは、確かに使い慣れてる武器とはいえ、アレだけのスピードになると速度と動作にズレがあって今まで訓練してきた動きが上手くできないでいた。
まぁその辺は、今後の課題にしていかないとな……
「動きに関してはクリスも同じだろ? 能力のおかげで、今まで訓練してきた両剣動きと違うから、自分の動きを探してるって印象だったしな。それに本契約したせいで、分離後なんかまるで動けてないじゃないか」
そう、クリスは本契約をした事で、分離後の武器の形状が変わったのだ。 まぁ、俺も変わったけど、クリスに関しては根本から変わってしまってた。
「サラッと俺が1番困ってる事を言うよな。分離後はマジで困ってんだよな……アレだ! 簡単に言うと、幻想とエマ、2人と同時に会話を成立させろ的な感じだ。どれから手を付けていいか分からなくなるみたいな」
なんとも分かるようで分かりづらい例えを言ってくるクリスを、俺は相当疲れてるんだなと、同情の眼差しで見ていた。
「つまりアレか? 勉強しながらご飯食べる的な感じか?」
「そう! それを言いたかったんだ俺は」
俺がわかりやすい例えを言うと、ガバッと起き上がり少し興奮した感じでクリスは、うんうんと頷いてた。
「でもさ、先生もずるいよな。 模擬戦する前に、アレをさせてからやるとか、勝ち目内に決まってるだろ! レイジもそう思うよな?」
「確かにアレを使ったあとだから、体が既に疲労困憊なんだよな……」
本契約した時俺とクリスはある物を覚えてた。ある物……幻想爆発の事だ……姉さんが昔使ってたようなことを俺とクリスは、それを使ってから先生と模擬戦をするのだ。
正直、アレかなり疲れるんだよな……一気に体の力が抜けてくみたいな……しかも俺はそれを2回するから、開始前にはもうヘトヘトになってるし……
「そう言えば……「おったで!」ん?」
俺がクリスに話そうとしたら入口から声が聞こえた。
俺とクリスが振り向くと、ユーリ達がこちらに駆け寄ってきてた。
「レイジに、クリス。 あんたらいっつも隠れて何しとんたん?」
「そうですわよ? いつも午後には2人して居なくなってましたし、ココには基本立ち入るなって、先生にも言われてますよね?」
「せ……先生に聞いてきたから……その……先生となにかしてたんですか?」
3人が一斉に詰め寄る様に話しかけてきて、誰から答えたらいいのか、3人に目を泳がせながら焦ってたら、クリスが突然笑いだした。
「ぷはっ! レイジ、俺がさっき言いたかったのかこんな感じだってことだよ」
「なるほど。これは確かに骨が折れるな」
クリスの言葉に俺が答えたら、どうやら地雷を踏んでしまったらしく、気がついたら俺は、ワナワナと震える3人にすごい剣幕で睨みつけられてた。背中にゾクリと冷たい悪寒を感じ、冷や汗が頬を伝うのを感じながら、俺は3人に顔を向けた。
「えっと……どうしたんだ?」
その一言が引き金となり、3人は一斉に怒ってきた。
「骨が折れるってどぉ言うことや!? 説明の内容によったら、流石のウチも本気で怒るで!」
「2人して説明も無く、訳の分からないこと言ってなんなんですの!」
「ひ……酷いよレイジさん! わ……私達今日午後から……ずっと探してたのに!」
3人の怒鳴り声に俺は恐怖を覚え、背筋と正し頭を下げた。
「3人とも、すいませんでした!!」
3人に対し、精一杯の謝罪を言うしか俺にはできなかった。
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