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冬の子  作者: 冲田
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 それから(ふゆ)の子は、その場所(ばしょ)にとどまりました。


 ()()ちないように気をつけて、(つめ)たい北風(きたかぜ)()こさないようにしました。


 雪雲(ゆきぐも)(ちか)づくと、()いはらいました。



 ここよりもっと(みなみ)のまちの人たちは、いつまでたっても冬の子が()ないので、なにかおかしいと(おも)っていました。


「冬の子や~い! いつになったらくるんだい?」


 南のまちの人たちは冬の子に(さけ)びました。


 しかし返事(へんじ)はありませんでした。







 (ふゆ)の子は、男の子の(いえ)()()を、なんとか(のこ)そうとがんばりましたが、()はだんだんと(すく)なくなっていきました。


 約束(やくそく)誕生日(たんじょうび)には、あと二枚(にまい)しか残っていませんでした。



「お誕生日、おめでとう!」


 男の子の部屋(へや)の中からは、(あか)るい(わら)(ごえ)()こえました。


 男の子のお母さんが、お父さんが、兄弟(きょうだい)たちが、プレゼントをあげたり、ケーキにろうそくをたてたりしていました。


 みんながとても(たの)しそうで、そして、うれしそうでした。


 男の子もこれまでで一番(いちばん)笑顔(えがお)を見せていました。


 冬の子も男の子の様子(ようす)を見て、とてもうれしそうでした。


 お誕生日のパーティーの(あいだ)にも、葉が一枚、(かぜ)にさらわれていきました。

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